「またこの季節になりましたね。ほら、とう菜」。
奥さんが嬉しそうに、にっこり笑って言う。
私も嬉しくて笑顔になる。
拙著「蕎麦こい日記」の取材日にも出会えた「とう菜のおひたし」。
あの日も、こんな春の午後だったのだ。
このあたりの地野菜である「とう菜」。
いさとでは、近所で採れた野菜を使ったメニューにない小さな一皿を
頼んだものの合間にことりとさりげなく出してくれる。
まるで自分の家に帰ったような気持ちになる。
窓辺には、観葉植物のように蕎麦の鉢植えが。
小さな一皿にはこの「市川産」蕎麦の芽がそっと添えられることもある。
今回の驚きはまずこのそばがき。
火にかけられているわけでもないのに
テーブルに運ばれて尚、まだぐつぐついってるではないか!
つい興奮して思わず初・動画アップに至る始末である。
(初動画アップが「そばがき」って人はあんまりいないだろうな)
ダウンロードは🎥こちら
この「そばがき」。
舌触りはスーパーもにょとろーんなのだが
そんなことよりにもどうにもこうにも唯一無二なそばがきである。
まずこの断面をご覧頂きたい。
この驚くべき、色とりどりの蕎麦の粒たち。
一つ一つが、たった今畑からやって来て砕かれたばかりというよな
フレッシュな表情をみせている。
「これはそばがきというより、粒状の蕎麦畑がカタマリになったようなものだ!」。
モチモチとかフワフワとかいう「そばがき」としての特徴を求める必要がないほど
「畑感」が強い。
あまりにも「そのまんま」なのだ。
香りも、畑に頭をつっこんだかのような(どんなだ)飾らぬ野生の香り。
さすがは、毎朝全ての蕎麦粒を店主の目と手で厳しく選別し
選び抜いた蕎麦粒のみを手挽きしている「いさと」ならではの「そばがき」である。
そしてこちらでは一番人気と思われる、鴨肉入りの玉子焼き。
肉厚の玉子焼きの中には
「味噌」と「黒糖」と「唐辛子」で煮込んだ鴨肉がひそんでいる。
くもりなき黄金色の玉子焼きも美しいがこの「いさと」の焦げ目、
実にいいではないか。
浅草「亀十」のどらやきのようだ。
私が今回とても気に入ってしまったのは、
先程アッツアツのそばがきが運ばれてきた時、
器の下に敷かれていた木の鍋敷き。
何とも邪気のない自由なデザイン、素朴な木肌に惹かれて
思わず「これは何ですか?」と聞けば、なんとなんと。
使わなくなったまな板を彫って彫って店主が作ってしまったものだそう。
丸く開いた穴は元々のまな板時代からの穴だったのだ。
ときめきの時。
この窓辺であなたに会うと、私は目を細め見入るばかりだ。
先刻そばがきの時に「畑がそのままカタマリになった」と言ったが
これは「蕎麦畑がそのまま細長い形状になった」ものである。
粒状の畑がつながって、ここにこんな形で存在することが奇跡のように思えてしまう。
何を大袈裟な、と思われようが私は大真面目だ。
素朴に揺れる輪郭線。
陽炎のような白いホシ、グレーの影、赤い粒、黄緑の粒。
口に含むと意外にもつるつると1本1本がはっきり感じられる食感なのだが
肌の感触は見ての通りの凹凸がありそれが口中を撫でていくのがたまらない。
見た目からはフレッシュな野生の香りが予想されるが
実際はなんともふくよかな、極上の更科のように研ぎ澄まされた上品な風味を持っている。
極上の更科と極上の粗挽き田舎のいいところ取りのような
珍しい蕎麦だ。
故郷の家をしばらく離れるかのように名残惜しく「いさと」を出た後、
出会った桜、そして大好きな木瓜(ぼけ)。
何があっても、花は咲いてくれる。
今年も咲いてくれて、本当にありがとう!
2009年12月の「SOBA ISBA いさと」
*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*
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出会った桜、そして大好きな木瓜(ぼけ)。
何があっても、花は咲いてくれる。
今年も咲いてくれて、本当にありがとう!
ンン〜〜〜ッン、これは困った発言じゃ
ホノボノ暖かくなってきた今日この頃、「ボケ」が満開に・・・
年がら年中「ボケ」満開の私は・・・
駄目押しの >「何があっても、花は咲いてくれる。」
年がら年中「ボケ」満開の私は ただひたすら
・・・ンン〜〜〜ッン・・
今日も「ボケ」満開のカキコでした
どうぞ切にお許しの程 我が戯言に・・・
でも、斎藤さんの「蕎麦掻き」
引かれるな・・・・
グツグツグツ・・・
また今回も華麗なボケ、ありがとうございます(^o^)
ぐつぐつ、いいでしょ〜♪