2011年04月05日

目黒「いいかげん」(流れ着きたい、いいかげん)


昨日の2軒め。
  
春風ふわら ふ〜らふら
やれ たのしや はしご蕎麦〜♪

と浮かれていたら、暗闇の先、たどり着いた店は「満員御礼」。

がぁーーーーーーん!!!

・・・いやいや、喜ばしいことではないか。
小さな店はお客さんがぎゅううとひしめき大賑わい。
窓際のお客さんが食べていたせいろそば、美味しそうだったなあ〜
(思わずじぃーと見過ぎて私、怖かったかなあ〜(^_^;))

また来ます、と笑顔でのれんを出て
今来た夜道をまた引き返す。

いいもーん、だいじょうぶだもーん、
とつぶやいてみても、どうも春風は先程までほどやわらかくない。
お蕎麦屋さんにフラレるのは慣れているとは言え
フラレ夜道はちょと寂しい。


そんな時、浮かぶのだ。
あの場所が。あの店主が。
流れ着きたくなる場所、「いいかげん」。


というわけで来ちゃった!!

110404_202248.jpg


目黒駅前の不思議なビル。
こんなに沢山の飲食店が入っていて
こんな派手なネオンサインがある「駅前の」ビルなのに
「駅前にそんなビル、あったっけ?」と言われてしまうほど目立たない。
左下の白い看板「いいかげん」、見えました?

ホイホイ浮かれて地下に降り・・

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暖簾の隙間から恐る恐る中を除くと
よかった!
今日はそんなに混んでいない。


(今日は携帯カメラしかなかったため撮影音が申し訳なくて
 身を縮め、店内の音のタイミングを見計らって1回撮り!)
110404_195443_2.jpg

こちらでははじめて頼むかも?「豆腐」。

ぎっしりと密度の濃い、素朴な木綿豆腐に
3つのトッピング。

この、ひとつひとつがですね〜〜〜
もう、参っちゃうんでありますよ。
さすがとしか言いようのない「いいかげん」の心憎さ。
左は王道、鰹節とネギ。
右は、ザーサイと縮緬雑魚を和えたような?とても美味しい。
そして真ん中!
明太子かと思って食べたら「うわーナニコレ!!」。
あまりの美味しさに思わず聞いたら、相変わらずのんびりと店主、
「ああそれは、たらこと”食べるラー油”を和えただけ・・」。

降参。
目にも舌にも100%美味しいこの一皿。
その簡単なアイディアにも、
何事も全く気負わず、のんびり自然な店主の姿にも。

私のようにまだ青い、脆い、あやうい存在が
「流れ付いてやすらぎたい」なんて思ってしまう、
大きな木のような小さな店なのだ。




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お蕎麦は、なんと今日は太打ちもあるとのことで
細打ちと太打ちを一緒に盛ってもらえた。


細打ちは、「いいかげん」らしい、やさしい粗挽き。
粗挽き加減は相当ワイルドだし、コシもしっかりとあるのに
何とも言えずやさしさのある食感なのだ。
今日のはいつもより香りも味も淡く感じたが、
その優しい野生味にすっかり酔わされる。

太打ちが美味しい!
見た目からかなりの歯ごたえを覚悟したが、
口に含めばこれもまた。
見た目から予想した口の中で暴れるような太打ちではなく
歯ごたえはしっかりなのだが、どこかやさしく、のんびりと食べられる太打ち。
噛みしめる度に野趣あふれる香りと甘みが増していくのだから
いつまでも噛んでいたくなる。


「ごちそうさま」
「またぜひどうぞ」


私は、ここに流れつきたかったのだ。




2010年4月の「いいかげん」




*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*



posted by aya at 08:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>目黒区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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