2011年01月12日

千葉・養老渓谷「手打蕎麦 ゆい」


千葉県は大多喜町、養老渓谷にのんびりと佇む古民家。

RIMG2885.jpg



「どうぞ中へ」
にこやかに招き入れられてはじまる、
「ゆい」の時間。


RIMG2898.jpg

RIMG2910.jpg


 
ほんの数分前まで車に乗っていたことが嘘のように、
やすらかな時間。


生けられた花も、
暖簾などのちょっとしたインテリアも、
そこかしこにある手書きの表示も。

この家の人の人柄、あたたかさが伝わる絶妙のセンスの良さに
まずは驚き、すぐに和む。

無機質なまでに研ぎ澄まされた洗練なんてものは、
真似するのも簡単だ。
この美しい家の居心地の良さは、この家の人にしかできない、
ここにしかない形をしている。
「店」とは書きたくない形をしている。


RIMG2895.jpg




軒から射す自然光の中で出会う、山の恵み。

RIMG2924.jpg
「ゆば刺し」


RIMG2919.jpg
「野山・まいたけ天盛」
高級品の金時人参、と思いきやなんとこの家の畑で採れたそう。
味が濃くておいしい!




そして、蕎麦。

正直言って、私はもうお蕎麦がそれほど美味しくなくても
この家、このもてなしに、大いに満足してしまっていた。

のんびり農道であくびをするようにくつろぎきっていた私に
突如やって来た心の大津波!
その蕎麦に対峙し、思わず「エエエーッッ」と小さく叫んでしまった。
あまりに心の準備ができていなかったもので。


RIMG2934.jpg

南天の葉や紫大根の彩りがいかにも「ゆい」らしく可愛らしい、
その蕎麦を見入れば・・・




RIMG2948_2.jpg

息をのむ、青緑。

ふんわりと空気感をもって重なる、清らかな宇宙に
私は吸い込まれてしまいそうであった。


ドキドキをおさえつつ箸先にそっとたぐると
体を吹き抜けるかのようなフレッシュな香り!
ふくよかなコシに恍惚としつつ、ゆっくり楽しもうとすると、
おっとこのお蕎麦、伸びがとっても早いのだ。
美しきもの、はかなきいのち。
しかしその肌がぴとぴととした頃の超・濃厚な香りもたまらないので
わざとゆっくり食べた・・が一瞬でなくなった。





この家に私が居たのはそう長い時間でもなかったのに
「ああ、おいしい」
「おいしかったー」
の声を何度聞いたことだろう。

お昼時の店内は気づけば満員だが、不思議と騒がしさはなく
のどかな静けさ。
どのテーブルも実に楽しそうにくつろいでいて、
この店が如何に愛されているかがよくわかる。

笑顔が素敵な奥さんの、人柄がにじみ出るサービスも
この家の大きな魅力。



「店」とは書きたくない、ここは「ゆい」という家である。



RIMG2970.jpg





posted by aya at 22:58 | Comment(0) | TrackBack(1) | 関東の蕎麦>千葉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック

養老渓谷で国内産石臼挽き自家製粉十割蕎麦
Excerpt: 明けましておめでとうございます。 昨年末は千葉にドライブしてきました。 例によって生湯葉を買ったところ、店内に美味しそうな蕎麦屋のチラシがおいてあったので食べに行きました。 それは養..
Weblog: ランヘボ乗りの右回りドライブ
Tracked: 2012-01-05 07:27