2011年09月28日

兵庫・出石町「出石蕎麦 天通」


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皿そばで有名な蕎麦のまち出石。

「皿そば」とは兵庫県出石地方の郷土蕎麦で
江戸時代、お国替えで信州上田市の仙石氏が連れてきた
蕎麦職人にはじまるといわれている。

出石焼の白磁の皿に分け入れられた蕎麦は5枚一組を一人前とし
卵、とろろ、ネギ、山葵、大根おろし等の薬味と共に食べる。
だいたい、800円とか900円で一人前が薬味付きで出てきて、
そこに一皿120~150円くらいで小皿を追加していくシステムだ。



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「出石蕎麦 天通」はその出石にあって
皿そばがメインでない、ちょっと珍しいお店である。
蕎麦も皿そばの蕎麦だけでなく
「十割そば」
「田舎そば」
「粗挽きざる」
と3種類もあり、すべて自家製粉。
しかも「田舎そば」と「荒挽きざる」はなんと手挽き!
「そばがき」も手挽き!

ヒャ〜〜 もう嬉しくて嬉しくて
開店時間(午前10時)のはるか前に到着してしまいました。
だというのに
「中でどうぞ〜。すぐには、できないかもしれないけど〜」
と、どこまでものんびりと親切な店のおばちゃん。

ああ なんて素敵な朝なんだろう。
開け放した扉からのどかな街の音が聞こえる。

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「十割そば」
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見るからに「これは香りそうだ」と嬉しくなったが、
予想を超えた、ときめくほどのかぐわしさ!!
まろやかでクリーミー。
素晴らしい香り高さに思わずうっとりさせられる。
ああ、おいしい・・・来てよかった・・・

見た目以上に密度の濃い肌。
ねっとりとやわらかめで、これはなかなか足が早い蕎麦だ。
さっさと食べないとせっかくの香りが淡くなってくる感じがあるが
大丈夫、そう思ったときにはもう食べ終わってましたさ!
朝イチ、お蕎麦に飢えていたところにこの美味しさであるから
その吸い込みの良さと来たらない。



「田舎そば」
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黒々、ざっくりとした肌に浮かぶ無数のホシ。
不定形にゆらめく、素朴な輪郭線。
口に含むとザラザラとした肌の凹凸が心地よく
何と言っても殻の香ばしさ、味わいの深さがたまらない。
甘みが全くないのがかえって香ばしさをさっぱりと際立たせる。
見た目はハードだが食感はやさしい、手挽きの「田舎そば」だ。



「粗挽きそば」
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キター


これは・・・

あまりにも美味しそうで食べる前からもう胸がいっぱいである。
もう泣いてもいいかもしれない。

白っぽい肌に浮かぶ大小無数の陰影。
細かく震える手挽きのライン。
うわーどうしよう、これは絶対おいしい、美味しそうすぎる!

もはやパニックに近い状態で手繰り上げると、
そんな私をふわっと和ませるような、やさしく白い香り。
そしてそのしっとりとやさしくも粗い肌を噛み締めた時の、
味わいの美味しさときたら!!
味わいもまた白いイメージで
品のいい穀物のうまみがぎゅううううと閉じ込められている。

ああ おいしいー おいしいようー 
来てよかったようー
おばちゃんありがとうー



随所に感じる美味しさへの徹底した追求、
なのに拍子抜けするほどのんびりとした居心地の良さ。
どこか仙台の「たまき庵」に通ずるユニークさを感じるなあ・・と
思ったらこんなところに共通点が。

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蕎麦湯の湯桶に浮かべられた柚子・・・




店を出てもまだ10時半。


さぁて、今日はまだまだ楽しいんだー♪


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10月の出演のお知らせ☆

posted by aya at 11:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>兵庫 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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