2011年07月29日

西八王子「蕎酔庵 いっこう」


西八王子の住宅街。
緑濃き夏の「いっこう」。

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まず出されたお茶に眼を見張る。
茶葉ではない。
この器、素晴らしい!
新作だろうか?

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聞けばビンゴで、店主の最近の新作だった。
蕎麦打ち職人で陶芸をする人は多いが
「いっこう」の店主の作品は中でも図抜けている。
アイディアと個性あふれる作品の数々は、私も大ファン!




さりげなく出された、この小皿にもひとめぼれ・・・
私どれだけ六角形の器好きなんでしょう。

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まずは毎回必ず頼まずにはいられない、
「そば掻き」

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ふわぁーーーっ
なんとフレッシュで嬉しい芳しさ!
ざらざらの粗碾きながら驚くほどエアリーな食感。
その内側から、若々しくフレッシュな蕎麦の香りが
いくらでもあふれてくる。
もうこの時点で、また来たいと思ってしまう店なのだ。 


そしてこれまたここに来たら絶対拝まずには帰れない、
「かき揚げ天ぷら」

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お皿の真ん中にドン!と立つ、一度見たら忘れないかき揚げ。
この中から、海老・ホタテ・玉葱・人参・三つ葉の宝探しをする楽しさ。



「出汁巻き玉子」
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卵を厳選しているだけあって、卵の味がぎゅっと濃縮されたよう。
和三盆を使っているため
出汁巻きにしては甘めのトーキョー出汁巻きだ。




「鴨 陶板焼き」
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野菜たっぷりが嬉しい、
お皿に描いた絵のような楽しい盛り付けが更に嬉しい。
私は焼き葱が一番好き。


 
そして待ってました!
だいすきなだいすきな、「いっこう」の「粗碾き三兄弟」!

せいろ「蕎薫(きょうくん)」
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なんという肌の美しさ。
この後更に粗碾きの「手びき」が来るが、
この「せいろ」だって相当な粗碾きだ。
フワーッとフレッシュなかぐわしさは、
まさに「そば掻き」の感動そのまま。
ああ美しい・・おいしい・・素晴らしい・・・



手びき「白妙」
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息をのむ、しろい超あらびき。

食べず眺めているだけで
蕎麦の重なりの中に吸い込まれていきそうだ。(ホラー?)
ふっくらと白い味わい、
粗い粒を噛みしめるごとに生まれる新しい薫り・・
恍惚。




十割「墨衣(すみごろも)」
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ギャフン。
と古典的な奇声をあげたくなるほどの眺め。
黒々と野性的なのは見た目ばかりではない。
深く香ばしい、そして力強い味わい。
甘みが少ないのが逆に香ばしさを際立たせ、
洗練の雰囲気を持った黒い蕎麦だ。



食後に出会ったこの器。

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これは店主の作ではなく九州で出会ったものだそうだが
さすがはアーティストのセンスである。

いやいや、いっこうさんが「アーティスト」だと思っていたのは前回までで
今回は「アーティストで学者、研究者」と驚かされたのだが・・




人の何倍もの努力を惜しまず、
楽しみながら進化を止めない「いっこう」。



日本に生まれて、東京に住んでいてよかった。
と思えるものをこうして数えて、
日本を大切に愛していこう。



2010年4月の「蕎酔庵 いっこう」

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