2010年01月21日
千葉・東金「逸香」(ちいさな蕎麦旅・その2)
東金2軒めは、ずっと行きたかった「逸香」。
マンションの1階、外観は目立たないが
中に入ると白木の風合いのやさしい、居心地のよい空間がひろがる。
お昼のお品書きは何と言ってもセットメニューが人気のようである。
私がいた時にはお財布片手のOLさんや
常連らしい女性の一人客が「膳」を次々と注文していた。
お蕎麦は2種類ありまして、
「九一そば」と、「十割の粗挽き田舎」。
粗挽き田舎は10食限定なので、ややドキドキしながら
「まだありますか?」と聞いたら
「えーちょっと待ってください」と店員さんが一旦奥へ下がってしまった。
返答を待つ間はほんの短い間であったが
千秋とは言わずとも十秋くらいの思いであった・・・
まだ、あってよかった!
まずは、「九一そば」。
これが実に、よい蕎麦なのだ。
ゆらゆらと淡いホシを余裕で浮かべたその姿からして
「お、お主・・・」
と期待高まったが、やはりやはり、期待通りの美味しさ。
香り自体はそう強くないのだがその香りの質が、
一言で言うと「美しい」のだ。
かぐわしく心をくすぐる、かそけきかほり。
しばらく置いたらもっと香りが出るかと欲張ってみたが
そのへんはあまり伸びず。
しかしそれよりなにより次の「粗挽き田舎」には驚いた!
九一よりかなりがっしり、どっしりとしてやや太め、
角も立って密度も高そうな田舎蕎麦。
箸先にたぐり上げた香りは、木のような、干し草のような、
ちょっと不思議な香り。でもこういう蕎麦はまあある。
珍しいのは噛みしめてから。
噛みしめていくうちににじみ出てくる味わい。
それがどうにもこうにもブルーチーズなのだ。
似た雰囲気のものはあるが(北海道とか)
ここまではっきりと個性的なものは初めて。
粗挽きのどしんした歯触りと
個性的な味わいを楽しみつつモグモグ。
ああ〜こりゃいいお店だなあ〜〜
素晴らしい!
今日、ここに来てよかった。
そして、3軒めに続く・・・(^^;)
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アハハ、そばがき、残念でしたね!ごめんなさい、つい笑ってしまいましたが、夜一人でこの展開に見舞われたらヘコみますよねぇ〜。でも途中の香りというのは想像できます、うっとりしそう!
料理人はすごい、本当にそうですね。長野松本市安曇稲核にある「蕎麦わたなべ」では鍋のままそばがきが出てききて、見た目は無骨なのですが驚くほど美味しいです。蕎麦粉と水と鍋だけなのに、魔法ですね。