2011年10月05日
湯島「古拙」
銀座「古拙」が閉店して早1年。
店主は新店「仁行」で既に大活躍だが
先月、ここに彼のもうひとつの蕎麦のかたちが生まれた。
料亭のような「仁行」に対して、
こちらは肩肘張らず気軽な蕎麦屋。
家族連れでも宴会でも気兼ねなく使える、
大衆に愛される蕎麦屋。
今までと打って変わった、新しい「古拙」。
湯島の、ちょっと怪しい雰囲気も漂う辺り。
三組坂の途中に「P」とあるこの店のネオンも
何だか一緒になって怪しく映ったりもするが、
近づけば
よ る そ ば。
お蕎麦だー!
「蕎麦」の文字を見ると家族に出会ったようにほっとしてしまう私。
夜蕎麦?寄る蕎麦?
店に入るとすぐにつくばいのある、待合のようなスペース。
このあたりは今までの「古拙」っぽい感じを残しているような。
しかし客席に案内されるとこれはなかなか新鮮な「古拙」だ。
驚くほど広いスペースにテーブルがズラー。
照明もテーブルセットも「洗練」とか「高級」より「和み」の雰囲気。
極めつけ、BGMはカントリーギター!!
なんだかやけに気楽な「古拙」なのだ。
テーブルには、何やらここの蕎麦の説明書きが。
店主の言葉のようである。
「水腰そば」?
「本来、そばというものは香を楽しむものなのかもしれません。
しかし、ぼそぼそとしたそば特有の食感は喉越しが悪く、
それを苦手とする私があえて、喉越しを楽しむために、
香を犠牲にしても構わない、・・」
(エッ香り犠牲!?そんな、ご無体な!!
『死ぬ前に食べたいものは蕎麦の香り』とか言っている私は
蕎麦が途切れてマカロニみたいになってたって
香りがちゃんとあるほうがいいー!)
「・・構わない、それでいて、松茸を裂いたようなしなやかな食感、
それは、そばが苦手、という方に是非食べていただきたいと」
(蕎麦溺愛者ですが食べてもいいでしょうか・・(^^;;))
「自信を持ってお勧めしたい
そんな究極の喉越しを目指した十割そば、
それが、「水腰そば」です 石井 仁」
ハァー そうですか・・・
音楽は有線放送なのか
電子音のポピュラーソングに変わってスーパーマーケットみたいだし
なんだか不安になってきちゃった・・
香り犠牲・・ああ・・
「もりそば」
おーっ
「古拙」らしい小山盛りだがこれは小山ではなく結構大山です。
繊細、美麗な極細切り。
手繰り上げると・・
めっちゃ香っているではないですかー!
爽やかな穀物のかぐわしさが
ふわぁ〜 ふわわぁ〜〜〜〜
香り、全然犠牲になっていません!
口に含むと、極細切りの束が流れるように口中をめぐる。
ややぬめるような肌を噛みしめると心地よいコシ。
極細の「束」が生み出すチュクッとしたコシはなんとも個性的だ。
「水腰そば」。水のような腰。
なんだかわかる気がする。
でもほんとはもう、先程から何も考えたくなくて
ただただ見つめるめぐる束、
口内と脳を染める爽やかな香りと味わい・・・
ああ おいしいなあー
店を出るとき入口付近でどこからか賑やかな声が。
店員の女性がにこやかに
「地下が大宴会場になっているんですよー」
エー!1階の客席もあんなに広くて個室もあって
おまけに地下に大宴会場!
確かにメニューには
「ポテトサラダ」「鶏唐揚げ」「鶏塩焼き」
などのおつまみや
「よるそばコース(2700円)」
「宴会コース(5000円〜)」
まであってこりゃお誂え向きである。
湯島の地で変貌を遂げた「古拙」。
「ひるそば」もたのしそうでしたよー
今週7日(金)江古田でライブやりまーす☆!
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この記事へのトラックバック
いつもコメントありがとうございます♪
「古拙」楽しんでいらしてください〜
店の雰囲気はともかく、蕎麦美味しかったです。あれが十割とは。。
有難うございました。
ブログ載せるときにリンク貼ってもいいですか?
うわあ、もう行かれたんですか!お蕎麦美味しくてよかったです♪リンクよろこんで、どうぞです。美味しい詩のようなblog素敵ですね。
また美味しい蕎麦、ご紹介してください。
素晴らしい!!!もっと早く行けばよかった、と後悔。コースも実にいいですね。値段もとても手頃で、いろいろ楽しめて文句なしです。コースの仕上げのそばはもりとかけ(松茸を載せた冷やかけでした)を半分ずつだけど、全部もりでもOKだそうですし。再訪必至(笑)
ブログ拝見しました。楽しいですね〜、お店も、tatenon節も(^o^)!そう、お値段も手頃ですよね。私もコースで行きたいです。