2021年11月01日

茨城・石岡「猪口才」


茨城って恐ろしいところなんです。

蕎麦好きの間では常識とはいえ、
一般的にはそこまで知られていない気がするんですが、
とにかく美味しいお蕎麦屋さんだらけ!
さすがは「常陸秋蕎麦」という
一大ブランド蕎麦を産出する蕎麦どころ。
衝撃的に美味しいお蕎麦を出す店がワンサカあるのだ。


これは私としてはありがたいようで非常に困る話で、
とにかくこちらのお腹はひとつしかないので
どのお店に行こうか迷い選ぶ時の苦しさと言ったらない。

しかも美味しいお店は当たり前だが大人気だし、
時間的にもなかなかシビアなのだ。


こちらのお店も、開店時間に行ったら店前の駐車場は満車!


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まず店名が面白いですよねー
しかもその店名をこれだけ大きく潔く掲げるあたり
店主の個性と才気が早くも垣間見える外観である。


店内にはすでに何組も先客があり
サラリーマンの方や仕事仲間でグループで来ている人もいたが
運良くまだ席はあって案内してもらえた。


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奥の座敷席は、
洒落た衝立もあって落ち着ける空間。



でも実は、もう空間とかなんとかどーでもいいくらいに、
とにかくここのお蕎麦はめちゃらくちゃらに美味しいんです!!


メニューの1ページ目にはこんな胸躍る案内が。

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ああーーーワクワクするぅ〜〜〜〜!! (≧∇≦)



お蕎麦のメニューはこんな感じ。

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「もりそば」のあとには
「単純素朴が最良です」と書いてありますねえ


そしてそして、本日はこんなお蕎麦があるのです!
なんたってこのために、
土日の開店時間に狙いを定めてやって参りました。

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十食限定の「粗挽き十割蕎麦」。
先客もガンガン注文していたようなので超ハラハラ!!
恐る恐る尋ねてみると・・・まだありましたぁ〜!
エーンよかったよう〜〜〜




とりあえずこの興奮のままお蕎麦様に突っ込むのも勿体無いので
まずは何かおつまみを食べつつお蕎麦様をお待ちしたい。
というわけで天ぷらが食べたかったのだが、
ここの天ぷらは量がかなり大サービスなボリュームと聞いていたので自粛。
(しょぼん・・・でもお蕎麦2枚食べたいので仕方ないんですぅ)

もうひとつ狙っていた「そばがき」は夜のみのメニュー。

というわけで、このお店で美味しいと大評判のこちらを選んだら
これまたなんと良心的なボリューム!!

「合鴨ロース」
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まず、680円でこの量が出てくるというところが凄い。
食べてみると最初は、アレ意外と普通?と思ったのだが
食べていくうちスモーキーで濃厚な旨味が口いっぱいにひろがり
おお〜たしかにこれは美味しい!と思い始めた。
クリーミーな脂がたっぷりなのにスッキリしているところも
一切れが薄くて小さいところもいい。
薬味たっぷりも嬉しい♡




そして早くも愛しい愛しい、
会いたくてたまらなかった方の登場となります。

ああ胸が高鳴る!!!!!


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えっ


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えええーーーーーー

これは・・・

なんという肌!

なんという輪郭線!!

見入れば見入るほど、蕎麦粒子の宇宙に吸い込まれそうになる。

食べる前からひれ伏したい。

あなたは美味しい!
絶対に美味しい!!


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すすす凄すぎるーーーー!!!!

もうこれ以上ないくらい期待しまくっていたが、
それを軽々超える爆発的な香り。
ナッツや胡麻を思わせるような、熟成蕎麦が持つ香りがふんだんに漂っているが
全く嫌味のない美しいかぐわしさ。
そして見ての通りのこの粗挽き感。
(これは「粗挽き蕎麦」でなく「せいろ」なのにこの粗挽きっぷり!!)
口に含むと、最初はとてもしっかりくっきりした舌触りで
そのツブツブ硬めの輪郭線からかなりの粗挽き感を感じたが、
噛み締めるとコシがあり食感としての硬さはなかった。
それが食べ進むうちにどんどんやさしいやわらかい舌触りになっていき
同時に甘みの膨らみ方もものすごいことに。
食べ進むうちにどんどん濃くなり、
甘味も香りも爆発的といっていいレベル!

ああ〜もう溶けそう・・・

最高です、ただただ最高・・・




「粗挽き十割蕎麦」(土日のみ、10食限定)

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うわあ〜〜

「せいろ」より、粗挽きっぷりが確かにパワーアップしております!!

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箸先から香りを寄せると
予想通り香りはこちらの方が弱い。
(というかさっきのが凄すぎた!!そして粗挽きの方が香りが出にくいのはあるあるなのです)
しかしその香りの質がとんでもなく素晴らしい。
静かな香ばしさと、微かに爽やかさもまとった野生感。
しかも口に含み噛み締めると、穏やかな香りが突然爆発、
なんとも言えない香ばしさがぶあああああと溢れ出して目が覚めるよう!!
粗挽きらしいザラザラした肌で、こちらも最初はかなりしっかり目の輪郭線だったが、
噛み締めるとコシあり硬さはなく、これもどんどん優しい食感になっていった。

はああああ・・・

猪口才さんヤバすぎます・・・

私、今日ここまでどうやってきたか忘れそうなほど
頭が蕎麦色に染まりすぎてこのまま溶けそうです・・・



さらに凄いことに、ここでは大発見がありました。

常日頃からお蕎麦を愛しすぎて
お蕎麦と向き合う時は最初から最後まで完全に二人きりになりたくて
蕎麦汁を一度もつけられない私。
たまーに試しにつけてみることもありますが
やっぱりお蕎麦だけで食べるより香りも味もかなり感じられなくなるので
大抵「やっぱり二人きりがよかった・・・」
と後悔しちゃうんですよね。


でも今日は、ここのお蕎麦の爆発的な香りにビックリした上に
途中で舐めてみた蕎麦汁がまたやたらと美味しくてですね〜
これはもしや・・・?と、蕎麦汁につけてみたのです。

海の出汁がゴンとたっぷり入っていて、
濃厚な旨味と甘味、辛味がそれをバランスよく支えている感じの美味しい汁。

お蕎麦をつけてみてさらに仰け反りました。
こんなに旨味濃厚な汁だというのに
それを余裕で乗り越えてバンバン香ってくるお蕎麦のかぐわしさ!
ええ〜〜ここのお蕎麦と蕎麦汁ならつけて食べてもいいかも!?
とびっくりしたのでありました。
(でも次回もほぼ全部お蕎麦だけで食べたくなっちゃうと思いますが・・・)



もうメロメロ腰砕けの私に追い討ちをかけるように
蕎麦湯まで常軌を逸したとんでもない美味しさ。

底の方に溜まった蕎麦粒子のものすごさをご覧ください。

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いやもう、これとんでもない美味しさなんです。
蕎麦粉の素晴らしさ、挽き方の巧さがバレバレでございます。
底にドロドロ沈んだ粗挽き粒子達の美しさよ!!
先程食べた「粗挽き蕎麦」がそのまんまここにあるみたいな蕎麦粒子達だ。
つい「こんなのタダでいただいては申し訳ない」という気持ちになり
珍しく、寝言でも叫べそうなほど言い慣れた
「蕎麦湯お代わりいただけますか〜」
という台詞は飲み込んできました(^^;)



ジャズが流れる店内。
昼時につき相変わらず忙しいが
奥さんは甲斐甲斐しく動き回りつつ
一人一人にとても感じ良く接客している。

聞いているとどうも
「納豆おろし」と「天もり蕎麦」が人気らしい。

絶対美味しいんだろうな〜 気になるーーーー!!
ああ近所の人が羨ましい。





茨城の人は、幸せだなあぁ〜〜〜










posted by aya at 14:01 | Comment(0) | 関東の蕎麦>茨城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする