2010年10月29日
代田橋「手打蕎麦 まるやま」
好きなものに出会った時、
楽しいことがあった時、
できるだけおとなしく嬉しがりたい、といつも心がけている。
そういう人に憧れているのだ。
演奏中の細野晴臣氏のような。
動物は嬉しいのがすぐバレる。
しっぽをちぎれんばかりに振って
鼻の頭をピッカピカに光らせて
首輪が切れそうなほど鼻から先に突進していく犬を見ると、
可愛くて可笑しい反面、どこか耳が痛い・・じゃなくて目が痛いような、
これはマズイと焦るような気持ちになる。
でも好きで好きでたまらぬ、犬より純粋なこの気持を、
落ち着いてつたえるというのはどうすればいいんですか。
やってみます。
「まるやま」さん。
大好きですよ。
ここのおつまみは、ひとつひとつが実に気がきいている。
飾らない、家庭的な印象のメニューながら、
素材の味を生かした洗練の仕上がり。
「素材好き」の私にはどうにもたまらなく・・
・・・・えーとえーと、落ち着いて。
「大好きですよ。」
そしてすでに大人気の新メニュー、「小田巻蒸し」ならぬ「蕎麦巻蒸し」。
ゆでうどん入りの茶碗蒸しである「小田巻蒸し」を蕎麦でアレンジした創作メニュー。
これが、大変に楽しくも美味しい、
心温まり囲炉裏端にでも居るような気持ちになる名品!
大きな豊かな茶碗蒸しをホクホク掘れば
きのこや海老と混ざって現るる御本尊、太打ちの蕎麦。
具沢山の茶碗蒸しの中、
温かい蕎麦の穀物らしい素朴な甘さは
噛みしめるほどに もぐもぐほこほこニコニコ。
(美味しくてついズンズン侵略しちゃってゴメンよまゆきち!)
こんな温かく豊かな気持ちにさせてくれる
日本が誇る素朴なご馳走「茶碗蒸し」と
日本が誇る素朴な穀物「蕎麦切り」を一緒にしてしまったアイデアはもう・・
うー、落ち着いて、落ち着いて・・・
そしてお蕎麦!
何と言っても言わなくても空から槍が降ってもここはお蕎麦!!
あのー
もう首輪ひきちぎって走り出してもいいでしょうか。
だってこの「田舎せいろ」を見てお座りと言われても無理な話である。
どっしり黒々とした粗挽きの肌も見事ながら、
その香りの深さといい、変化して広がる様といい、
たまらないとしか言いようがない。
箸先で感じるトップノートからしてムワァーと力強く、
口に含むと「こうだったらいいな」と願ったそのままのような蕎麦の甘みが
全部やってきてくれるよろこび。
それを噛みしめていくと、最初は力強さが先行していた香りが
だんだんと軽やかさをもって広がり、口中すべてが香ばしく染まり、
うううう・・・
「大好きですよー」。
お隣の小山は、「せいろ」。
美しい・・・
この胸打震わす眺めときたらどうなのだ。
極粗挽きの肌に浮かぶ、純白の夢、グレーの影、オレンジのホシ・・・
「ずっと見ていたい!」と言いながら、手が口が勝手にどんどん食べている。
品の良い、しかし濃厚な、蕎麦の王道のかぐわしさと素朴な舌触り。
もう、私はどうしたらいいのでしょうか。
帰り際には、もう蕎麦巻蒸しの中に入れて食べてしまいたいくらい素敵な店主夫妻に見送られ
(ファン)
落ち着こう、落ち着こうとしたら感情コントロールがおかしくなり
何故かしょんぼりモードのブログになってしまうことがわかったので
今度からは普通に吠えようとおもいます。
大好きですよーーーー!
2010年3月の「手打蕎麦 まるやま」
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「まるやま」さんのお蕎麦は、都内のクロカワですよ。
蕎麦巻蒸し、楽しいですよね〜
待っている間もワクワクします♪
その後にあのお蕎麦が・・と思うから余計なんでしょうね。