2011年07月28日
西大島「手打ち蕎麦 銀杏」
どんな涼しい顔でどこに隠れていても、
人気者は放っておいてはもらえない。
西大島の住宅街。
用がない人はまず通らない通りに面した、
路地裏のクールビューティー。
こんなに商売気のない佇まいながら、
時分時には来るわ来るわの大賑わい。
誰だって美味しいものには弱いのだ。
まずは「黒龍飲み比べ」。
純米大吟醸、純米吟醸、本醸造の三種。
久々に訪れてみれば
お?メニューが1冊増えている。
「銀杏希和子ギャラリー 蕎麦・酒・肴編」
これが凄い。
とんでもなくすばらしい!
この楽しさ、かわいらしさ、わかりやすさ。
一瞬でこのメニューの世界に引き込まれ、
あまりの美味しそうさにどれも全部注文したくなってくる。
私は常々、
「イラストというものは情報紹介としては時として非常にもどかしい」
と思っているのだ。
旅行ガイドブックなどで、風景や建物や土産物などがイラストで紹介されていると、
趣はとてもいいが実物がどんなものなのかは結局つかみにくく
「わかりにくくてもどかしい・・」ということになりがちである。
特に食べ物についてはその骨頂。
イラストで食べ物をおいしそうに表現する、という事自体無理難題に思えるし、
情報を紹介するという役割では、やはり写真に勝るものはない、
とずっと思ってきたのだが。
今日はすっかり考えを覆された。
驚きはメニューばかりではない。
この最初の一品、
「とろろじゅんさい」
デミタスカップの中にひんやり泳ぐじゅんさいと、小さくまとめられぽってり浮かぶとろろ。
それならなんとなく味の想像がつく、と思うなかれ。
実際私も驚いたのだ。
こんな小さな世界ながら、じゅんさいもとろろも、
そして底に沈められた海老も、
一つ一つが口に入る度「アッ おいしい」と言いたくなる。
こういった感動にはなかなか出会えないものだ。
うーん「銀杏」さん、
なにやら恐ろしいほどパワーアップしているのではないですか〜?
さて今日は、実は歴史に残る大変な日(?)である。
銀杏の「夏の種物そばメニュー」がいろいろ美味しいということで
今日は是非それらをと思っているのだが、そばメニューのあまりの豊富さに
事によってはこの私が「せいろそば」や「田舎そば」を食べずに
終わるかもしれないという・・
何だか別の星に移住するような気持ちであるが
とりあえずメニューを見てみることにする。
参考までに、これが従来のメニュー。
確かにすごい充実ぶり。
そばメニューとして、「夏野菜のじゅれ」「紅の雫(とまとそば)」など
涼し気で個性的なオリジナルのメニュー名がわんさか並んでいる。
どれにすればいいか迷った・・・ので、
イラストメニューの方を見てみようーっと。
「梅時雨」
ぐわっ
なんでしょうこの美味しそうさは!!!
なんとうつくしい色彩表現。
これは絶対食べたい!食べなくては!!
でもイラストだし、本当にこれが、このまんま来るのかな?
・・まんま来ました。
イラストそのまま、
うつくしい深緑の、青さ海苔と梅干とオクラの冷やかけ。
ほどよい太さの蕎麦にからまってくるあおさが、ああ〜いい香り〜
ええ、私は海苔に滅法弱いんです。
「夏野菜のじゅれ」
これまたイラストそのままの姿でやってきた。
素直で美しい出汁のきいたジュレに浮かぶコーンにオクラ、
底にどーんと沈んだ大きな茄子。
野菜はふんだんに入っているが
全体の味わいとしては「すっきりした出汁と茗荷」が主役を張り
実にシンプルでさっぱり。
これならどんなに食欲がない時もするんと胃に収まってしまうだろう。
イラストが楽しすぎて注文が止まりません。
「紅の雫(とまとそば)」
最近あちこちに見かけるようになったトマト蕎麦というメニューだが、
ここの汁はトマト味でもトマト色でもなく、澄んだ味わいの出汁。
「他の素材と一緒に調理されたトマト味」を味わうのではなく、
洗練の出汁の中で「トマトそのまま」と「蕎麦そのまま」を味わう。
これだけの洗練、これだけ品の良い美味しさには私は出会ったことがない。
そしてこれが本日私が最も感激した、
「冷製浅蜊蕎麦」
「
これおいしすぎます、大好きすぎます(>_<)
浅蜊の酒蒸しをそのまま冷やかけにしてしまうという
アイディアにまず大拍手!!
元々大好物だけに「浅蜊の酒蒸し」にゃちょいとうるさい。
とは言え「浅蜊の酒蒸し」てえ奴はやはりどうしてもお酒のおつまみですね。
ご飯のおかずにはなりにくいし、だから私はいつもひたすら、
お酒もなしに「浅蜊の酒蒸し」を単体で楽しんできた。
しかし自分でも気づかないうちに、どこかバランスの悪さへのストレス?があったらしい。
その長年の意識下のストレスが、
本日この「冷製浅蜊蕎麦」との運命の出会いによって一気に解決されたのだ。
おいしい浅蜊の出汁の汁と、おいしい手打ち蕎麦と、
おいしい浅蜊がいっぺんに口に入ってくるしあわせ。
しかもこの浅蜊が見事な大ぶりで、味が中にぎゅっと閉じ込めれられていて
見た目も美味しそうだが食べるともっと美味しい。
そうそう、途中でこんなものもつまみました。
「とうもろこしのかき揚げ」
見せ方も揚げ方も上手い!
香ばしい衣の中、とうもろこしの凝縮された甘みは想像以上でまるでお菓子のようだ。
デザートの「生粉打ちあいす」
蕎麦粉入りなのでとろ〜り不思議な食感。
トッピングの「炒った蕎麦の実」、これは何にかけても美味しい。
気づけばやはり本日は、
「せいろそば」や「田舎そば」を食べずに終わってしまったが
あんなに美味しいアレンジ冷やかけをお腹いっぱい堪能し大満足。
確かに
「好きな人に会いに来てチラッと顔は見たけど話をせずに帰ってしまった」
ような感覚は残ったが。
好きな人には今度ゆっくり会いに来ますから。
待っててね〜
銀杏のせいろさん、田舎さん!
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昼に飛び込み、アサリそば食べて来ました。
メチャおいしかったです。
ひゃーっなんと嬉しいコメントでしょう!こんなブログでも書いた甲斐があったというものです。
メチャおいしかったのですね〜、ご紹介した私がうらやましいです(^O^)
ブログ毎日見るの楽しみです。
これからもよろしくです。
またまた嬉しいコメントに思わずと笑ってしまいました。すごい〜2日連続!そうそう、夏野菜ジュレは食べるというより「全部飲み干す」感じですよね〜(^o^)