2016年07月29日
長野・上田「くろつぼ」
移転してからは初めての「くろつぼ」。
以前は上田市内の「黒坪」と呼ばれる場所にあった
素敵な古民家蕎麦屋さんだったのだが新しい住所はその名も「常盤城」。
「真田丸」でも話題だがさすがは歴史の深い上田だけのことはある。
(某師匠の専門分野ですが上田市内は城跡だらけみたい。百城ちかく!?)
張り切りすぎて開店時間より大分前に着いてしまったので
車を降りて歩いてみる。
なんて静かで、素敵なところなのだろう。
立派な古民家やお蔵がそこここにある風情ある街並み。
上田城からも近いだけに歴史の中を歩いているような気持ちになる。
可愛らしい小川も流れ、橋の名前は「高橋」!(^o^)
そして、肝心のお店はあれなんです!
今度も素敵な古民家。
しかもあまりお店らしくしていないところがいいじゃあないですか〜〜♪
外観でも十分に風情たっぷりだが中はもっとスゴイ、
あたらしき「くろつぼ」。
そっと扉を開け中に入ると
なんと、待合室だけでお店ができるくらい大きい!
店内の様子はここからでは伺えず、大きな建物なんだなあ〜
店員さんに案内されて奥に入ると
わあ・・
ひろい〜〜
すてき〜〜
店内も広いがその上広いお庭もある!
それにしてもこの縁側の幅広さはすごすぎる・・・
どんなお金持ちのお家だったんでしょう・・
庭を望む縁側席もいい。
この上カウンター席のみの別の部屋まであるのだから驚くばかり。
細工の細かい障子戸や工芸品のような欄間など、見どころだらけの美しい古民家。
こんなところでお蕎麦が食べられるなんてうれしすぎる。
メニューはシンプルに絞り込まれているようでいろいろと見逃せない。
まず「馬刺し」が2種類「上赤身」と「ふたえご」とあるのがすごい。うれしい。
さっすが我が愛する長野♡
そしてお蕎麦は「もり蕎麦」と「粗挽き田舎そば」は両方ぜったいいくんですが
その上「あつもり」もあるじゃあないですか・・
これは・・3種類いっちゃう? いっちゃえ!(≧∇≦)
こんな魅力的なお申し出もいただいてしまいました。
予約でこんなのも食べられるらしい。
へえ〜鴨肉の脂肪って、そうだったんですか!
牛や豚の脂身はあまり得意でない私なんですが
鴨肉は脂も美味しいと感じることが多いのが長年不思議だったんですが・・
なんか得した気分〜♪
個人的にシビレたのはこの景色。
割り箸と普通のお箸、両方がセットされてるんです♪♪
大きな声では言えませんが私「お蕎麦屋さん限定で」割り箸が苦手で・・・(^^;;)
お蕎麦が出てくるとお蕎麦の香りを嗅ぎたいあまり
突然嗅覚がそれまでの何倍もになってしまう不思議な現象を毎日体感している私。
(それを簡単に蕎麦犬現象と呼んでおります)
割り箸を使うとどうにもこうにもお蕎麦が割り箸味にしか感じられないのだ。
その理由でいついかなる時もマイ箸を持ち歩いているだけに
このお箸サービスは嬉しい〜
(お蕎麦がたぐりやすいという理由では割り箸もいいですものね)
「地物野菜の天ぷら」
思い切りバリッバリに揚げられた天ぷら。
エリンギ、トマト、パプリカ、にんじん、えのき、なす、ブロッコリ、ズッキーニ。
地物だけにどの野菜もほんとうにおいしい。
特に葉付きにんじんとブロッコリー♡
「馬刺し(ふたえご)」
メニューに
「あばら部分の三層肉でコリコリした食感で脂身さっぱりが人気の理由」
と書いてあって惹かれた「ふたえご」。
確かにすごい噛みごたえ、噛めなくて美味しーい!
(って変な表現ですが私は硬い食べ物が大好きなんです)
そして旨みが大変に濃い。
お醤油をチョンとつけて、これはおいしいなあ〜!
「もり蕎麦」
古民家に差し込む光に浮かび上がる、蕎麦肌の陰影。
すーっと香る長野らしい野生の香り。
ちょっとウリにも似たような爽やかな野生だ。
繊細細切りの蕎麦はふわっとやわらかく
食べ進むほどにその野生の風味がどんどん深まっていく。
甘みもじんわり。
はあ〜
上田のこんな静かな古民家で、
午前中から、うれしいなあ〜
「あつもり」
知らない方のために念のため申しますと「あつもり」というのは
冷水でしめていないあったかいもりそばのこと。
見た目からして全然違うでしょう〜
蕎麦全体がなんとなくくっついいて、蕎麦肌につやもない。
でもこの眺めこの肌こそいかにも香りそうな感じで私はワクワク〜〜(≧∇≦)♡♡♡
「もり蕎麦」と同じ蕎麦なのだからもちろん香りは同じ方向なのだが
こちらはぐっと甘く炊きたてごはんのようなふくよかさのある香りが前面に出ている。
食感はさらにやさしくもたっとして、
急がないとくっつき始めるので大喜びでさっさと食べちゃいました。
「粗挽田舎そば」
「粗挽田舎」はどっしりとした陶器の器で。
こんもりと美しい蕎麦のお山、上田のお山。
おおお
こちらは先程の「もり蕎麦」と共通する爽やかな野生に加え
ごま油のような芥子のような厚みのある、ゴージャスで個性的な香ばしさがある。
意外にもくっきりした輪郭線のしっかりした舌触りなのだが
繊細な細切りのため食感はやさしい。
味わいや甘みはすっきりで厚みある香ばしさが際立っている。
蕎麦汁は甘めでバシッと濃い感じ。
帰り際、玄関のところでおや?と気になる張り紙が。
「2Fは丸山階(まるやまフロア)です
ご自由にお上りください」
階にフロアと読み仮名がついているのが面白い。
デパートのアナウンスの「5階、紳士服フロアでございまぁす♪」とかみたい(≧∇≦)
なんだかわからないけど登ってみましょう〜〜
えっ
ええ?
武士道でサムライな父に育てられた私には
かなり親しみある感じの異空間が突然現れビックリ。
何だかいきなり父の怖い声がした気がしたようなしないような?(* ̄∇ ̄*)
ここは一体・・と思ったら
ということらしい。なるほど!
古民家でこんな展示を見られるなんて
めちゃくちゃ素晴らしいではないですか〜!
しかもそれがお蕎麦屋さんの二階とは。
展示室とは別にある座敷もいい。
店の奥、駐車場側には立派な門もある家。
家は使わなければ朽ちていくけれど
人が住み大切に手入れすればこんなふうに
世界中に自慢したいような美しい宝物になる。
特に店舗などでの利用は沢山の人が楽しむことができるので
本当に素晴らしいと私は思う。
私も含め今の時代の人は日本の古い家の素晴らしさを知る機会が少ないせいで
日本の家に対する親しみも知識も誇りもない。
日本を訪れた外国人も日本の古い家を体験できる機会はなかなかないが
お蕎麦屋さんなら気軽に美しい時間を体験できるではないか!
というわけで、私は古民家のお蕎麦屋さんが大好き(≧∇≦)/
京都の町家造りのお店も大好き。
古い家に育ったわけでもないのに「懐かしい」と感じる家。
日本人であることが嬉しくなる、新しき「くろつぼ」でのひととき。
楽しかったね〜〜っ♪
2016年07月27日
静岡・富士市「蕎麦切りこばやし」さようならの時
好きだったお蕎麦屋さんが閉店してしまうということ。
私にとってそれは悲しいとか寂しいとかという感情を超えている。
もちろん悲しくて寂しいのだが
その店が今まで紡いできたものの尊さを思うと
その時間が終わることもひとつの大きな「仕事」に思え、
身を正して受け止めたいような気持ちを覚えるのだ。
拙著「蕎麦こい日記」にも書いたことだが、なぜ私が蕎麦について書くのかといえば
動いていくものは私には止められないから、
お蕎麦屋さんの時間や味はどこにも残らず毎日流れていってしまうものだから、
それを欠片だけでもすくいあげて何かにそっと仕舞いたい。
そんな気持ちで書いているのだ。
この7月で営業を終える静岡の超名店「蕎麦切り こばやし」。
名店だけに普段から県外からのお客さんも多い店だが
このところは閉店の噂を聞きつけた長年のファンたちで連日開店前から大行列!
というわけで今日は開店1時間前を目指してやってきてしまいました(張り切りすぎ(≧∇≦))。
案の定開店時間前にはものすごい数の人が集まってしまい駐車場はいっぱい。
すごすぎる〜〜
待合スペースも人でいっぱいなのでみんな名前を書いて車に戻って待っているみたい。
張り切りすぎた私は一番にご案内いただきました(≧∇≦)/
心を澄ませて「蕎麦切り こばやし」のメニューを眺める。
これが最後と思うと感無量の思い・・・
感無量とは書いたがやはり眺めてしまうと一瞬でかき乱される我が煩悩。
だって見てくださいよ、お蕎麦だけで
「香味」
「風味」
「雅(曜日限定)」
「吟醸黒(曜日限定)」
「せいろ」
と5種類もあるんですよ!
この中から「ん〜、私はこれ。」と普通に一つを選べる優雅な人に私はなりたい。
4つあるなら4つ全部食べたい、5つあるなら5つ全部食べたい!!
これがラーメンだったらなんにも知らないし
入門編のをひとつ優雅に注文するんですがね・・(≧∇≦)
店員さんにびっくりされないようできるだけ優雅に(?)今日あるお蕎麦を全部注文して
できるだけ優雅にお蕎麦を待つ。(禁・過興奮)
「蕎麦切り こばやし」名物、テーブルの上の蕎麦粉のディスプレイを眺めつつ・・
き きた
「手挽き極粗挽き太打ち」の「香味」。
おお〜なんだか今日のは色が濃いめ!
うっはー・・・
何度見ても呆れるほどすごい、「蕎麦切り こばやし」の蕎麦肌。
特にこの「香味」は「蕎麦切り こばやし」の数ある蕎麦の中でも代表的な蕎麦であり
私の中でもこの店のイメージとなっている、他にはない美しい蕎麦だ。
太打ちの肌にごろごろと埋められた無数の大きな蕎麦粒子。
でありながら輪郭線はゆるやかな曲線を描き優しい印象だ。
今日のはかなり黄色味の強い肌なのでものすごい香りを想像したが
手繰り上げるとおおお〜っ 意外なほど白く美しい香り!
見た目の通りすこしぬめるような舌触りで
噛みしめると粗挽きの粒と粒がぎっちりしっかりつながった固めの食感。
味わいもすっきりと透明なイメージなのだが
モグモグ噛んでいると後味がいきなり熟成のようにムンと濃厚になってくるのが楽しい。
「手挽き粗挽き細打ち」の「風味」。
あああああ
なんという なんという その肌の超絶美。
見つめるほどに私は吸い込まれそうになる。
これが最後だなんて信じられない気持ちだ。
手繰り上げるとこちらも白く美しい香り、しかしその中に透き通るような野生を感じる。
しっかり固めの肌に大きな蕎麦粒子を無数にはらみ
ハラハラパラパラとした舌触り。
私はこの蕎麦を食べるといつも、ポコポコとたくさんの芽をつけた雪柳の枝が目に浮かぶ。
噛みしめるとこれまた透明感のある味わいがじわ〜とひろがるのにハッとさせられる。
「透明」と「じわ〜とした味わい」というのは自分の中では共存しない要素に思えるだけに
新鮮な感覚だ。
あああ おいしい・・
嬉しくてありがたくてしあわせすぎる・・・
早起きして来た甲斐があった(≧∇≦)!!
「挽きぐるみ 喉ごしのよい蕎麦 木・金・土曜日のみ」の「吟醸黒」。
透明感のある黒い肌をつやつやと輝かせてやってきた端整な極細打ち蕎麦。
手繰り上げると わあ〜 これまた面白い。
甘皮を挽きこんだ黒い蕎麦らしい黒い香りとたくましさが、美しい透明感の中にある。
珍しい感覚だが考えてみれば姿そのままの味なのだ。
つるつるムニムニ極細の食感で、姿も香りも味わいも黒く透き通っている・・・
「十割」
いやーーーん うれしい〜〜!!
粗挽きのイメージが強い「蕎麦切り こばやし」ではあるが
この微粉の「十割」おいしいんですよね〜〜!
極細,繊細な蕎麦をたぐれば
濃厚に香る、ザ・スタンダードな誠実な蕎麦のかぐわしさ。
なめらかで密な肌は私の大好物、中国の干豆腐にも似て
クリーミーで少しパキパキした印象。
味わいも濃厚で、食感のせいか味わいもちょっとミルキーな感じがしてきてしまう。
おいしい〜〜 おいしいよう〜〜・・・
もう今日はどんだけ蕎麦まみれなのかというほど食べまくっておりますが
ついに、スペシャルな蕎麦の登場なのです・・
じゃじゃじゃーん!!
「手挽き極粗挽き太打ち」の「香味(熟成)」。
このお蕎麦は店主自ら持ってきてくれました。
すごい、遠目にもわかる迫力の熟成感!!
うっわー これは面白い、すごい!
今日は食べた蕎麦すべてに共通する「蕎麦切り こばやしの透明感」に感嘆してきたが
熟成まで透明感があるとは。
正直言ってかなりキョーレツな熟成にも数限りなく出会ってきた私は
ちょっと熟成恐怖症気味なのだがこれはなんと美しい,澄んだ熟成なのだろう。
アルミ箔にくるまれて4日間7度で眠っていたというのが信じられない清澄さだ。
しかし熟成は熟成なので味わいにはものすごいパンチがあり
噛みしめるとビーフジャーキーをも思わせるようなものすごい旨みがあふれ出てくる。
見つめていくとちょっと味噌感も感じるほどなのに
でもどこまでもすっきり清澄なのが素晴らしい!!
「鴨せいろ」
最後に普通の「せいろ」を「鴨せいろ」にして頼んでみました。
これがまた凄かった・・・びっくりした!
二八の「せいろ」は美しく端正な極細切りでのびやか、なめらか。
でもなにより衝撃的だったのはここの「鴨汁」!!
・・・私、今までの「こばやし人生」を後悔しました。
ここでは沢山あるものすごいお蕎麦達に目移りして蕎麦のみに猛進してしまい、
こういう種物やつけ汁のものを頼んだことがなかったんです。
なのになのに、ナンデスカこの恐ろしいほど美味しい鴨汁はーーっ!!
なんというか、ただただ味付けの妙としか言いようがない。
出汁のうまみ、酸味、甘み、香辛料。
香りをかいだだけで「ウワこれは!」と惹きつけられ
その味のあまりの美味しさに大感激。
今までお蕎麦屋さんで食べてきた鴨汁の中でもベスト3にランクインさせたい
強烈な魅力だった。
うーーーん!!
「蕎麦切り こばやし」はこういう意味でも超名店だったんですね・・
全然知らず大損しておりました。
すごすぎる〜〜!!(>_<)
厨房では店主が千手観音のような早業で仕事しまくっている。
営業中も忙しいがこんなにたくさんのお蕎麦であるから
一体店主は毎朝何時に起きて仕込みをしているのか想像もつかない。
いつも遠くからその姿を眺めてきたが最後なので記念に一枚、
その背中を撮らせていただいた。
これだけの世界を作り沢山の人を喜ばせてきたその姿を忘れたくない。
名残惜しいが外の行列は長くなる一方なのでもう出なくてはならない。
この店を、去らなくてはならない。
長年お疲れ様でしたとか、悲しい寂しいとかよりも
ただただ、
「おいしかった!!」
忘れられない最高のお蕎麦を、ごちそうさまでした。
(帰り際の駐車場・・・住宅街の奥の奥なのにすごいっ)
2010年10月の「蕎麦切りこばやし」
2016年07月26日
Mushroom hunting
2016年07月25日
大阪・茨木市「東風」
大阪はドキドキする。
日本の他の街を旅する時は「旅人」の気分になるが
大阪を歩くと「異邦人」の気分になる。
東京にはないパワーを体で感じ、見るもの聞くものに楽しい刺激がある。
電車は複雑で難解で、慣れない者には乗り換えが難しかったりするが
その土地のその土地らしさを見つけるのが旅の喜びだ。
阪急線「茨木市」駅から徒歩数分。
あと少しで目的のお店に着く、と思ったところで道は商店街に入った。
わあ楽しい、こんなところを通りたかったのー!
道にはみ出す八百屋さんの元気な声、お好み焼きの大看板。
いかにも大阪の日常に触れられたようで、
道行く人の姿までが大阪らしく見えてしまう。
その商店街からすぐの路地に現れる古民家。
外壁にはかけられた時計がなんとなく昔の小学校のようなイメージで
可愛いらしい印象の古民家だ。
予想外の風情ある外観に心が躍る。
いやーほんとに大阪のお蕎麦屋さんはすごいなあー
ビシッ!とキメてくれるところが好き♡
店に入るとそれはそれは綺麗な笑顔と綺麗な声の奥さんらしい人が迎えてくれた。
鈴のような透き通る声で「どうぞいらっしゃいませ〜〜〜」と
これ以上ないほど感じよく案内してくれる。
外観もいいが店内の雰囲気も素晴らしい。
ヨーロッパのアンティークらしい家具と窓辺のステンドグラス。
大正ロマンなムードのカフェのような空間だ。
(写真は帰り際に撮ったもので入店時は大盛況でほぼ満員でした〜)
店の中だけ見ているとお蕎麦屋さんであることを忘れそうだが
奥には蕎麦打ち場が見える窓がある。
蕎麦打ち場とか蕎麦打ち道具って本当にシンプルで美しいですよね〜
私にとってここは鶴の恩返しの機織部屋、
知りたくない魔法が生まれる場所なのだ♡
東京も暑いけど大阪も暑い!
というわけで、
かーーーっ
たまりゃん(≧∇≦)♡
「そばがき」
ここもビシッ!とキメてくれる。
蓋付きの器で丁寧なおもてなし。
蓋を開けた瞬間の景色と香りが楽しみ・・・♡
うわ うわわわ
これはすごすぎる 予想以上にすごすぎる
あなたは絶対に美味しい!!!
( °o°)
うっぴゃあー!!!
なんということでしょう。
観光客気分でのんびりワクワクしていた私、
いきなり目がかっ開きました!!
この蕎麦がき予想を飛び越えてとんでもなく美味しい!
ちょっとツンとする野生と誠実な蕎麦のかぐわしさ。
何よりぽってりふわもちっとした「軽い重さ」がたまらない。
微粉のなめらかな肌はフワポテッとくちびるに触れてきて
蕎麦汁はさすが関西、出汁がしっかりで美味しい。
私はお蕎麦は汁をつけずにそのまま食べてしまう大悪党なのだが
蕎麦汁は蕎麦湯の時の宝物。
私にとって蕎麦湯がお酒で蕎麦汁はおつまみ。
蕎麦湯ゴクリ、蕎麦汁チロリが至福の時なのだ。
ここのは少し濃いめ甘めで関西にしてはパンチがある感じ。
帰り際もまた奥さんのスーパー明るい綺麗な笑顔と鈴のような声に見送られ
楽しく晴れ晴れとした気分で外に出ると、わあ!すごい夏の熱気!
いざ出陣!楽しいオオサカシティーへ(≧∇≦)/
東京にはないパワーを体で感じ、見るもの聞くものに楽しい刺激がある。
電車は複雑で難解で、慣れない者には乗り換えが難しかったりするが
その土地のその土地らしさを見つけるのが旅の喜びだ。
阪急線「茨木市」駅から徒歩数分。
あと少しで目的のお店に着く、と思ったところで道は商店街に入った。
わあ楽しい、こんなところを通りたかったのー!
道にはみ出す八百屋さんの元気な声、お好み焼きの大看板。
いかにも大阪の日常に触れられたようで、
道行く人の姿までが大阪らしく見えてしまう。
その商店街からすぐの路地に現れる古民家。
外壁にはかけられた時計がなんとなく昔の小学校のようなイメージで
可愛いらしい印象の古民家だ。
予想外の風情ある外観に心が躍る。
いやーほんとに大阪のお蕎麦屋さんはすごいなあー
ビシッ!とキメてくれるところが好き♡
店に入るとそれはそれは綺麗な笑顔と綺麗な声の奥さんらしい人が迎えてくれた。
鈴のような透き通る声で「どうぞいらっしゃいませ〜〜〜」と
これ以上ないほど感じよく案内してくれる。
外観もいいが店内の雰囲気も素晴らしい。
ヨーロッパのアンティークらしい家具と窓辺のステンドグラス。
大正ロマンなムードのカフェのような空間だ。
(写真は帰り際に撮ったもので入店時は大盛況でほぼ満員でした〜)
店の中だけ見ているとお蕎麦屋さんであることを忘れそうだが
奥には蕎麦打ち場が見える窓がある。
蕎麦打ち場とか蕎麦打ち道具って本当にシンプルで美しいですよね〜
私にとってここは鶴の恩返しの機織部屋、
知りたくない魔法が生まれる場所なのだ♡
東京も暑いけど大阪も暑い!
というわけで、
かーーーっ
たまりゃん(≧∇≦)♡
「そばがき」
ここもビシッ!とキメてくれる。
蓋付きの器で丁寧なおもてなし。
蓋を開けた瞬間の景色と香りが楽しみ・・・♡
うわ うわわわ
これはすごすぎる 予想以上にすごすぎる
あなたは絶対に美味しい!!!
( °o°)
うっぴゃあー!!!
なんということでしょう。
観光客気分でのんびりワクワクしていた私、
いきなり目がかっ開きました!!
この蕎麦がき予想を飛び越えてとんでもなく美味しい!
ちょっとツンとする野生と誠実な蕎麦のかぐわしさ。
何よりぽってりふわもちっとした「軽い重さ」がたまらない。
微粉のなめらかな肌はフワポテッとくちびるに触れてきて
うわー このせいろかっこいいなあ
普通よりも高さの低い、塗りのせいろ。
その中で明るい色の蕎麦が一際美しく見える。
いつもいろいろな産地のものをブレンドしているそうだが
今日は埼玉のブレンド。
これもそばがきに似てちょっと強い野生を感じる香りなのだが
それに加えて白くまろやかな、極上の和菓子にも似た美しい香りもあり
とにかく素晴らしく美味しい。
繊細な平打ち、密でしなやかな舌触り。
コシはあまりなくやわらかめなのだがやわらかすぎずやさしい食感で
コシはあまりなくやわらかめなのだがやわらかすぎずやさしい食感で
ああ 綺麗な美味しいお蕎麦だなあ〜
本当に来てよかった!!
蕎麦汁はさすが関西、出汁がしっかりで美味しい。
私はお蕎麦は汁をつけずにそのまま食べてしまう大悪党なのだが
蕎麦汁は蕎麦湯の時の宝物。
私にとって蕎麦湯がお酒で蕎麦汁はおつまみ。
蕎麦湯ゴクリ、蕎麦汁チロリが至福の時なのだ。
ここのは少し濃いめ甘めで関西にしてはパンチがある感じ。
帰り際もまた奥さんのスーパー明るい綺麗な笑顔と鈴のような声に見送られ
楽しく晴れ晴れとした気分で外に出ると、わあ!すごい夏の熱気!
いざ出陣!楽しいオオサカシティーへ(≧∇≦)/
2016年07月15日
群馬・館林「そば工房風車」
なんだかすごく面白そうな予感がしたのだ。
たどり着けば「工房」と名乗るにふさわしい、素っ気ない外観。
石臼のみならず
「石抜き」「磨き」「皮むき」など5台の機械を使って
全ての行程を自家製粉しているという「そば工房 風車」。
しかも蕎麦は全て十割だ。
玄関を開けると予想外の空間。
うわあ・・
気持ちのいい板の間の向こうに緑の窓。
大きな窓いっぱいに初夏の草花があふれんばかり。
その向こうは畑だ。
禁煙席は別に設けてあるが
誰もいないのでやはりあの大きな窓辺に座りたい。
紫陽花を眺めながら蕎麦をたぐれるとは
なんて贅沢な空間だろう。
それにしても静かだ。
営業時間前に入ってしまったのではないかと心配になるほど静かだ。
メニューがまた素晴らしい。
薄くて大きな和紙に一枚一枚手書きされている。
特に特に、やっぱり最初の「かざぐるま三昧」がたまらないですよねえーーー!
しかも変りそばとかじゃなくて
「せいろそば」「田舎そば」「荒挽そば」って、
嬉しすぎるじゃないですか!(≧∇≦)♡
「天ぷら盛り合わせ」
ドーン!!とどっさり盛られてきた
まいたけ、にんじん、かぼちゃ、ピーマン、いんげん、海老。
畑の横で畑の恵みにかじりつく喜び。
がっつりさっくり、海老も立派で美味しくて
これはお得な盛り合わせだなあ〜
「そばがき」
丁寧に蓋付きの器でやってきた。
日本の器は世界一素晴らしいと私は思っている。
ひとつひとつの食べ物に対して「これ」という器がある。
開けるのが楽しみ!!
現れた、造形美。
蕎麦を練って盛っただけのものがどうしてこんなにも美しいのだろう。
むわ〜としたたくましさと甘さが入り交じる香り。
食感はむっちりネトーとして
昨今はやりの感じとは無関係の、いかにも田舎らしいそばがきだ。
香りも味わいもガツンと濃厚。
ああ いいなあ
そうそう、そばがきってこんな感じだよなあ・・・ヽ(*´∀`*)ノ
「かざぐるま三昧」
3種のうち、まずは2種が一緒に盛られてくるスタイル。
「せいろそば」と「田舎そば」。
葉っぱのお皿がすんごい可愛いんですけど〜〜(≧∇≦)
お皿まで自家製!
「せいろそば」
ふわ〜と漂う、ちょっとウリにも似た青い野生+厚みのある香ばしさ。
食べた瞬間、んんーー!これはどこのお蕎麦??
長野っぽいけど長野っぽくないような?
と思ったら長野の茨城のブレンドだった。激しく納得(≧∇≦)/
端正な細切りの蕎麦はふわりと軽い食感で
蕎麦と蕎麦の間に香りが膨らむ感じを見つめ楽しむひととき。
「田舎そば」
荒々しい平打ちの姿からはいかにも香りそうな予感がしたが
意外と香りは穏やかだった。
しかし見つめると、香ばしさと甘い香りを静かにたたえている。
食感は平打ちだけに軽く、ひらりふわりと密度の薄い印象の肌。
そっと噛みしめると思いのほか力強い滋味深さがひろがる。
そして「かざぐるま三昧」最後の一枚。
この子だけは暴れん坊すぎて一緒に盛ることができなかったのでしょうか、
別盛りでやって参りました。
「荒挽そば」
そば」
いかにもムッチムチそうな極太打ちの蕎麦が
せいろの上に何とかおさめられた感じ。
たぐりあげるというよりは「持ち上げる」感じすらある太打ち蕎麦。
姿からも感じたが香りもやや熟成の感じで
しかし嫌味なく甘皮の黒い香ばしさと混じり合っている。
口に含むとやはりムッチムチで口中で暴れる感じがあり
それを押さえつけモグンモグンと嚙み締めるたびに甘みが深まる。
蕎麦汁はちょっと出汁の風味が個性的なのだが
とても美味しい。
普通は蕎麦汁が美味しいとお蕎麦が美味しく食べられるのだと思うが
例によって蕎麦を全部たべおわってから初めて蕎麦汁に手をつけた私は
美味しい蕎麦湯タイム。
この湯桶も店主夫妻の手作り。
蓋の形が可愛らしくほっこり蕎麦湯タイムにぴったり。
私は食べに食べ尽くしたが、店は相変わらず静か。
私が居たのはほんの短い間ではあったが
心に残るひとときだった。
店主の姿は見ていないが、時代にも周りにも流されず、
自分の打ちたい蕎麦を極め自然と生きる姿を垣間見た気がした。
「風車」という自然で可憐な店名も胸に響く。
「春のみ」という「天然山菜天ぷら」も
食べに来たいなぁ〜
2016年07月13日
2016年07月11日
茗荷谷「はるきや」
文京区という響きが何となく好きだ。
その上「小石川」。
「小石川の蕎麦屋」なんて映画に出てきそうな響きではないか。
文京区小石川、春日通り沿いのビルの地下にあるお蕎麦屋さん。
今日のお蕎麦は常陸秋そば♡
え・・なにーーっっ!!
なんだかその横にすんばらしいお知らせが!!!
「粗びき蕎麦」はじめたんですかっっ!?
限定10食なんですかっ?
たいへんだ早く行かなくちゃー!
慌てて階段を転げ落ちるとまず目に入る鮮やかな帯地のデコレーション。
無機質になりがちな地下の入り口でまずこんなふうに「魅せる」なんて
うまいデザインだなあー
店内も美しい。
なんといってもこの帯地がアクセント。
いかにも女性店主の店らしく、しかもそれが
潔さとあたたかみをもって表現されているのがとてもいい。
江戸切子のような可愛らしい照明と
石塀で縁どられた蕎麦打ちスペース。
デザインの楽しさに地下の店であることを忘れさせられる。
さて、外で見た例のアレ!
限定10食、福井在来種の「粗びき蕎麦」
まだあるって!
よかったぁ〜〜〜〜〜(>_<)♡
しかもなんとこの「粗びき蕎麦」は先週から始めたばかりらしく
私、なんてついてるのでしょう!!
「お昼の前菜3種盛り 400円」っていうのもすばらしいですよねえ〜
「本日のおすすめ」からも是非何かいきたいところ。
みんな美味しそうなのだがアニサキスアレルギー発症1年半目の私には
食べたいものほど食べられないというこの辛さ・・・(;o;)
でも桜海老なら大丈夫♡
本当はこういうぶっかけも大好物な私。
ぜ、ぜんぶ食べたい・・・
でもさっき「せいろ」と「粗びき蕎麦」を両方頼んだ時点で
店員さん軽くビックリしていたしさすがの私もこれ以上は無理だぁ〜(* ̄∇ ̄*)
「お昼の前菜3種盛り」
わあ〜 なんて嬉しい400円!!
お酒好きならこれだけでどんだけイケることでしょう(≧∇≦)
私も飲みたいけど飲める量が小鳥なので一人お酒は注文できず・・
鴨ロースは甘みも味わいもしっかり濃いめでいかにもお酒の肴向き。
湯葉も大好物なので嬉しい。
特筆すべきはこの「もずく」。
食べた瞬間「ナニこの美味しさは!!」と思ったら
店主が最近出会ったという石川県産の岩もずくであった。
すべての素材がいいらしく,シンプルな三杯酢のもずくがこんなにも美味しい。
いいものは違うものだなあー・・
と思っていたらもっとすごいものが出てきてしまった。
「サクラエビの天ぷら」
えええ
ちょ ちょっとこの天ぷらはなんだか只事ではないような・・・
ウッワー!!
うっっっわぁーーー!
恐ろしく、おいしい。
人生で一番美味しい桜海老の天ぷらかも・・・
衣がさっくり、からりふわりはらり。
油っぽさなどは皆無で、桜海老の香り高さとジワーッとした旨味が
衣の美味しさにくるまれてそれが口中で軽やかにほどける幸せ・・・
ちょっとこれだけの見事さは記憶にない。
聞けば以前から天ぷらの腕の向上を目指していた店主は
今年に入って某「天ぷら名手の蕎麦屋さん」に教えを乞い
そしてつい先日から天ぷら油も「ものすごく高級なもの」に思い切って切り替えたばかりだとか。
ヒェー!言われてみるとなるほどたしかにこれは油が素晴らしい。素材って恐ろしい。
しかしなんと言ってもそれをここまで最高の形に持っていった店主が凄すぎる。
この「サクラエビの天ぷら」に関して言えば
店主が志したことはもう完璧に達成されていると言っていい。
一口食べて感激したが,話を聞いてさらに感激してしまった。
「せいろ」
あああああ
私は本当に「蕎麦の景色」が大好きだ。
見つめるほどに私の心を澄ませてくれる枯山水の如き宇宙。
ムワァー!
低く押してくるような、これでもかとたくましい香り。
例えるなら大地のような水のような、最高レベルに力強いたくましさなのだが
香りに甘さがないので嫌味はなく突き抜けてたくましい感じ。
なんだか常陸秋らしからぬ常陸秋!
むっちりふっくら二八らしい豊かなコシがまず印象的だが
見つめるとその肌はなかなか個性的。
表面にごくごく細かな気泡があるような、ビスクドールの肌のようなこまかなざらつきがあり
むっちりすべすべしている。
香りに反して味わいは透明で
たくましい香りだけが長い余韻をもって広がり続ける。
おいしいなぁー
「粗びき蕎麦(10食限定)」
福井のお蕎麦が大好きな私としては否が応にも高まるときめき・・・
うううう美しい・・・・・
粗挽きの肌に陽炎のごとく揺らめく蕎麦粒子。
ゆったりとやさしく重なる輪郭線。
たぐりあげると、・・・お?
不思議なことに先程の常陸秋そばと非常に印象が似ている。
たしかにこちらの方が粗挽きなのだが
独特のビスクドールのような細かなざらつき感のある肌も
そして面白いことに香りまでもが先程の常陸秋と非常に似ているのだ。
強いて言えばすべての特徴がそのまま強まった感じ。
力強くたくましい水のような香りと透き通る味わい。
常陸秋だから福井だからということではなく
これが「はるきや」の蕎麦なのだ、と思う。
むっちりふっくら豊かなコシから生まれ続けるたくましい香りに染まるひととき。
ちなみに「はるきや」のお酒は
真澄、人気一、義侠、飛良泉などの限定品も揃えていて
生ビールはスーパープレミアム・エーデルピルス!
この夏は「小石川の蕎麦屋で一杯」、
いかがですか〜♪
2016年07月08日
栃木・日光市「甜蕎屋源平」
とにかく蕎麦への思いが熱過ぎる。
私のことではない。
まず店名からして熱い。
「甜蕎屋源平(てんきょうや・げんぺい)」。
「蕎麦は甘味と香りが勝負どころ」というところからつけられたらしい。
蕎麦の甘味と香りを賭けた源平の戦!?
店名も面白いがその蕎麦はもっと面白い。
店内は戦どころか明るく家庭的な雰囲気。
しかし見上げるとメニューは見慣れない漢字名だらけで難解を極める。
月輪蕎麦? 礎蕎麦? 金剛蕎麦??
それぞれの蕎麦の説明は大変専門的で長いので
できるだけわかりやすく手短にご紹介すると、
◯月輪(がちりん)蕎麦
一番粉、碾き割り粉、御膳粉、碾きぐるみという、
4種類の粉をブレンドした「超粗碾き10割蕎麦」。
◯十割蕎麦
蕎麦の殻を取り除いて『丸抜き』にしてから製粉。
甘皮から一番粉まで全てまざっている『碾きぐるみ』の十割蕎麦。15食限定。
◯粗碾き蕎麦
玄蕎麦を蕎麦殻付きのまま製粉、メッシュ30〜80番の粉を使用。
繋ぎを16%使用し、のど越し、歯ざわりを高めた蕎麦。
◯礎(いしずえ)蕎麦
玄蕎麦粉(2割)丸抜き蕎麦粉(8割)の配合で、外二で打たれた蕎麦。
ハァハァ・・・
説明している方が何がなんだかわからなくなっているのだから
読んでくださる方は半分逃げ出しているのではないかと思うが、
でも最後の「金剛(こんごう)蕎麦」の発想が面白すぎるので
もう少しだけお付き合いいただきたい。
◯金剛蕎麦(15食限定)
「月輪蕎麦 + 粗碾き蕎麦 =金剛蕎麦」
と書いてある。
え、2つの蕎麦の「混合」で、「金剛蕎麦」?
ダジャレだったの!? (* ̄∇ ̄*)
ネイミングにもビックリなのだがさらにスゴイのは「混合ってなに?」というところ。
皆様、ご覚悟ーーー!!
なんと「月輪蕎麦」と「粗碾き蕎麦」が「混ざって盛られて」くるのです!!
2種類の蕎麦が二山で盛られてくるのではないんですよ。
超粗挽き十割蕎麦と、つなぎ入り粗挽き蕎麦が
「混ぜられ絡み合って」盛られてくるのです!!
(お店ウェブサイトより)
この店に来るのは初めてではないが
何度聞いても新鮮にびっくりしてしまう斬新すぎるメニューである。
今あるのは
「月輪蕎麦」「十割蕎麦」「粗碾き蕎麦」「礎蕎麦」
の4種類らしいので今日は全部を心ゆくまで満喫しましょう♡♡
とウキウキ気分のところに、蕎麦犬的大問題発生。
う・・・ううううう〜〜〜
一応、店内にこういう張り紙はあるのですが〜・・・
向こうのテーブルでは現在2つの煙突?狼煙?が大変な勢いでモクモクしてまして
もうもうもう、私の鼻の中も脳の中も心の中までもタバコのにおい一色!
どうしよう〜・・。
愛する蕎麦の香りを嗅ぎたいあまり蕎麦が出てくるとその途端に
嗅覚がそれまでの100倍くらいになってしまい
店中の香りが鼻の中に入ってきてしまうという
蕎麦犬特異現象をどこでも展開している私としては
この店内の状態で蕎麦の香りがわかるか大変不安・・・
せっかく来たのになあ・・・(;_;)
「月輪蕎麦」
もはやこの器を持って店の外に二人(蕎麦と私)で駆け落ちしたい衝動にすら駆られるが
そうもいかないこのもどかしさ。
煙よ今だけ向こうに行っておくれ〜・・
まさに今。私の顔の周りはタバコの香りで満ちている。
しかし私は、心眼で、あなたを見つめる!
この蕎麦の香りをかぐ!!!!!
ふんっ
つるりとした肌の中に超粗碾きの粒が眠っているのが見てとれる、なんとも迫力ある姿。
もんんんのすごく美味しそうなのでものすごくい嬉しいのだが
とにかくとにかく集中するしかなない。
お蕎麦の香りよ香りさん、あなただけ、こっちにおいで〜〜・
・・・おお〜
なんだか、あまり体験したことのない
とても美しい白い野生の香りがする(気がする)。
超粗碾きの粒子をはらんだ肌はかなり硬めの質感で
噛みしめようとすると口中で暴れる感じがある。
本日の「月輪蕎麦」は越前の蕎麦だそう。
「十割蕎麦」
緑がかった美しい肌の色が嬉しい。
タバコのにおいがちょっと弱まってきているのはもっと嬉しい。
わあ〜い!わかりましたわかりました、
さっき「月輪蕎麦」で感じた香りはまさにこれ!やっぱりこれ!
今まで出会ったことのないさわやかで力強い野生の香り。
そしてこれは十割というのが信じられないほど
のびやかなまでのつるつるトゥルトゥルの食感だ。
輪郭線のはっきりした微粉のならめか肌が
揃って束になって口中を流麗にめぐるのを楽しむ。
こちらは「月輪蕎麦」と同じ越前の蕎麦粉。
ここで素晴らしいニュースです!!
煙突の火が完全に消されましたぁ〜〜万歳!!(≧∇≦)
まだ残り香はあるにせよ、心も鼻腔も澄ませて・・・
「粗碾き蕎麦」
うわ〜 打って変わって黒い肌。
無数に散りばめられたホシ、素朴な風情に満ちたこの景色。
姿の通りの黒く香ばしいストイックなかぐわしさ。
味わい、甘みはごくすっきりとしているので
香りだけが口中で生まれ続けるのが余計際立って感じられる。
殻付きのまま粗碾きしただけあって、ザックザクの硬い質感。
試しに(試しにって(^^;;))汁につけてみると
汁の香りを飛び越えるように香ばしさが濃厚に感じられ驚いた!
こちらは北海道の蕎麦。
「礎(いしずえ)蕎麦」
玄蕎麦粉(2割)丸抜き蕎麦粉(8割)の配合、外二で打たれた蕎麦。
今までで一番白っぽくすんなりして見えるが・・
ふわ〜と香る、いかにも北海道らしい強くシャープな野生。
口に含むと「十割蕎麦」以上にくっきりはっきり、かための輪郭線でつるつるの舌触り。
味わいはあっさりと澄んでいる。
蕎麦汁は結構甘めなのだが
蕎麦湯に溶くとぱあーっと出汁が香り立ち甘さを感じないから不思議!
私は蕎麦湯には蕎麦汁を入れずそのまま飲むのが好きなのだが
蕎麦汁を蕎麦湯に入れるとその蕎麦汁の本当の姿のようなものが見えてくるので
面白くて時々こうして飲んでみる。
でもそれがすごくおいしかったりすると
「蕎麦湯だけで飲みたい」けど「蕎麦汁を加えても飲みたい」と
煩悩でぐるぐるになって蕎麦後の至福のリラックスタイムであるはずの蕎麦湯時間が
大変落ち着かない時間になってしまうんですけどね・・(* ̄∇ ̄*)
今日は最初の2つのお蕎麦がモクモクのおかげで今ひとつわからなかったのが
本当に残念だったが、あとの2つは十分に楽しめてよかった。
蕎麦犬頑張った!
蕎麦の甘味と香りを賭けた源平の戦い・・・
私は本日大いに戦いましたよー!(意味違う)
う〜ん・・
喫煙者のお客さんのことを思うと難しいのだと思いますが
できれば禁煙にしてくれると
ものすごーーく嬉しいんだけどなあ〜・・・
2016年07月05日
大森町「もりいろ」
京浜急行「大森町」駅。
東京に住んでいても降りたことがある方は少ないかもしれない。
「え?そんな駅はじめて聞いた」なんて人もいるかもしれない。
しかーし、そんなことを言っている場合ではございません!
品川からたった13分。
その駅前と言っていい場所に、
こんっな超絶に素晴らしい名店があるんですから
行かなきゃ損!本当〜〜に損!!
私と一緒にぜひ行きましょう〜〜〜(≧∇≦)/
「大森町」駅の改札を出てすぐ。
商店街の入口のようなところにあるこんな印象的な建物。
エントランスも2階も、青々とやわらかそうな木々を抱いているかのよう。
お店というより素敵なお家みたい。
こんなところでおいしいお蕎麦を食べられるなんてうれしいなあー!
店内も、外観からの期待を裏切らない完璧な美しさ。
ゆったり居心地が良さそうなカウンター席。
どの席にも座ってみたい、なんて思う店は珍しい。
そして何より、
ここは出てくるものがなんでもかんでも本当にやたらめったら美味しいのだ。
メニューを見ただけでもわくわくするでしょう?
「クレソンのポテトサラダ」って!
「鴨ロースと九条ねぎの冷かけ」って!
「豚肩ロースのビール煮込み」って!
うううう 全部食べたい・・・
どれもつい飲みたくなるような美味しそうなものばかりなだけに
お酒の品揃えもだいじなところ。
ベルギービールも日本酒も、いいでしょう〜?
これはほんの一部♪
その他メニュー本には定番のお酒やおつまみのページがまだまだあり、
見開き全部がワインのページもあるんですよ〜♪
おつまみのところには「大豆」というカテゴリがあるのに感動。
どれも魅力的なものばかりでお腹が3つくらい欲しくなる。
しかもお蕎麦は
「産地、挽き方の違う二種類のお蕎麦」の「二種もり」
があるのです!
二種もり、私とっぴでお願いします!(死語)
それがなくなったらぜったいに泣くからぜったいにとっぴ!!
なぜ死語を連呼してまでお蕎麦の心配をしているかというと
名店は名店だけに大人気だから。
上の店内写真は帰りに撮ったもので、実際は開店直後から常にほぼ満員。
ゆっくり昼酒を楽しむ人、カウンターでさっと手繰って帰る人。
開店して一年余りだがいろいろな層に愛されてすでにすっかり町の人気店なのだ。
私は今日はゆっくり楽しみに来ちゃいましたよ〜
うふ♡
「新政 生成(エクリュ)」
「農家直送・北海道蘭越産アスパラの天ぷら」
蘭越と聞くと蘭越産の美味しい蕎麦を思い浮かべてしまうが
アスパラも素晴らしい香り高さ。
しっかり太くてホクホク香ばしい畑の恵み。
さっくりした薄衣も見事だ。
「汲み湯葉」
全体にやわらかとろとろではなく液体と皮の感じの王道の湯葉。
食感はキリッとしているが豆の旨みは濃厚。
生醤油もとてもいいものらしく湯葉の美味しさが倍増して感じられた。
金継ぎ文化が大好きな私は器にもシビレました〜
「そばがき」
きゃ〜〜〜
もうもう・・・なんといったらいいのやら・・
なんでしょうこの、
「あなたがおいしいのはもうわかりました」
という自信たっぷりな予感は!
すでに世界を手中にしてしまったかのようなしあわせ感!!
うれしすぎて・・・うっ
ふわぁー!!と思い切り濃厚に香る青いフレッシュな香り。
この香りの素晴らしさ濃厚さはうれしすぎる。
もっちりむっちりザラザラの粗挽き肌。
ふわっとエアリーなタイプではないので食べ応えがあるのだが
あまりにも美味しい旨みと甘みの濃さにあっという間に食べてしまう。
器もセンスがいいなあ〜 何もかも本当に素晴らしいお店だなあ〜
「塩豚と大豆の煮込み」
「煮肉愛好会会長(会員2名)」であり大豆好きの私としては
聞いただけでたまらないメニュー♡
まず大豆だけ食べてみるとソーセージのようながっつりした風味がしてドイツ料理の雰囲気。
しかし塩豚そのものを食べてみると和の感じ。
豆の煮込みなので全体の印象はラテンぽくもあり
これは楽しくていいおつまみだなあ〜
「豚肩ロースのビール煮込み」も気になる!!
ああ そして
私はあなたに出逢った。
「二種もり(一枚目)」
たっ
たまらなすぎるこの姿・・・
あなたはおいしい。まちがいなくおいしい!!
栃木・益子の鈴木さんの蕎麦。
ウワーン うれしいよう〜〜〜
ぷわぁー!
箸先から香りを寄せるまでもなく濃厚に漂う香ばしさにびっくり。
フレッシュ、さわやかというのではなく、
まったり甘くふっくら濃厚な穀物のかぐわしさ。
やや粗挽きの素朴な肌ながら角がくっきり感じられ一本一本が独立しているので
口に入れた瞬間は硬そうに感じるのだが嚙みしめると全く硬さはなく柔らかな見事なコシがある。
何よりこの蕎麦はびっくりするほど甘い。
ほぼ常温と言っていいほどほとんどしめてられていないため
余計に甘さがぎゅううぅうと強烈に感じられ
食べ進むほどにさらに甘さが深まっていく。
「二種もり(二枚目)」
こっ
これは〜
さらにすごいのがきちゃいましたよ・・・・
これだけおいしそうなオーラむんむんの太打ちには滅多にお目にかかれるものではない。
これは、さらに、絶対においしい!
わおーーーーん・・・・
おおおおおーーーーん・・・
感激余ってもう吠えるしかありません
なんという美しく深遠な世界!!
最初はね、一枚目の益子の香りが強烈すぎたので香りが弱く感じたのです。
しかし探るうち炭のようなストイックな香ばしさが感じられ
それがだんだん白く美しい粉の香りにふくらんで
次第にそればかりになって
もう もう 目が開かない恍惚宇宙・・・
粗挽きのざらざらするするした舌触り、ずっしりした太打ち。
嚙みしめるほどに白く美しい味わいが膨らみ
やさしい甘みはすーっと口中を染め
ああ〜〜 だいすき。おいしすぎてもうだめです・・・
さらにこの蕎麦が店主の修行先「小松庵」で私が溺愛していた
北海道・新得の蕎麦と聞き大いに驚かされる。
エーッ 新得からこんな個性を引き出すとは、全く違うイメージだ。
もう何が何だかヘナヘナのところに
大変なニュースが。
なんと今日はたまたまお蕎麦がもう一種類あるそうなのです!
たべますたべます是非いただきます!!
(昇太師匠の「不動坊」の「ください今ここにください!」って手を出すの思い出しちゃった(≧∇≦))
「三枚目(埼玉・三芳)」
( °o°)
ナンデスカこの目が覚めるような美しすぎる緑色はぁ〜!?
あまりにも緑色に写りすぎて色調補正しないと不自然だったほどの鮮やかな緑色。
しかも珍しいくらい繊細な細打ちだ。
これまたものすごいのが出てきちゃった(≧∇≦)♡
いやいやいや・・・
いくらなんでも青すぎます。美しすぎます。
どんな人が育ててどんなふうに製粉して打ったらこんな色に到達できるのかと思うほどの
最高レベルの美しい青緑色。
そして見入るほどにミニチュアのような極細打ちである。
極細なだけなら他にもあると思うがこの儚いまでの繊細さはなかなかない。
口に含むとくすぐったいほどのやさしいさざなみ。
食感は儚いが香りはたっぷりとゆたかな香ばしさが濃厚。
そしてこれもびっくりするほど甘い。さざなみから甘みがギューギュー出てくる。
1枚目もそうだったがこれもなかなか足が早いのでさっさと食べてしまう。
ああ〜 なくなっちゃうのがさみしい さようなら〜
ここは蕎麦汁もものすごくおいしい。
大変私好みでつい飲んでしまったほど!
甘さもちゃんとあるのに全体がすっきりと洗練されていて、
なにも飛び出していないところが素晴らしい。
私にとって蕎麦湯がお酒で蕎麦汁がおつまみ。
蕎麦湯ゴクリ、汁チロリの至福のひとときなのだが
汁が美味しすぎて今日はいっそうしあわせ。
開店からお客さんが途切れずずっとほぼ満員だった店内は
気がつけば一組のお客さんを残してゆったりした時間に切り替わっていた。
楽しすぎてすっかり長居しちゃったなあ〜
エントランスの木々のせいで緑の光が差し込む店内。
今のこの静寂は何よりの贅沢だが
思い返すと満員の時もこの店はまったく騒がしくなかった。
二人連れやグループのお客さんもそれぞれゆったり憩っている感じで
はあ〜客層ってあるものだなあと感心させられた。
こんなランチタイムは幸せすぎる!
でもでも、やっぱりお酒もおいしそうなのばかりあんなにあるし
夜ゆっくりしたいなあ〜
というわけで、
行かなきゃ損!本当〜〜に損!!
近々是非行きましょう〜〜(≧∇≦)/
2016年07月04日
栃木・日光市「野点庵」
降り出した雨から逃れるように私は走った。
杉木立が高くそびえているのではなく
私が杉木立の底にいるようだった。
6月の日光。
例幣使街道沿いにふいに現れる小さな看板。
「野点庵」はこの林の奥にある。
雨の中飛び込んできた私に、店の人がとても親切にしてくれる。
静寂。
お目当てはもちろん「もりそば」と「十割そば」♡
ここでは「そばがき」も絶対にはずせない。
ああお腹が蕎麦だらけ(≧∇≦)
「そばがき」
ぎゃあああああ
ナンデスカこの美味しそうさはぁ〜〜!
こっ これはマズイ、おいしすぎる!!(取り乱して意味不明)
(>_<)
(>_<)
なっ・・
なんという新鮮なかぐわしさ!!
ちょっとこれ以上は考えられない最高濃度の香りだ。
塩分、出汁を感じてしまうほどのぎゅうううと濃い香りなんてすごすぎる。
口に含むとざっくりした皮のようなものを感じ
そこからあふれる強烈な旨みにさらに目が覚める思い。
あたたかく、ふっくらざらもちっとして
あああああ おいしいよう〜
生きててよかったよう〜・・
(私につつかれ避けられ迫害され続けた小さい甘いおみそちゃんごめんね〜)
「もりそば」
おー?
この姿はもしや・・?
ピンポーン、意外にも!!
ピーナツゴマ系熟成の香りがむわぁ〜〜
しかし嫌味は全くなく、熟成の最高に美味しい形にうならされる。
輪郭線は粗挽きらしく素朴ないびつさで、肌がつるりとしているため
そのいかにも手打ちな姿を口内でたどる喜び。
食感はやさしいのだが噛み締めた奥に微かな硬さがあるので
かすかに暴れる感じが野趣にも思える。
うーん これだけの個性でこんなにも美味しいとは・・・・
「そばがき」も強烈に美味しかったけどこれもとんでもなく美味しい。
ああ〜ほんとに来てよかった・・・
「十割そば」
ウワー・・・
もう もう もう 素晴らしすぎますよ・・・
なんというかぐわしさ、香ばしさ。
黒く香ばしい香りと味わいの最高の形がここにある。
食感は見た目以上にものすごい粗挽きで
ザクザクじゃりじゃりを越えて歯にひっかかる感じすらあるが
それがまた楽しい、美味しい!
食感も見た目以上にしっかり固めで先程の「もりそば」よりさらに暴れる感じがあるが
不思議と食べづらさはなくとにかくとにかく香ばしさと味わいの濃さが素晴らしすぎる。
しあわせすぎる。
雨の音を聞きながら
たまらないかぐわしさに身も脳も染められて
おおお〜〜〜〜ん(遠吠え)
この地方の蕎麦屋でたまに感じるのだが「野点庵」の汁もちょっと面白い。
いわゆる一般的な関東の蕎麦汁より薄めに感じるのだが
鰹の風味はしっかりしていてしかも澄んでいて大変おいしい。
林の奥で私が出会った時間。
店を出て杉木立を抜けてしまえば
この時間は過去になる。
過去は胸の中でキラキラ輝いているけれど
私は忘れたくない大切なものを、
ブログという場所に並べているのだ。
そこからあふれる強烈な旨みにさらに目が覚める思い。
あたたかく、ふっくらざらもちっとして
あああああ おいしいよう〜
生きててよかったよう〜・・
(私につつかれ避けられ迫害され続けた小さい甘いおみそちゃんごめんね〜)
「もりそば」
おー?
この姿はもしや・・?
ピンポーン、意外にも!!
ピーナツゴマ系熟成の香りがむわぁ〜〜
しかし嫌味は全くなく、熟成の最高に美味しい形にうならされる。
輪郭線は粗挽きらしく素朴ないびつさで、肌がつるりとしているため
そのいかにも手打ちな姿を口内でたどる喜び。
食感はやさしいのだが噛み締めた奥に微かな硬さがあるので
かすかに暴れる感じが野趣にも思える。
うーん これだけの個性でこんなにも美味しいとは・・・・
「そばがき」も強烈に美味しかったけどこれもとんでもなく美味しい。
ああ〜ほんとに来てよかった・・・
「十割そば」
ウワー・・・
もう もう もう 素晴らしすぎますよ・・・
なんというかぐわしさ、香ばしさ。
黒く香ばしい香りと味わいの最高の形がここにある。
食感は見た目以上にものすごい粗挽きで
ザクザクじゃりじゃりを越えて歯にひっかかる感じすらあるが
それがまた楽しい、美味しい!
食感も見た目以上にしっかり固めで先程の「もりそば」よりさらに暴れる感じがあるが
不思議と食べづらさはなくとにかくとにかく香ばしさと味わいの濃さが素晴らしすぎる。
しあわせすぎる。
雨の音を聞きながら
たまらないかぐわしさに身も脳も染められて
おおお〜〜〜〜ん(遠吠え)
この地方の蕎麦屋でたまに感じるのだが「野点庵」の汁もちょっと面白い。
いわゆる一般的な関東の蕎麦汁より薄めに感じるのだが
鰹の風味はしっかりしていてしかも澄んでいて大変おいしい。
林の奥で私が出会った時間。
店を出て杉木立を抜けてしまえば
この時間は過去になる。
過去は胸の中でキラキラ輝いているけれど
私は忘れたくない大切なものを、
ブログという場所に並べているのだ。
2016年07月02日
長野・上田「十割そば処 福田」
田んぼとお山の夏景色。
そのまんなかに、「そば処」の幟が小さく元気よくはためいている。
水車のまわるお蕎麦屋さん、「十割そば処 福田」。
くるくる回る水車の眺めと絶え間ない水の音。
このまま店に入らずしばらくここに居たくなる・・・
しかしそうはいかない事情がある。
初めて来た時も驚いたが、道から外れたこんな田んぼの奥にあるというのに
この店は驚くほど混んでいるのだ。
なんとなく気忙しく店に入ると今日もほぼ満員!
すごいなあ〜、美味しいものを作れば
どんな辺鄙なところでもお客さんはこんなに集まるものなんだなあ〜
お茶はセルフサービスで飲めるようになっている。
こちらのお店には不思議なルール?があり
メニュー写真だけは撮影禁止。
なぜメニューだけ?と不思議になるが
体裁も内容も特に変わったところはない普通のメニューだ。
「もりそば、天ぷら付もり、あたたかい天ぷらそば、かけそば、きつねそば、
天丼、ドライカレー、冷奴、焼き油揚、焼き厚揚」
などなどがわかりやすく一枚の紙に書かれて各テーブルにある。
でもこちらは持ち帰り用の小さなカードなので撮ってもいいですよね?
すごいでしょう、青木村産タチアカネの十割!
こういう郷土性はうれしいなあ〜
「焼き油揚」
「焼き厚揚」と迷ったが「焼き油揚」にしてみた。
カラリ軽くてとても美味しい。
「もり」
キュウリの甘いわさび漬けと、薬味はネギと大根おろし。
野菜と蕎麦の眺めが長野らしい。
「もりそば」
ふわ〜〜〜!!と高く軽やかに香るさわやかな野生。
そこまでいわゆる信州の品種らしい感じがしたが
食べるといきなり透明な穀物感に満ちている。
味はみずみずしく透明でまろやか。
タチアカネというあまり出会えない品種だけに新鮮な気持ちで味わう。
食感も個性的でプツンと切れる感じでやや短めのお蕎麦が多い。
地産地消、すぐ近所で育てられた穀物を田んぼの真ん中のお店で食べる贅沢。
ああ〜 うれしいなあ〜
ここは汁も個性的。
ちょっとなめてみるとなんとも枯れた風情のやや変わった印象の汁なのだが
試しに(試しにって(^^;;))蕎麦につけてみると何の違和感もなく
すんなりまろやかに美味しいので驚かされる。
コンビネーションの妙技!
店内奥には製粉コーナー&アンティーク販売?コーナーも。
店を出るとむわっと夏の濃い緑の香り。
今この瞬間にもはじけ花開きそうな桔梗のお姫様にも出会った。
今日出会えたのは偶然じゃない。
景色も、花もお蕎麦も。
毎日違う姿だからこそ貴いと、私は思うのだ。
2016年07月01日
京都・四条烏丸「円屋」
いつもお蕎麦屋さんに行く時は私が行きたいお店に突進する形で
一人だったりいろんな方々を巻き込んだりして行くわけですが
今回は珍しいパターン。
京都のど真ん中、四条烏丸に住んでいる私の大好きな「家族」が
ご近所のこんなお店に連れて行ってくれました〜
炭焼と手打ち蕎麦の店「円屋(えんや)」。
位置的にはは四条烏丸の交差点から本当にすぐなんです。
しかしものすごーくややこしい路地の奥の奥にあり、
しかもその途中にちょっと似た店名のお店がいくつもあり
何が何だが分からないうちに連れてきてもらっちゃいました(^^)
「手打そば」は限定15食!
え〜〜〜そんな、残酷な! まだあるのかな、しんぱいすぎる(>_<)
店に入ると一階はカウンターのみ。
「いらっしゃいませぇーーえっ!!」と元気な声で迎えられ
予約してくれていた三階に通される。
階段が細くて急で長いのがさすが京都。
一階から三階まで一気につながっている。
お料理を持って昇り降りする店員さんはさぞ大変だろう。
メニューは炭焼を中心に、
おでん、ポテサラ、チヂミ、オムレツまでなんでもある〜
「限定15食」の「手打そば」まだあるって!
よかったー☆
予約でいろんなコースもあり・・
わ〜お酒も私ががすきなのが多くて嬉しい♪
でもやっぱり一番気になるのは別紙の「本日のおすすめ」ですよね〜〜
今日はいっぱい食べるイケメンが二人もいるし(兄弟にも見えちゃう親子♡)
いっぱい頼んじゃいましょう〜
まずは「おから」。
中学生とは思えない渋いチョイス。
(彼ってばとってもセンスが良いのです(^o^))
甘めの味付けで大人気、売れる売れる♪
「ポテトサラダ」
ここのポテサラはゴボウをはじめいろんな野菜が入っていて濃厚クリーミー、
こちらも大好評、大人気!
「牛すじ煮込み」
これは「煮肉愛好会会長」である私のリクエスト(現在会員2名)。
ここの全体にすっきりとして赤コンが京都らしく
ネギが効いてて滅法おいしい。
「ホタルイカ(富山湾)」
うっ 大好物のホタルイカ・・・
アニサキスアレルギー二年目の私はジッと我慢の子ですが・・
おいしそうだなあ〜〜
いつか絶対アレルギー克服して食べるぞぉぉぉ
そして巨大なUFOがテーブルに着陸しました。
ドッカーン!!
「炭焼盛り合わせ」
すごい・・・
お魚を食べ過ぎてアニサキスアレルギーになったほど魚好きだった私は
(焼いた)お肉についてはかなり無知で、現在まだまだ学習中、興味津々。
タン、シロ、ツラミ、ハラミ、生麩、つくね。
シロ、ツラミ、タンがおいしかったー♡
それにしてもここは器が凄い。
どれも作家物のような大胆で重厚なコレクションなのだが
とにかく大きい!重い!立派!
これを料理を盛って毎日あのものすごい階段を昇り降りする店員さん・・・
ほとんど曲芸技だと思います・・
最後の「蕎麦前」は
円屋名物「焼きしゃぶ韓国風サラダ」。
名前はサラダ、なんですけどこれまたボリュームが・・
どどーん
この器によくぞこんなにと関心するほどの大盛り、物凄い標高を誇っておりました。
甘辛に焼いた豚肉にマヨたっぷし。
(この「マヨたっぷし」というのは
中学生の頃大好きだった東海林さだお氏の本で見た懐かしいフレーズ(^^))
これが650円なのだからさらに凄い。
ひとつひとつのメニューが予想以上のボリュームだったため
みんなかなりお腹いっぱいになってきてしまっていたのだが
お蕎麦はもちろんいきます( •̀ .̫ •́ )✧
しっかり4人分注文してあったので「2人前ずつ2皿」くるとのこと。
わわわわわ
お蕎麦の量もすごい!
写真じゃ伝わらないでしょうか〜
ほら・・・ね!
大きなお皿に穏やかに広がる、優しく繊細なさざなみ。
いかにも北海道の蕎麦らしい爽やかでやや強い野生と二八らしい甘い香りが混じり合い
ほわ〜と濃厚に漂っている。
細い平打ちゆえ食感はごくやさしく、飲んだ後でもお腹いっぱいでもいけてしまう。
味わいも濃厚で、しかもそれが食べ進むにつれどんどん濃くなっていって
最後にはい草にも似た濃厚な香り,野生を楽しませてくれた。
汁はなかなか個性的で京都には珍しく相当濃い。
甘めだし出汁も強い。
なのに、なんだかかんだかとってもおいしい。
私の大好きな「さっちゃん」は料理上手&美味しいもの好きで
しかもものすごーくセンスがいい方なんですが
そのさっちゃんも美味しいと太鼓判でした〜
京都は素敵な店、高級な店、観光向けの楽しい店はたくさんあるけれど
気軽にワイワイやれるお店が少ない・・と勝手に思っていたのだが
(私が観光客だからかもしれませんが)、
うーん 京都のど真ん中にこんなお店があったとは。
今日はさすが地元のファミリーにいいお店教えてもらっちゃった!
1階に降りるとカウンターの中にいた店員さんが
「ありがとうございましたぁ〜〜〜!!」
とビックリするくらいの大音声で元気に送ってくれる。
そのニッカーーー!!という笑顔のパワーはちょっと珍しいくらいのもので
ついこちらも楽しい気持ちになりゲラゲラ笑いながら店を出てきた。
楽しい気分を全身にまといながら、みんなで夜の京都をちょっとお散歩。
地元の人しか知らないような隠れ名所をいろいろ教えてもらう。
私はあまりにもしあわせで、この家族が大好きすぎて、
この気持をどうしたらいいんだろう・・?と思いながら
ただ相槌を打って歩いていた。
甘めの味付けで大人気、売れる売れる♪
「ポテトサラダ」
ここのポテサラはゴボウをはじめいろんな野菜が入っていて濃厚クリーミー、
こちらも大好評、大人気!
「牛すじ煮込み」
これは「煮肉愛好会会長」である私のリクエスト(現在会員2名)。
ここの全体にすっきりとして赤コンが京都らしく
ネギが効いてて滅法おいしい。
「ホタルイカ(富山湾)」
うっ 大好物のホタルイカ・・・
アニサキスアレルギー二年目の私はジッと我慢の子ですが・・
おいしそうだなあ〜〜
いつか絶対アレルギー克服して食べるぞぉぉぉ
そして巨大なUFOがテーブルに着陸しました。
ドッカーン!!
「炭焼盛り合わせ」
すごい・・・
お魚を食べ過ぎてアニサキスアレルギーになったほど魚好きだった私は
(焼いた)お肉についてはかなり無知で、現在まだまだ学習中、興味津々。
タン、シロ、ツラミ、ハラミ、生麩、つくね。
シロ、ツラミ、タンがおいしかったー♡
それにしてもここは器が凄い。
どれも作家物のような大胆で重厚なコレクションなのだが
とにかく大きい!重い!立派!
これを料理を盛って毎日あのものすごい階段を昇り降りする店員さん・・・
ほとんど曲芸技だと思います・・
最後の「蕎麦前」は
円屋名物「焼きしゃぶ韓国風サラダ」。
名前はサラダ、なんですけどこれまたボリュームが・・
どどーん
この器によくぞこんなにと関心するほどの大盛り、物凄い標高を誇っておりました。
甘辛に焼いた豚肉にマヨたっぷし。
(この「マヨたっぷし」というのは
中学生の頃大好きだった東海林さだお氏の本で見た懐かしいフレーズ(^^))
これが650円なのだからさらに凄い。
ひとつひとつのメニューが予想以上のボリュームだったため
みんなかなりお腹いっぱいになってきてしまっていたのだが
お蕎麦はもちろんいきます( •̀ .̫ •́ )✧
しっかり4人分注文してあったので「2人前ずつ2皿」くるとのこと。
わわわわわ
お蕎麦の量もすごい!
写真じゃ伝わらないでしょうか〜
ほら・・・ね!
大きなお皿に穏やかに広がる、優しく繊細なさざなみ。
いかにも北海道の蕎麦らしい爽やかでやや強い野生と二八らしい甘い香りが混じり合い
ほわ〜と濃厚に漂っている。
細い平打ちゆえ食感はごくやさしく、飲んだ後でもお腹いっぱいでもいけてしまう。
味わいも濃厚で、しかもそれが食べ進むにつれどんどん濃くなっていって
最後にはい草にも似た濃厚な香り,野生を楽しませてくれた。
汁はなかなか個性的で京都には珍しく相当濃い。
甘めだし出汁も強い。
なのに、なんだかかんだかとってもおいしい。
私の大好きな「さっちゃん」は料理上手&美味しいもの好きで
しかもものすごーくセンスがいい方なんですが
そのさっちゃんも美味しいと太鼓判でした〜
京都は素敵な店、高級な店、観光向けの楽しい店はたくさんあるけれど
気軽にワイワイやれるお店が少ない・・と勝手に思っていたのだが
(私が観光客だからかもしれませんが)、
うーん 京都のど真ん中にこんなお店があったとは。
今日はさすが地元のファミリーにいいお店教えてもらっちゃった!
1階に降りるとカウンターの中にいた店員さんが
「ありがとうございましたぁ〜〜〜!!」
とビックリするくらいの大音声で元気に送ってくれる。
そのニッカーーー!!という笑顔のパワーはちょっと珍しいくらいのもので
ついこちらも楽しい気持ちになりゲラゲラ笑いながら店を出てきた。
楽しい気分を全身にまといながら、みんなで夜の京都をちょっとお散歩。
地元の人しか知らないような隠れ名所をいろいろ教えてもらう。
私はあまりにもしあわせで、この家族が大好きすぎて、
この気持をどうしたらいいんだろう・・?と思いながら
ただ相槌を打って歩いていた。