2011年02月20日

光が丘「玄蕎麦 芳春庵 小坂」


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春一番吹き荒れる中、こころ晴れやかに眺む「玄蕎麦 芳春庵 小坂」。
拙著「蕎麦こい日記」巻末の「おすすめ蕎麦店33選」にも
是非と掲載させていただいた、大好きな店である。

初めて来たのはまだ学生の頃だったろうか。
当時はいわゆる地味〜な町蕎麦屋風だった店内で
目が覚めるほどフレッシュな、かぐわしい蕎麦に出会った衝撃は今も忘れない。

数年前に改装してからは店名に「芳春庵」という綺麗な屋号が入るようになり
店内もぐっと洗練された印象に。


いつも早くお蕎麦に会いたくてもうそれこそ駅から滑り込む勢いでやってくるので
よく見ちゃいなかったが、今日明るい青空の下よく眺むれば
時折あちこちで出会えるカラフルな意匠、楽しい面影が、ここにも・・・

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開店直後の店内はまだ静かでのんびり。

メニューを見ながら「せいろ静御前」と「手挽野州蕎麦きり」をください、と頼むと
お店の女性は「ハイッ 二八と田舎ですねっ!」とハキハキと答える。

何がどうでも、とにかくここのお蕎麦に会えると思うと
嬉しくって嬉しくってヒューズがぶっ飛びそうではないか!!

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まずは「せいろ静御前」から。

なんと清らかな漣、繊細な陰影。

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たぐりあげるとふわり、意外な香りに驚く。
今日は、香りはかなり個性的な印象だが
つるつるとすべらかな舌触りと
噛み締めるとしなやかにのびるようなコシが心地よい。




こちらが「手挽野州蕎麦きり」。

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胸がいっぱいになるような、この姿。

白いホシを影絵のようにゆらゆらと浮かべた肌は萩焼の名陶のよう。
久々に会えたと思うと一層胸打つ美しさである。

口に含めば ふわり、軽い歯ざわり。
今日はいつもより全てが淡い印象なのだが、
その淡さの奥から美しい粉の香りが
しずかに、ほんのりと浮かび上がってくる。
それをどうにかつかまえたくて追いかけたくて、
恍惚と空(くう)を見たまま焦点の合わぬ私は
相変わらず店一番の挙動不審客である。



2種の蕎麦がちょこっとずつついて
いろんなおかずやご飯、お味噌汁、デザートまで楽しめる
超盛り沢山なランチセット(950円)は一日限定8食ですので、お早めに〜





posted by aya at 12:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>練馬区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
一日8食ですか。
頑張らないと辿りつけない味なのですね。
Posted by 25¢ at 2011年02月22日 00:47
25¢さま
食べられなくてもがっかりしない情報がありますよ!
ランチセットはお蕎麦以外が豪華すぎてお腹いっぱいになってしまうし、もともとお蕎麦の量は少なめなんです。食べ逃したら「ああこれでお蕎麦がたっぷり堪能できる」と思って下さいね♪私は開店直後でしたからまだランチセットありましたがもちろんお蕎麦のみでした〜
Posted by aya at 2011年02月23日 13:32
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