いや実際に踊ったわけではないのだが。
アンシュと私が・・・!
そんな恐れ多すぎな展開があっていいものかと
あまりの事態に逆に準備も緊張もできず
私はほとんどクラッシュ状態。
いつもに増して頭パーなまま
ぼんやりニヤニヤ〜とスタジオ入りしてしまったが。
私の実感としては、限界まで剥き出しプリミティブな私が
川で水浴びをするライオンのように
アンシュの流れと好きなだけダンスを踊ったような。
とんでもなく楽しかったことだけを、
私以前の私が覚えているような。
頭でなく、体が覚えている楽しさ気持ちよさというのは
何とも言葉に出来ない嬉しい記憶である。
しかも終わった後は、アンシュから
もったいなくも素っ晴らしいお申し出をいただき…
ライオン、嬉しくて月に向かって吠えて走り出してしまいそうであった!
スタジオの後は、
かねてよりツアー予定に組み込まれていた
アンシュおすすめの「田堀」へ。
歌った後のお蕎麦は美味しいぞ〜
うっうっ 嬉しいよう・・・

地元のタクシーの運転手さんも気づかぬくらい
ひょいと奥まったところに、静かな情緒の佇まい。
「本場信州 石臼挽き 手打ち蕎麦 田堀」。
紋屋三田さまも「明るいうちから、いいのかなあ〜」なんて言いながら
早速みんなでお疲れさま、かんぱーい。
お腹が空いていたせいもあり、
楽しすぎたせいもあり、
何を食べても美味しい。
うははははー

お〜、これは初めての食感である。
「田堀」のそばがきは、
見た目から想像される「フワ感」は意外と少なく
とろぉ〜り、液体っぽさすら感じるほど限界までクリーミー。
香りは淡いが雑味のない研ぎ澄まされたものが
そのやわらかい肌の内側にひそめられている。
限界までのやわらかさ故、箸では非常にとりにくく
一口で口いっぱい頬張りたい食い意地の張った人(私だが)には
切なさもなきにしもあらずだが
時間が経つと「液体感」は「モチ感」となりその頃もまた楽しめるそばがきだ。
こちらは「揚げそばがき」。

そのクリーミーそばがきを高温で揚げてしまうのだから
そのアチアチのトロットロさたるや!
香ばしく美味しい薄皮を破って、
熱い液体状そばがきが熔岩のごとく口内に流れ込んでくるという
初めての体験をしてしまった。
これはかなりの人気メニューのようですよ〜
奥さんの笑顔もキラキラとても素敵で
またこちらのテーブル席は
ついたてのあるボックス席になっているため
実に気楽で居心地の良い空間。
テーブルにはジョッキやとっくりが林立し
私もスタートダッシュのビールがしっかり効いて(コップ1杯以下だが(^_^;))
そう言えば「竹に入ったお酒」というのも味見したりもして
(私の好みど真ん中の美味しいお酒。飲めるならもっと飲みたかった(>_<))
もうどうにもしあわせのへにゃへにゃ、
わあ〜天ぷら盛り合わせ豪華だな〜
大好物のふきのとうの天ぷらも美味しいな〜

と浮かれていたら!

突如私の脳内は洗い清められたように澄みわたった。
実に美しい蕎麦ではないか。

つやつやと密度濃く、奇を衒わぬ正統の美しい姿。
好きですねえ、この真面目さ、真っ直ぐさ。
たぐり上げると、ふわり、とは香りが飛んで来ないところがまた憎い。
香りは奥に潜めるように、
精緻なレンズのピントを合わせたその焦点中央にピタ、と置いてきたように、
狙ったようにそこに控えているのだ。
蕎麦もまた、そばがき同様雑味のない、磨かれた香り。
それまでウハウハのへにゃへにゃだった私であるが
突然目がかっ開いてしゃっきり、うっとり。
その姿を味を香りを見つめつつ夢中でたぐり
蕎麦湯は湯桶に2杯一人で飲んでしまった・・(コラー)
そして「田堀」後は、待ってました!
立川一ディープなこの地に流れ着き・・・

@「めし おさけ くぼかた」
武蔵砂川の夜はあんなにも楽しく更けていったのであるが。
私以前の私は、ずっとあの川でダンスを踊り続けていた。
懐かしい店構え。あの雨水を貯める甕が右端にあるんですが、そこのところに自転車繋いでおりました(笑
暖簾を潜り、ガラリと入口を開けると、あの女将さんの「いらっしゃいませ〜」の声が…
私は上がり座敷の方が定席で主に鴨せいろを手繰っておりましたっけね。女将さんの通し言葉を楽しく聞きながら…
懐かしい店は、今そこにいるように思い出せますよね!