2011年08月05日
石神井公園「蕎麦に銘酒 野饗(のあえ)」
石神井公園駅から徒歩3分の路地。
2005年、ここに「手打そば 菊谷」が生まれた。
店は瞬く間に近所の人や遠方の蕎麦好きに愛される人気店となり
そして今年、巣鴨に移転した。
かつて店があった場所に立ち、時の流れに思いを馳せる。
ここは今、「蕎麦に銘酒 野饗(のあえ)」。
「手打そば 菊谷」の店舗を引継ぎ開店した店も、またいい店だ。
店先の杉玉が銘酒処としての心意気を示している。
「冷肴おまかせ五品もり」を頼むと
こんな楽しいことになる。
「そばの実おひたし」
「ゴーヤのおひたし」
「鳥肝しょうが煮、きんぴら、昆布煮」
この店の主は日本酒ライター。
カウンター前の大きな本棚には日本酒に関する文献が図書館のように並び
店内黒板には他では見かけないような名酒の名前がズラリ。
暗号のような名前があると思ったら、酵母の名前で出しているお酒だったり!
お酒好きのハートをガッチリ掴むおつまみメニューの中に
野菜料理が多いのも嬉しい。
「鯖の燻製」
「茄子の煮浸し」
「しらすおろし」
蕎麦は産地別で二種用意されている。
まずは
「福井産の十割」
はかないまでに繊細な粗挽き。
箸先から漂う香の素晴らしさに、思わず食べもせぬうちから
「おいしい〜!」。
口に含めば見た目以上の繊細さで、まさに「はかない」食感。
しかしそのはかなさの中から、ふっくらとした味わいがしっかりと溢れ出して来る。
二枚めは
「栃木産の二八」
うーん、栃木の香ばしさ!
こちらは二八だけに先程の福井十割に比べるとムチッとしたコシがある。
みずみずしくしっかりとした蕎麦。
何より私は栃木の香ばしさに弱いのですっかり酔わされる。
ところで今回この店の帰りに面白い店を見つけた。
「蕎麦に銘酒 野饗」からも石神井公園駅からもすぐ。
「茶房 珈路(こみち)」。
商店街に面して「自家焙煎」「一杯出し珈琲専門店」と看板にあるが
店は2階なのでなかなか地味な印象である。
しかし2階に上がると、そこは!
一階の印象からは想像できない、
驚きの広さの、実に美しい店なのだ。
なんとも嫌味のない高級感。
肩肘張ったような洗練ではなく、
ホテルオークラの旧館ロビーのような、のどかな気品。
あまりにも専門的なコーヒーメニューには圧倒されたが
相談に乗ってくれた店主は極めて感じがよく
バシッと美しい姿勢で丁寧に淹れてくれる。
そのコーヒーが、驚くほど美味しい。
石神井公園にこんなコーヒーの名店があったとは・・
「蕎麦に銘酒 野饗」に帰りには是非。
カウンター正面の窓。一面のコブシ!(茶房 珈路)
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江戸東京そばの会ご出身の方が6月に開いた新しいお店があるのはご存知ですか?
http://manoa.blog14.fc2.com/blog-entry-1802.html
お昼はまだ「開店限定メニュー」と銘打ったセット一種類のみで、数枚ですが
http://twitpic.com/photos/_Z33_/ にヘタな画像を上げてます。
珈路さんはカップが洒落てますよね。どれも有田焼とか伊万里焼ばかりで。
うわー、素敵な情報ありがとうございます!さすがはZ33さま。うなぎもおいしそう・・♪珈路さんの陶器は電気スタンドに到るまで深川製磁だったり素晴らしいですね。