2010年05月27日
大阪・福島「十割そば工房 むもん」
楽しいお蕎麦屋さん激戦区でもある大阪・福島。
地図通りに行けばすぐに分かると思いきや
細かい路地に少し迷い、
今日は午後いきなり肌寒くなってきたこともあって
何だか心細くなってきた・・・
あ、あれかな?
蔓でできたオブジェが入り口を大胆に飾り、
いかにもアーティスティックな佇まい。
中の様子が伺えないため少々とっつきにくい印象もあるが
掲げられたメニューには親しみやすく楽しそうな
ランチメニューが並んでいる。
さあ入るか!と扉を開けると、
「お二階へどうぞー!」
と上から甲斐甲斐しい明るい声。
店は二階のようである。
靴を脱いで上へ上がる。
店内は確かにアーティスティックな趣ではあるが
想像したような緊張感のあるものではなく
和の温かみを感じる、家庭的な雰囲気。
旅人の私はなんとなくほっとして
ランチの「十一ざるそば」を頼み、しばしの休息。
ちなみにこちらでは昼は外一(そば粉十割に対しつなぎ一割)、
夜は十割と打ち分けているそう。
やってきた「十一ざるそば」。
ランチセットであるからわかっていたことではあるが
しらすの入っただし醤油ごはんと
こんにゃくの胡麻油炒めもついてきた。
ここでワーイと喜べないのが私の変人なところ。
「蕎麦原理主義」「蕎麦粉至上主義」「過激派」
なんて命名?されたりもしてしまう私、
蕎麦は蕎麦だけでやってきて欲しい、とつい思ってしまうのだ。
とは言え蕎麦は大変素敵な眺めである。
うんと細切りでつややかな蕎麦は
大阪らしい小山盛りでたっぷりとそびえている。
ひとたぐりし香りを寄せ、「こりゃいい!」。
ウキウキ嬉しくなるような美しい香りをまとっている。
口に含むと細く繊細なつるつるの肌から
じんわりと味わいがこぼれる。
噛みしめるほどに味が深まる、というのではなく、
舌の上に淡く味わいが広がるのだ。
う〜んこれは、夜の十割そばもますます気になるではないか。
すっかり蕎麦に夢中になっている私を
先程からごはんとこんにゃく炒めが
「ね〜いつ食べるのさ?」
とじっと見上げている。
うーんあんまり気がすすまないな、とごはんを一口・・
あんれ!何だかこれもやたらと美味しいんですけど!
しらす入りだし醤油ごはん・・
お腹いっぱいなのに何だか食べちゃうよ・・
ごはんにつられてついこんにゃくもパクパク。
ウワーなんだか実家に帰ってきたみたい〜
アートなお店だと思ってたのに全く予想外の展開〜
旅人、癒されます〜〜
心もお腹もしあわせに満たされて
この路地に迷い込んできた時の
野良猫のような気分はどこへやら。
路地の奥に浮かぶ、小さな憩いのアトリエである。
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