2011年08月23日

岐阜・下呂「手挽き手打ち蕎麦 仲佐」


どんなに遠くても行きたい、大好きな店である。

ゆったりとした風情の中、
季節の料理と美味しいお蕎麦を楽しむ
静かなひととき・・・


のはずが!


開店時刻に、この有様である。


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ハレー


他に店らしい店もない、のどかな下呂の裏通りにこの大異変。

私は開店時刻より少し早く到着していたので
ここまで並ばずに済んだが、それにしたってすごい。
桜や紅葉の季節に来たこともあるが
こんな行列は初めてである。



さぞかし店内はテンヤワンヤ・・
と思いきや。


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なんとなんと、
中は満員でありながら騒々しさは一切ない。
皆、ただただここのお蕎麦が食べたくて、
ひっそりとそれを楽しんで帰っていくのだ。


やっと席に通されメニューを。

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今日は誠に残念ながら蕎麦三昧は売り切れ。
ではせっかくだからと「手挽きざる」と
もう一枚、「冷やしかけそば」を注文することにする。


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店内は次々とお客さんが入れ替わっているだけに
さすがに接客の女性たちは忙しそうだ。
しかし実に感じがよく気配りの細かい人ばかりで
こちらはゆったりとした気持ちでいられる。



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窓際の席。
丹精した庭が、曇り空が反射する白い光を浴びている。

私の蕎麦が運ばれてきた。




「手挽きざる」

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茶の湯の置きあわせを思わせる程の
揺ぎ無き佇まい。



見つめれば、宇宙。

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みずみずしい艶。
透明感のある黒っぽい肌に浮かぶ、
粕入りの和紙のような美しいホシ。
何ともやわらかいラインを描いて落ちる、
控えめな姿。

私は吸い込まれるように見入る。

貴さに、目を細める。


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口に含みびっくり。
予想以上のちゅるつる、表面はぬるりとすべるようだ。
そして今日の蕎麦はいつもよりぐっと品の良い香り。
まるい、澄んだ、美しい香りを羽衣のようにまとっている。

やわらかくやさしい、ひんやりちゅるぬる、天女の夢。

香り爆発でも味わい濃厚でもないのに
何だかどうにも美味しくて無我夢中にさせられてしまうのは、
「魅力」としか言いようがない。


しかも「冷やしかけそば」がまた美味しい!

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私は常々、柚子の香りの使い方は難しいと訴えて(?)いるものだが
この「冷やしかけそば」の柚子のニュアンスは絶品。
主役の邪魔をしないどころか、
主役の美しさを際立たせるさわやかさ。
これまた、ひんやりちゅるぬる、恍惚のひととき。
(美味しすぎて本当に一瞬に思えた!)


また会える日を思いながら暖簾を出る。


どんなに遠くても行きたい、大好きな店なのだ。




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posted by aya at 21:26 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東海の蕎麦>岐阜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ayaさん、こんにちは。

トップの写真、エライ事になってますね!

いつも此方に伺う時は、開店20分前には到着するように頑張っています。

いつ行ってもハズレの無い美味しい蕎麦に感動です。
蕎麦の画像を見たら、行きたくなってしまいました。
9月になれば、中津川の「栗きんとん」が解禁になるので、
その流れで下呂まで行っちゃいますか? (笑)
Posted by そばの横好き at 2011年08月26日 18:23
そばの横好きさま
そうなんです、エライことになっていました!
あんな仲佐は初めてでびっくりしました。
実は栗きんとんも大好物な私なのですが、現地で食べたことはまだないのです。あれは本当に足が早いので一度現地で作りたてを食べてみたいです!

Posted by aya at 2011年08月28日 09:31
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