2010年09月28日
銀座三越「箱根 暁庵」
ちょっと前のことになるが、
銀座三越に新しく入った「箱根 暁庵」に行ってきた。
お昼の予定がずれてしまい、たまたま思い出して行ったのだが、
三越がリニューアルオープンして最初の週末だったため
予想以上の大混雑。
11時の開店の5分後にレストランフロアに着いたというのに
どの店も大行列という有様である。
イタリアンレストランやお寿司屋さんの行列は特に凄かったが
お目当ての「箱根 暁庵」にも店の右脇の椅子に2組ほどの待ち客が。
店正面の打ち場では年配の職人が手際よく蕎麦を打っている。
座って待っていた真横だったので見上げる形になり、なかなか迫力があった。
やっと通された席は運良く窓際。
せっかくよい席に座れたのでのんびりしたくなり
せいろにおひたしと豆腐、焼き味噌がセットになったものを注文。
流石は「箱根 暁庵」、
おひたしの出汁具合なども実にすっきりと品がよい。
これが当たり前のはずなのに、なかなかないのだ。
開店直後からの大行列に店内は大忙し。
制服を着た店員さん達もまだ慣れぬうちであろうから
必死の頑張りが伺え気の毒なほどである。
何も午前中から並んでまで蕎麦食べなくったっていいのにねェ、
なんて、自分もニヤニヤしっかり並んだくせに思ったり。
果たして、この窓際で眺める蕎麦の景色は格別であった。
午前中の平和な光に輝く、銀座のビル街と蕎麦。
普段お蕎麦を食べる時は圧倒的に1階で「地に足をつけて」食べることが多いので
こうして眺めるとお蕎麦と私だけが宙に浮かんでいる気がする。
嗚呼私は何故、こと蕎麦となると
こんなに簡単に二人の世界に浸れてしまうのだろう。
まわりなんて見えない。
地上12階、いつもより少し太陽に近い場所で出会った蕎麦は
のびのびとおおらかに笊の上にひろがっていた。
たぐり上げて、思わず顔がニッコリしてしまう。
ふわぁーっと軽やかに漂う、上質の蕎麦のかぐわしさ。
品の良く美しい、王道の蕎麦の香りだ。
口に含んでまた嬉しくなる。
「箱根 暁庵」らしいムッチリ、しっかりとしたコシ。
今日はこの大混雑のせいか太さにかなりばらつきがあったが
何度も書いているように太さのばらつきはむしろ私には楽しいおまけ。
(いろんな味がして楽しい)
普段バシーっと、端正な蕎麦を出すお店だけに
ちょっと人間らしさを垣間見られたような、
ほほえましい気分になる。
なんたって銀座駅直結で
11時から23時まで、日曜祝日もやってくれているというありがたさは筆舌に尽くし難い。
なんだかんだでしょっちゅう行ってしまうに違いないのだ。
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