2010年08月27日

埼玉・深谷「遊歩」


高崎線「深谷」駅から徒歩20分程。

たどり着いてみると、店は古いボウリング場の横に
奥まってひっそりと佇んでいる。




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竹林の葉擦れの音も清々しい、「遊歩」。




ちょうどお昼時だったので入店時はなんと満員。
奥の隠れ座敷(?)までいっぱいだったが
ほどなくしてゆっくりとした昼下がりに。
窓からの青々とした眺めはさながら探幽の軸の如き鮮やかさ。

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まずは「そばがき」。
八ヶ岳山麓産の信濃一号を手挽きした蕎麦粉、
なんて聞いただけで胸ときめいてニヤニヤ待ちきれない思いだったが
むむっ。
やはりやはり、香りが線香花火のように飛んできそうな
そばがきさんがやってきましたよ・・・

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ぽってりとまとまりつつも、
ドロッと感の感じられる眺め。
そして何より、その極粗挽きのつぶつぶがたまらない。

箸先にとると、
ふわふわ感よりモチモチ感より
ゆるやかなドロっと感のある個性的なそばがき。 
ドロッとしながらも、箸でちぎった後は
生クリームを泡立てている時のようにツノを立て、
そっと近づくとフレッシュな蕎麦の香りが華やかに漂ってくる。
うっとりと口に含めば、
口中をゆっくりと流れるような極粗挽きの蕎麦粉が心地いい。






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一枚めのお蕎麦、「せいろ」は
先ほどの「そばがき」同様八ヶ岳山麓産、十割蕎麦である。
密度の濃い滑らかな肌。
箸先で寄せた香りは淡いのだが
太さの割に重量感のある蕎麦を噛みしめるうち
じわじわと下から支えるように、実に美しい香りが満ちてくる。



そしていよいよ。
十食限定、手挽きの「粗挽き」の登場である。

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この、震える輪郭線。
手挽き粗挽きならではの不規則な曲線は眺めるに飽きないものである。


手繰り上げると
「!!!」


同じ八ヶ岳山麓産でありながら、
何故弾き方が違うだけでこうも美しく香るのだろう。

たぐり上げ、寄せた香りもさることながら
口に含んだ瞬間、かぐわしいそよ風につつまれたような
やわらかな感激を覚える。
極粗挽きの不定形な肌が口中を心地よく撫で
噛みしめるとしっかりとしたコシの内側からもまた香りがひそやかにこぼれる。
香り爆発,というのではないのだが
その香りの美しさに酔うひととき。


「今日は太さがちょっとマチマチになっちゃって・・」
なんて他のお客さん(こちらのご意見番のようです)に謙遜する店主。

いえいえいえ、
私はこんなにしあわせにしていただきましたよー♪



食後には、「遊歩オリジナルジェラート」もおすすめ。
なんと「遊歩」自慢の「手挽き粗挽き蕎麦粉」「返し」「蕎麦焼酎」が入っているという
無添加ジェラート。
これがね・・・さっぱりして、
ちょっと塩気のある深い味わい、美味しいですよ〜
しかもお蕎麦入っちゃってますから
猫にマタタビ、高遠に蕎麦。


東京からはちょいと距離があるが、
その距離がまた楽しい小旅行。

手挽きゆえ,次回はまた全く違うお蕎麦に出会えるだろう。



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posted by aya at 13:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>埼玉 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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