2011年03月08日

千葉・天台「遊蕎心 泰庵 」


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「たいあん」ではない。

「やすあん」である。


店名の印象は何となくおおらかでやすらか、のんびりなイメージだが
私は少しもそんな気にはなれない。

だってね、「泰庵」にはお蕎麦が
「本粗挽き(外二)」
「田舎(外二)」
「極上白雪(十割)」
「極上一本挽(十割)」
と4種類もあるんですよ!

しかもこれは日によっても変わるし(今日はたまたまこの4種類あったということ)
この他変わりもやっている。
そんなにたくさんお蕎麦があってくれちゃあ、
そんなもんお昼を抜いてでも全部食べたいに決まっているではないですか!

ああ今日あるのはどの蕎麦だろう、
もしどれかが売り切れていたらどうしよう、
ああ心配でたまらない・・・

というわけで「やすらか、のんびり」とは
ちょっと話が違ってきてしまうのである。




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お蕎麦だけでなくおつまみやお酒のメニューも驚くほど充実しているお店。
店内には一面に、おいしそうなメニューが掲げられている。


この日は、焼き物だけでも銀ダラや鰻、ブリかまなど7種類ほど。
煮物はキンメやキンキなど5種類ほど。
酢の物(大好き)だけでも7種類。
揚げ物はカンパチ大葉包み揚げ、生湯葉天、盛り合わせなどなど。
お刺身は旬のものを揃え、その他一品料理もたーくさん!


・・・ね?

全然のんびりしていられないでしょ?
特に、大の魚好きの私にはたまらないメニュー揃いなのであります。


そんな超・魅力的な、美味しそうすぎるおつまみ。
それらに対する、後ろ髪だの誘惑だの未練だの、
ありとあらゆる煩悩と闘った挙句・・

全てを振り切り目をランランとさせて
やはり、蕎麦4種のみにこの夜を捧げるところが
高遠彩子のアホさ加減であります。
イヨッ 蕎麦馬鹿!!



抜き実甘皮(外二)とメニューにある、
「本粗挽き」。

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かすかな透明感を帯びた肌にゆらめく白い影、黒いホシ。
素朴なざらつき,凹凸を感じつつも全く荒々しくはない「やさしい風情」。
これは・・素晴らしい景色だ。美しい。

たぐりあげてびっくり、大変に個性的な香りをまとっている。
なにか濃い、海産物系のダシのような、生命力がギュッと凝縮されたような香り。
野性味のある蕎麦ながら、しなやかなやさしい食感が心憎い。




そばの殻まで挽き込んだ黒っぽい玄そば(外二)とメニューにある
「田舎」。

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黒っぽい肌にホシをゴージャスにまとい、
見入ればかすかな透明感をたたえた蕎麦。

お〜、これはやや熟成味を帯びている。
そして濃い!香りも、味わいも。

その香りがですね・・
一枚目「本粗挽き」に優るとも劣らぬ
個性的な香りなのだが・・なんと言ったらいいか・・
野菜のブイヨン、ポテトチップ・・・?!
どれも例えとして「当たらずとも遠からず」ではなく
「当たってないし遠いしー」なのだが、とにかく濃縮された何かを感じる。
これもまた、濃厚な個性を持った蕎麦であることには相違ない。




そして、来ました、十割の
「極上一本挽」・・!

ウワーこれはすごい眺めだ。

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「胸を打つ」ってこういうことを言うのでしょう。
この美しき、貴き、そして目をみはるほど凄い粗挽きの眺め。

なめらかな色の肌に浮かべた白いホシ。
細かくふるえる輪郭線。
これだけの粗挽きながら、普段ほかの粗挽き蕎麦に感じるような
「ザクザク」「素朴」「野性的」といった要素がないのが不思議である。
素朴といってしまうには、恐れ多い。
ふっくらとやさしい印象の奥に、量り知れぬ力強さと品格を秘めた粗挽きなのだ。

口に含むとこれもまた濃厚な味わい。
見た目もそうだが、静岡県の「こばやし」を思わせるような
ふくよかな、品の良い濃厚さだ。



そして最後は、「極上白雪」。
十割の更科蕎麦である。

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田舎や粗挽きに慣れていた目にはまばゆいばかり、
まさに白雪、銀世界。

ふわぁ〜

なんと!
白雪だというのに濃厚に香ってくるではないか。(凄い)
味わいもしっかりと濃く、また私には絶妙と思えるコシが魅力的だ。

強いて言えばこの「白雪」、不思議と風味としての「清らかさ」が感じられない。
これだけの凄い更科だと、極上の更科蕎麦に感じるような
美しい,清らかな味わいを期待してしまうのだが
何故かこの「白雪」にはそれがない。
清らかさよりもたくましさすら感じるような味わいなのだ。
それが「泰庵 手打蕎麦」の「白雪」、独特の個性なのかもしれない。



全くもって全然無視していましたが
こちらの汁や薬味はこんな楽しい演出でやってまいります。

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次回は(できたら)
あの美味しそうなおつまみと、そして蕎麦全種類を!!と切望するが、
どうかな・・そんなにいけるのかな・・それより売り切れてないかな・・

と、やっぱりソワソワ、胸騒ぎの「泰庵(やすあん)」である。



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*高遠彩子3月〜5月のライブ出演予定*


posted by aya at 23:49 | Comment(3) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>千葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
彩chこんにちは。
偶然
私も先週「庵 浮雨」さんで「カレークリーム鴨せいろ」を快食しまして、宿泊は、泰庵さんの数軒先でした。
私が伺った時の「白雪」甘くて美味しかったです。
Posted by 少年の様と言われた人 at 2011年03月09日 11:06
少年の様と言われた人さま
うははは、すぐわかりました。
「庵 浮雨」「泰庵」と、すごい偶然でしたね!!びっくりです。
そうそう、「泰庵」の白雪、私の時も甘かったです♪
Posted by aya at 2011年03月09日 14:05
この白雪っていうの?スゴイ!

ぼくの大好きな、「しらたき」や「おそうめん」みたい。

そんな下世話なものじゃないことは、分かっているつもりだが、実際に頂いてみないと、こればっかりはわかんねーなー。

なんか禁断の乙女ってかんじ。
Posted by カスガアキラ at 2011年03月10日 14:45
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