2011年03月30日

石神井公園「手打そば 菊谷」


5月から巣鴨に移転ということで、
石神井公園での営業は3月いっぱいまでとなった「手打そば 菊谷」。

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こうして眺めてみればいつのまにか街の風景にすっかり馴染んでいる。


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昼時前から、店には途切れず客が訪れる。

ひとりランチのおじいさん
予約してきたお洒落なマダムズ
小学生の男の子連れのお父さん
昼から一杯のおじさま
小さな女の子と明るいおばあちゃん
赤ちゃんを連れたお母さん
品のよい老婦人

ちょっとこの店に居ただけで街の縮図を見てしまったかというような
地元の多様な人々が次々と訪れる。
皆思い思いの好きな蕎麦を注文し、美味しそうに食べている。


お蕎麦が愛されていると全然関係ないはずの私まで無性に嬉しい。

だいたい私は自分が蕎麦を食べるのはもちろん好きだが
人が食べているのを見るのも大好きなのだ。
「菊谷」の素朴で美しい蕎麦を
あああの人もたぐっている、
あんな小さな子も上手に口に入れている・・

それぞれの箸先にたぐられた、しなやかな蕎麦の曲線。
たぐる姿もいいのだが、すする音もまたたまらない。
特におっさんがたててくれるズズズッは最高だ。

なんにせよ、うっかりすると私は蕎麦を食べている人をうっとりと凝視してしまう。
それは傍から見ると、ただ人の食べ物を羨ましがっている動物のようで不気味なので要注意だ。
(でも実際、食前でも食後でも私は人の蕎麦が羨ましいのだから不気味大正解である)


隣の人の蕎麦も美味しそうだが、
わー、私の前にはこんな素敵なものがやってきましたよ!

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「菊谷」の「蕎麦掻き」。
いかにもむっちりと、香り高そうな肌。
見入れば、素朴な粗挽き感にときめかされる。

箸先にむんずと取れば、

もわぁあ〜〜〜

ふっくらとゆたかな、なんという香ばしさ!

口に含むとむっちりあたたかい肌から香りと味わいと甘みが溶け出し
ああ・・なんと滋味深き美味しさ。



玉子焼き。

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平生、玉子焼きはすすんで頼まぬ私であるが
「菊谷」の「玉子焼き」は太鼓判の美味しさ。

軽いのだがふわりとしすぎず、
あっさりとした味付けが卵そのものの味を前に押し出している。
ぱくぱくとあっという間に二切れ食べてしまった。


そして待ってました、
先程から何人の、他の方のお蕎麦を遠く羨ましく眺めていたことか。
2種の蕎麦が楽しめる「菊谷」の「利き蕎麦(ききそば)」。
1枚目は「二八」。今日は福井・丸岡と秩父のブレンドだ。

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(写真は1枚の半量)

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先程から眺めていたとおりの、見た目の美しさにまずヤラレる。
この一歩控えた、力の抜けた佇まい。
ことさらでない静かな野趣は、見つめるほどに、深い。

手繰り上げると、香りも味も見た目どおり。
ことさらではないのだ。
風味も甘みも香りも、濃ければいいというものではないことを
実感せずにはいられない美味しさ。
淡くやさしい印象の真ん中に
上質の蕎麦の味がほんわりと浮かびあがるような。

「やさしい粗さ」の肌の凹凸をなぞりつつ、
鼻腔をくすぐるほのかなかぐわしさを追いかけ、
舌に広がるやさしい味わいを追いかけ、
あああああもうなくなっちゃった・・・



2枚目は北海道産の「十割」。

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(写真は1枚の半量)

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うわぁ

これは香ばしいですよ!
いい香り〜〜
ずっと香っていたいが口が勝手にどんどん食べてしまう。
こちらは甘さと味わいが二八より更に淡く、
それによってかぐわしさがより軽やかに
ふわーっとひろがって感じられる蕎麦だ。
おっ おいしい・・・
「菊谷」さん、お蕎麦両方共、美味しすぎますよ!



そしてこの店は本当に困った店で、
お蕎麦がこれだけおいしいのに、美味しい種物をいろいろ展開しています。
ああお腹が3つ欲しい・・

この「練馬地野菜ぶっかけ」、
本当はひとり分全部食べたかったーー!!(お腹いっぱいすぎです)

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野菜はその時々の美味しい練馬野菜を使うらしいのだが、
今日はなんとキャベツ。お蕎麦屋さんでは意外と出会わぬ野菜である。
自宅の冷蔵庫にキャベツ欠かさぬキャベツ好き高遠、
そんなぶっかけ好きに決まってます。
しかもこのキャベツ、上物ですよ〜

そしてね、このぶっかけは「揚げ玉」がやたらと美味しいのだ。
「この揚げ玉、何ですか!!??」と聞いてしまったほど。揚げ玉だってば(^_^;)
菊谷の魔法のかかった、美味しい揚げ玉なのだ。




「あ〜キミは次回からもう大盛りだね」。

隣の、小学生の男の子連れのお父さんの声。
男の子はまだ2年生くらいで、小さくて細いのに、お父さんのお蕎麦をどんどん奪って食べている。
嬉しそうに奪われるお父さん。
その向こうに今入ってきたサラリーマン風の男性は
常連らしく慣れた様子でランチを注文している。
移転の張り紙を見て
「えっ もうそんなだっけ?あれー・・そうかあ・・」



移転は喜ぶべき店の進化の形だが
これだけ地元の人に愛されているのを見ると、
私までふっとさみしい気持ちになる。

石神井公園の地で愛され6年。
新しい「菊谷」は2011年5月から、豊島区巣鴨にてスタートする。


楽しい進化を、明るい気持ちで祝おう。




お店のHP




*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*

posted by aya at 18:03 | Comment(6) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>豊島区駒込にて
巣鴨ですよね。

石神井は今日の昼で終わりですね。
今年に入ってから結局一度も行ってないので最後に伺いたいですが、ちょっと無理そうなので
巣鴨がオープンしたらそちらに行ってみることにしよう、と割り切りました。

現店舗に今週末リニューアルオープンするお店は、昼はともかく夜はそばだけ食べに寄るには
やや場違いっぽそうなので、石神井池のボート乗り場前のなかやしきさんに足が向くことが
多くなりそうです。
Posted by Z33 at 2011年03月31日 00:56
Z33さま
す、巣鴨でございます・・
お恥ずかしや、訂正いたしました。ありがとうございます!!
なんでまた駒込なんて書いたんでしょうね〜
ゴメとガモが似ている?(^_^;)

>巣鴨がオープンしたらそちらに行ってみることにしよう、と割り切りました。
新しいお店にお客さんが多い方がお店もうれしいですしね!と、こういう時私は思うことにしています♪

>現店舗に今週末リニューアルオープンするお店は、昼はともかく夜はそばだけ食べに寄るには
やや場違いっぽそうなので

店名からもそう感じましたが、やはりそういう雰囲気なのですかー。では、まずはお昼に行ってみますねっ

Posted by at 2011年03月31日 08:16
はじめまして。立石の「玄庵」からweb見つけました。
ひとつオススメのお店紹介します。
江戸川区船堀にある「木香」というお店です。駅遠ですが、機会があったら是非食べに行ってみてください。少し太めの蕎麦が最高です。
Posted by びぎ at 2011年03月31日 14:58
びぎさま
はじめまして!コメントありがとうございます。
びぎさまのおすすめは「木香」ですか〜、私も好きです!
でも長らく行かれていないので、こういうオススメは大変大変刺激になり嬉しいです♪俄然わくわくしてきました。
Posted by aya at 2011年04月01日 02:52
アップから随分と時間のたった
 そう、しいて言うなら
  間抜けなコメントですが・・・
「木香」さん随分と変わりつつありますよ、お蕎麦が。
ドッ!!緑の抜きを背負ってチョッコら遊びに行こうと思っております(茶豆の香りの奴です・・)
ありそうで、そうは無い、一種富士の「こばやし」さんの蕎麦に近いモッチリと噛みしだかせるお蕎麦です。自家製粉じゃ無い事を考慮に入れると、レベルが高い・・・
久しぶりに行ってみると良いかも知れないな・・・
ついでに旧「ふる川」改め「幸増」や、以前光ケ丘のあのしっとりとした風情の「桔梗家」で蕎麦を打っていた栗城さんのお店「栗城」(ここは本当に東京か?と変な錯覚に陥る変な店。小ジャレタの対局のタイプの)なんかもあるし・・
江戸川の薮、矢打蕎麦、ひと足伸ばせば「蕪村居」なんかも
っと ま〜〜〜 の  抜けた〜〜〜  コメントでした
Posted by 而 酔  而   老  at 2011年04月24日 14:53
而酔而老さま
お名前のフォントの間隔がどんだけ酔っ払ってんだ、って感じで可笑しいです(^_^;)。時間が経ってマヌケなんてことはないですよー。大歓迎です♪お蕎麦屋さんにどんどん行きたくなる刺激はますます大歓迎♪
Posted by at 2011年04月27日 07:18
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