2022年08月01日

長野・下島「木鶏」


蕎麦という運命の食べ物に出会い、
蕎麦だけを食べ過ぎるようになってウン10年。

長年、数え切れないほどの蕎麦屋に出会ってきたが
愛される蕎麦屋としての条件というものがあるなら
ここはそれを全て兼ね備えたような店だ、と思う。

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佇まいは美しく、
かと言って気取った感じでもなく、
あたたかな風情がある。



店内は天井が高く広々としているのだが
靴を脱いで入るせいか
家庭に招かれたような、ほっこりした雰囲気の客席スペース。

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店内にはゆったりとした音楽が流れ(Nora Jones etc.)
天井がうんと高く、テーブルも広々していて贅沢な空間。
でありながら、足元にはほにょほにょ気持ちのいい
アクリル毛布のようなものが敷かれていて
食べ終わったらそのままここで眠りたくなるような
なんというか「安心感」みたいなものが満ちているのだ。


また注文を取りに来てくれる奥さんの
優しく明るい声と笑顔の素晴らしいこと。
癒されます〜(>_<) ♡


そしてそして、
何よりこのメニューが美味しそうすぎてヤバイ!!


ぎゃーーー

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ややややばいですよね!?


ひーーー!!

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どうすんのコレ!?

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(訪問は4月)



いつもはお蕎麦屋さんでごはんものなんて目にも入らない私ですが
(むしろごはんに蕎麦の分の胃の容量を奪われると思い敵視(笑))
これはガン見!!

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もう欲望のままに食べたいものを全部頼んでしまいたい衝動に駆られるが、
そうするとひとりで6人分とかになっちゃう (≧∇≦)

一応大人なので欲望にブレーキをかけますが、
ううっ ブレーキが重い店だなあ・・・ああ苦しい、ツライ!!



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ビールと一緒にお通しとして出てきたのは
ひたし豆。

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むかーし昔、武蔵小金井の「みやざわ」さんにて恋に落ちたひたし豆。
ここのも超絶に美味しい!
この豆そのものが美味しいしシンプルな味付けもよくて
汁まで全部飲んじゃいました(笑)



「とりわさ」
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見るからに新鮮で美味しそう。
そして見た目以上になめらかで繊細な質感が素晴らしい。
わさびなどの薬味や「再仕込み醤油」もついてきたが
再仕込み醤油は濃厚だし、わさびも強く感じてしまうほど
この鶏肉は繊細な美味しさ。
塩で食べたいとりわさなんて初めて!
またさりげなく盛られた薬味の野菜が全部美味しい。
玉ねぎの甘さがすごい〜♡



「だし巻卵」
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これがもう・・・
ただただ絶賛しかない「だし巻卵」なのであります。
見るからに、図抜けた美味しさを想像させられ
思わずアハハハハハと笑い出してしまいましたが
実際食べたらほとんど飛び上がりました。
理想の美味しさと言っていい「だし巻卵」!!
あまりに完璧だと形容するのも難しくなるのだが
ふっくらしつつ、密な肌。
何より、汁がジュワーじゃなくて
やわらかい卵の肌の中に汁が閉じ込められている感じが凄い。

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なんですかこの食感!?
味も強くないのに全く足りない感じがない。
何もつけずに食べて完璧すぎる。
参った!





「地物 山菜の天ぷら」(訪問は4月)
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うわあああああ
運ばれてきただけでシビれる見た目!
山菜の天ぷらは大好物なので見かけたら必ず頼むが
ここのは段違いな美味しそうさだ。
こしあぶら、やまうど、たらのめ。
一口食べてやっぱり目がかっ開きました。
なんというサクサク感、軽やかさ。
脂っこさが全くなく、油の良さと腕前の良さに
ただただ「ギャフン」としか言いようがない。
時間が経ってもサクサクで、
中からパーンと弾ける山菜の香りが幸せすぎる。
山の恵みに手を合わせたくなる。



「手羽塩焼き」
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お蕎麦屋さんで手羽って意外と出会いません。
おすすめと書いてあったので頼んでみましたが
皮パリジューシーでこれも最高の美味しさ!
野菜もドレッシングも美味しい。
もう〜なんなの〜!?
どれもこれも最高に美味しすぎて絶賛ばかりで
文章にメリハリがつかなくて困るんですけど〜 (≧∇≦)



そして、待ちに待ったこの時間でございます。


「2種盛り(もりそば+玄挽き田舎そば)」
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おっほーーーー
めちゃめちゃいい眺め!!


嗚呼 ときめき過ぎて心臓がどうにかなる・・・!!

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「もりそば」
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箸先から寄せた香りにまず感激。
めちゃめちゃフレッシュで青い綺麗な香り〜!
口に含むとパッキリとした輪郭線とシャープなエッジが感じられるが
不思議と硬さはなくしなやか。
最初鮮烈だった香りは食べ進むうちに弱まってきてしまったが
まろやかで上品な香りと味わいが楽しめる。
ここと同じ長野の、野辺山のキタワセと聞いて意外!
こんな香りの長野のキタワセもあるんだなあ〜



「玄挽き田舎そば」
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無数に散りばめられた褐色系のホシ、
微かに震える素朴な輪郭線。
見るからに香りまくってくれそうな
たまらない美肌に吸い込まれそう・・・
と、思ったのだが、最初は意外にも香りがほぼなく、
口に含むとすかに黒いスモーキーな味わいがある感じ。
が、食べ進むうちにそれがだんだん変わってきて
ヨモギとか青畳のような
爽やかな野生の香りがフワーッと感じられるようになり
ついにはいわゆる黒くスモーキーで甘い香りに!
香りととも味わいも濃くなったが
全く嫌味なくどこまでも美しいのが素晴らしい。
そして「もりそば」同様、
こちらもパッキリくっきりな輪郭線を感じる舌触りなのに、
噛み締めると硬いわけではないのが面白い。
細かい粗挽き感、とでも言いたくなる、
優しいヤスリのような粗挽きの舌触りもなんとも心地いい。
うーん、先ほどの「もりそば」と甲乙つけ難いけど
やっぱりこの「玄挽き田舎そば」の方が好きかなあー
ここから近い乗鞍の、乗鞍在来種。


そしていつもならここで、お蕎麦との逢瀬の感激、余韻に浸りつつ終わるところが、
今日はここのメニューの凄さにあまりにも目移りした結果、
なんとデザート?にこんなものを・・・(笑)

その名も「木鶏丼」!

頼んだのは「ミニ木鶏丼」の方なので
小さめの丼か、お茶碗に盛られてくるのを想像していたら
こんな素敵な根来の蓋つき椀でやってきました♡


「ミニ木鶏丼」
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蓋を開けて感激はさらに。

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お、おいしそうすぎる・・・
メニュー写真でも美味しそうだと思ったけど
本物の方がさらに強烈な魅力を持って私に迫ってくる。
オーダーしてから店主に「鶏肉炙りますか?」と訊かれ
即答でお願いした私。
(全ての味の要素の中で「香ばしさ」と「苦味」を偏愛するもので)
炙りたての香ばしい香りがたまりません〜!
そして「だし巻卵」に続いて、ここでも卵の美味しさにびっくり。
甘くないけど旨みとコクがしっかり。もうただただ最高!!
お肉もふっくらして、噛み締めた味が濃い。
あああああ 美味しいーーーー・・・
お蕎麦の後にこんなに恍惚とするなんて
なんか浮気してる気分・・・(笑)



ふと周りを見回すと
常連らしい家族連れが店主と実に楽しそうに話していたり
向こうの大きなテーブルではお祝い事らしい女性二人が
ゆっくりと、何やらものすごく美味しそうなものを
次々と食べている。予約限定のコース料理らしい。
(実は私はずっと羨ましくて(笑)時々チラ見しておりました)


そう、ここはコースが素晴らしそうなんです!

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いつもの私ならお蕎麦が4種も食べられるという
「そば三昧コース」一択なのですが
今日超絶に美味しいおつまみの連続攻撃に遭ったあとだと
料理が6、7品もつく「味わい御膳」にめちゃめちゃ惹かれる・・・!
お蕎麦が小盛りという問題は追加注文で解決しよう〜♡
と、まだ店にいるうちから次回食べるものを決める私 (^^;)


でもコースは2日前、コースによっては1週間前までの予約なので
いつも弾丸突撃行動が多い私にはかなり難易度高め・・・


でも絶対食べたいからなんとか予約したい〜〜!!♡











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posted by aya at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越の蕎麦>長野 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする