2020年11月17日
2020年11月15日
2020年11月09日
栃木・中禅寺湖畔「かつら」
こういう出会いがあるから、やめられないのだ。
全国の手打ち蕎麦屋さんにストーカー行為を繰り返してウン十年の私だが
今回は久しぶりに大ホームランを打った気分。
こんなに面白くて、しかも最高に美味しいベタボレのお店、
見つけちゃったあーー!♡!♡!♡
今年の中禅寺湖の紅葉は最高でして・・・
早朝から山に登り、1日それはそれは美しい、
色とりどりの紅葉に包まれまくって
すっかり夢見心地で湖畔に降りてきました。
午前中に山の上で昼食はとったが
降りてきたらまたお腹が空いちゃった(^^;;)
というか血中蕎麦粉度が下がって死にそう!
湖畔になかなか良さそうな手打ち蕎麦屋さんがあるらしいので
レッツゴー♪
夢のように美しい湖畔を歩き
お土産物屋さんなどお店が集まっているエリアにたどり着くと
目的のお店らしき建物が!!
「物産食堂」って書いてございますが大丈夫でしょうか!? (^^;)
いや、入り口に力みなぎる「本手打ち蕎麦」の幟が出ているし
大丈夫だよね・・・
近づくと、
うん!?
ほんとにお蕎麦屋さんで大丈夫かな?
あんまりお店に見えないような・・・
はい、見えません。(* ̄∇ ̄*)
ギリギリ座れそうなテーブルが一つあるが、
勝手に座るわけにもいかないし、とにかく不思議空間である。
と思ってたら、入り口横の蕎麦打ち場から店主らしい男性が飛び出してきて、
明るく甲斐甲斐しい声で案内してくれた。
客席は2階で、1階で注文をしてから上に上がってくださいとのこと。
なるほど、あの階段を上がるんですね!
注文は右のビニールシートを貼ってあるカウンターのようなところで
店主が受けつけてくれるらしい。
メニュー理解力と決断力には自信がある私だが
ここのメニューは面白すぎて、
いくら見ても見どころだらけであります!!
番号札についてはわかるが、
「リフトでお食事が」というところにまず釘付け。 (≧∇≦)
「一合そば」の大盛りが「1.5合そば」じゃなくて「一・5そば」というところも
面白すぎる (≧∇≦)
一番上に書いてあるのが
「そばがきセット」っていうのも気になるなあ〜
頼みたくなるなあ〜〜!
よし決めた!
エネルギー不足につき天ぷらも食べたいので
「天つきもりそば」と「そばがき」にしまーーす!
注文をして二階にあがると、
またまた予想をはるか超えた空間が待っていた。
綺麗な眺めーーーー!!♡♡♡
大きな窓いっぱいに、中禅寺湖と男体山と紅葉の絵のような景色。
なんという贅沢・・・
入店時は窓側エリアのテーブル席はほぼ満席で撮れなかったのだが
長居した帰り際はこんな感じ。景色凄すぎませんか!?
山側にもテーブル席、奥には座敷席もあってとにかく広い。
さて注文は番号札制であるので
呼ばれるまで待つことになった。
私の番号は7番。
見ていると客席スペースの隅にリフトがあるらしく
時々そのあたりからマイクを通したやや割れた音声で
「12番のお客様ぁ〜〜!!『ゆばきのこそば』と『天つきかけそば』
出来上がりましたあああ〜〜〜〜お待たせいたしましたあああ〜〜〜!!」
という案内が聞こえてくる。
呼ばれた人は立ち上がってそこに取りに行くのだ。
リフトはこの張り紙の右の側面にある。
面白い・・・面白すぎてワクワクしまくり!!
楽しいお蕎麦屋さんに来たなあ〜 (≧∇≦)
この時15時45分。
でありながら、こんなに広い店内にほぼ満席という人気ぶり!
食べ終わった器類はセルフで「返却場所」に置くのだが、
お店の人は一階の厨房で大忙しで料理中らしく
全く片付けが追いついていない (^^;)
でもこれだけのスペースがあるので
なんとかなっているところがスゴイ。
店内はまだお蕎麦が来ていないテーブルがほとんどだったこともあり、
しばらく私のお蕎麦は来なさそう。
斯くなる上は、待ちきれない思いを抱え
この「かつら」のお蕎麦の写真をスマホで検索しちゃおーっと。
もうすぐ会えるのはどんなお蕎麦なのかあ〜 うふ♡
しかしスマホを見ていたら偶然、重大情報を得てしまった私。
どうやらこちらのお店の「そばがき」は、
汁に漬かってやってくるタイプのようでございます!!
それはそれで美味しそうだが、
お蕎麦さんとはどうしてもどうしても二人きりになりたい私。
ややこしいお客になるのは避けたいが、
別添えをお願いできるならなんとかそうさせてほしい!!
急ぎ一階の厨房の前に行ったら、偶然入口のところに女性がいたので
「すみません〜もしできたら、そばがきのタレをかけないで別にするというのは
お願いできますでしょうか〜」
と言ってみた。
女性はキョトンとしていたが、すぐに満面の笑顔になって
「あ、ハイハイできますよ〜!」
ああーありがたや!ありがとうございます〜〜〜!
あーやれやれヨカッタヨカッタと2階の席で
夕方の色味を帯び始めた絶景を眺めつつ、もうひとしきり待つ。
するとようやく私の札の番号が呼ばれた。
2階全体に響き渡るマイクの声。
ん?でも他の人のが出来上がった時と言っていることが違うみたい??
「7番の番号札のお客様ぁ〜〜!
あのー、そばがきなんですけどー、素揚げするんですけど、しない?
揚げないで、タレを別にしますー?」
うっわー!お気遣い頂き申し訳ない!!
「あのお客さんはタレなし希望ということは、きっとそのままのそばがきが食べたいんだ」と
察した上でわざわざマイクで聞いてくれたのである。
か、忝い・・・(T_T)
「ありがとうございます!是非それでお願いします!!」
とリフト脇のインターホンに向かって必死で叫ぶ私。
程なくしてついに、私のそばがきさんが上がってきました。
じゃーん。
だいじにテーブルに連れて帰ります。
うっわーーい おいしそう!
薬味の柚子も別盛りにしてくださっているところにまたもや、
忝さに涙溢るる・・・
モワワワ〜〜ンとあたたかい湯気に乗って香るかぐわしさ。
椀がきのそばがきの懐かしい香りである。
(これについては近々また語ります (≧∇≦))
もっちゃもっちゃとしたお餅のような食感で
田舎らしいほっこりほのぼのとする味。
あっという間に完食してしまった。
そしてついに、
この店の真骨頂を語る時がやって参りました。
運ばれてきた蕎麦の眺めに、私の心は全て奪われたのである。
今日どっぷり浸ってきた宝物のように美しい山の景色を
全部忘れてしまいそうなくらいに!(まじか)
だって、これだもの。
なんという絶景・・・
何よりも、この蕎麦である。
えっ?
ええええええーーーーーっ
ちょっとちょっと
あなたはとんでもなく素晴らしいのではないでしょうか!?
なんという、美しい肌。
無数に散りばめられたホシと、ゆらめく陽炎のような陰影。
かすかに震える、極細平打ちの繊細な輪郭線。
興奮余って激写しまくり。
完全に、参りました・・・
この目の覚めるような素晴らしい香りは何なんですか!!
野生に満ちた、石のような落ち着きもある、たまらなくフレッシュで美しい香り。
食感も独特で、太さにばらつきがあるのだが
そのばらつきがかえって美味しいんだからもう無敵である。
輪郭線はやけにクッキリはっきりしているのに硬さはまったくなく、
むしろ柔らかい。
極細の繊細はっきりした舌触りがたまらなく清らか。
味わいも爽やかでフレッシュで、しかも濃厚。
強いて言えばコシはあまりないのだが
だから何?と思うくらい最高。
いくらでも食べたくなる超絶美味しいお蕎麦。
おいしすぎるー!!
しかも、その上に、である。
この天ぷらがまた、何でもなさそうな顔をして
とんっっでもなく美味しいのだ。
サクッと軽くて脂っこさ皆無!
エビは大きくてぷりぷり!
そして何より、このかき揚げの美味しさには悶絶した。
ふわーっと最高に香ばしくて軽くて、
とにかくあまりの美味しさに食べている間中
おいしーっ!おいしーーーっ!!!と言いっぱなし、笑いっぱなし。
笑いが止まらなくなる天ぷらなんてそうそうあるものではない。
こんなに美味しい天ぷら、久々に食べました!!
蕎麦汁は、旨味、甘味のバランスがとれた万人に愛されそうな味で
洗練はないがとっても美味しい汁。
天つゆもやや薄味で出汁が深くて素晴らしかったです。
入店してからお店の面白さ、景色の素晴らしさにめまぐるしく心を動かされ、
最後に着地したこの超絶な美味しさ・・・
もうもうもう何と言うべきか、
一言で言うと「ベタボレです」!! (≧∇≦)♡♡♡
かつらさーん、大好きですーーー!!
この思いをそのまま店主に伝えるとかなり気持ち悪い客になるのだが
残念ながらそのあたりのブレーキは故障気味の私なので
帰り際、一応興奮を抑えつつ、店主に伝えてしまった。
「何もかも、大変たいへん美味しくて感激しました!」
店主はカラリと爽やかな笑顔で
「いやー、そんなこと言っていただけるとまた明日からも頑張れます!!」
と答えてくれた。
今日のお蕎麦は外一、4種類のブレンドだそう。
なるほど、たった今もブレンド中だったのかな?(^^)
真っ白なきれいな袋がたくさんありますね♪
中禅寺湖付近のハイキングは去年からお気に入りの場所でもあるし
この「かつら」は今後通いまくりそう! (≧∇≦)
お腹いっぱい、胸いっぱいのしあわせまみれでお店を出ると
もう暗くなり始めた中禅寺湖畔の冷たい澄んだ空気。
ああ ここは本当にいいところだなあ・・・
今度は春、アカヤシオの美しい頃に、必ずここに帰ってきたい。
<おまけ>
「かつら」のお向かいに位置する
お土産物のお店「ひたちや」さん(かなり大きなお店)は
お店の真ん中にコタツがあって、
店主らしいおじちゃんが何もせずただ座っているのが
かーなーり良い景色でございました!!