2011年08月21日
築地「布恒更科」
夜の築地に浮かぶ灯り。
「築地」駅至近だが
私はたいてい銀座の中心あたりからのんびり歩く。
その時間も好きなのだ。
ここの蕎麦は大森の店同様、どーんと盛りがいい。
横長のせいろにまさに「山盛り」でやってくる。
「もり」
密な肌。
これだけパッキリとエッジの立った蕎麦も珍しいほど
シャープな輪郭線を際立たせている。
香りよりもまず迎えてくれるのは
ひんやりしゃっきり締められた、澄んだ冷気。
口に含むと見た目以上くっきりした輪郭線が口中をめぐり
噛みしめてその強靭なつながりに毎度驚く。
これはしっかり噛んで楽しむ蕎麦だ。
「もりと生粉打ち」と頼んだので
追いかけるように「生粉打ち」が運ばれてきた。
盛りがいいだけに2枚が並ぶと
何だかものすごい大食いみたいで恥ずかしい。
(いい加減認めたらどうなのか。いや、昔は本当に大食いだったんですけどね、最近はもう・・ゴニョゴニョ・・)
「生粉打ち(十割)」
「もり」よりもさらに密な肌の太打ち。
これまた手強そうなまでにパッキパキのエッジっぷりである。
ふっくらと甘い香りに誘われて口に含むと、
おお〜、今日はまた、
今までで一番の噛みごたえだ。
ひんやりクッキリ潔い蕎麦をモグモグ噛みしめる度
口中に広がる穀物らしい香り。
店の外は昼間の熱がまだ冷めず、うだるように生ぬるい都会の夜。
しかし、私の脳はひんやり清らかな蕎麦畑を旅している。
真夏は、いつもよりちょっとひんやりめ、
しゃっきりめに締められたお蕎麦がいいな、と毎年思うのだ。
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