2015年07月24日

群馬・伊勢崎「そばきり酒房 すだ金」


日暮れ時の「すだ金」。


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遠目には質素、近づくほどに趣き深いという、

「日本の美意識」を感じさせる外観。

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畳敷きの玄関は個人宅改造の高級料亭のよう。
変わらぬ雰囲気にホッとする。
久しぶりだなあ〜もう何年ぶりになるのだろう!

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玄関にすでにこんな表示がありわくわくする。
おいしそう〜!
目も決断も早い私はもう食べたいものが決まってしまう。

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玄関の奥には蕎麦打ち場があり、そのまま店内に続く。

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店内は座敷席、カウンター席とそれぞれの部屋に分かれている。
廊下も畳敷きでよい雰囲気。

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今日はカウンター席に通された。
というより私はこのカウンター席にしか来たことがない。
すごいお酒のコレクション!

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先程玄関に掲げて合った以外にも美味しそうな「今夜のおすすめ」がこんなに!


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えーっちょっと待ってよ決心が揺らぐではないか。
「酒量だけは小鳥」の癖に美味しそうな海の幸に出会うと
「急性ものすごく飲みたい病」に罹る私・・

ううう・・うううううう・・・

てなわけで

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だぁーいすきな〆張鶴♡
入り口はすぅーっと水のように澄んで、アレこれじゃ物足りないかなと思いきや
突如旨味がひろくパァ〜ッと水面のようにひろがるひろがる〜
やっぱり〆張だいすき!

「お通し」
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「富山湾内産ホタルイカの酢味噌」
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見ただけで美味しいとわかるホタルイカ。
目も取ってあり盛り付けも美しく、一流の仕事がなされているのがわかる。
処理もしっかりしているので生臭さも全くなくとてもおいしい。
(この時はまだアニサキスアレルギーデビュー前だったのお魚好きなだけ食べてました〜♪)
酢味噌もおいしい。



「刺身の盛り合わせ」

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マグロ、カンパチ、鯛の昆布締め。
これまたホタルイカ同様の美しい仕事。
見るからに美味しそうで本当に美味しい。
特に鯛の昆布締めが素晴らしくて感激!


「蕎麦屋の前菜」
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「蕎麦いなり、合鴨ワイン蒸し、出し巻き卵、蓬麩味噌だれ、芹とささみ」

蕎麦屋の前菜というには立派すぎるが
料亭というにはカジュアルな感じが実にうれしいバランス。美しい眺めだ。
「蕎麦いなり」の中身はお蕎麦!
いなりの皮がふわっとしてべたつかずすごくおいしい。

「出し巻き」がまた、感激の美味しさ。
ジュワァーッとあふれる出汁。
鰹が軽やかに華やかに効いて最高に美味しい。
何より「甘くない」!!
こんなセットの中なのに湯気が立ってたいたし
のんびり食べていたら半分は冷めてしまったのだが冷めても大変美味しかった。
この美味しさにはびっくりして
思わず厨房の方向に「おいしいですねー!」と叫んでしまった。

「蓬麩味噌だれ」
こういう味噌だれは甘いので苦手なことが多いのだが
「すだ金」マジックかとても美味しく感じてしまう。
蓬麩の焼き具合がとてもよく、大好きな「焦げ味」が効いているせいかも♡



いろいろと美味しすぎてお酒がすすんでしまったではないですか!
どうしてくれましょう!(* ̄∇ ̄*)

「赤城山」
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これまた〆張鶴同様、入り口は澄んでいるのだが
これはその後ひろくひろがるのではなくきゅっと小さくコクがまとまる感じ。
こういうのもおいひいなあ〜〜


「せいろ(二八)」
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わー!これは・・
驚くべき超・極細切りである。

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写真ではわかりづらいのだがこれが本当に繊細な超極細なのである。
しかも見入れば見入るほど美しい、手打ちの風情に満ちた蕎麦。
(これがエッジパキパキでビシーッと切りそろえられていたら極細だけに機械みたいで嫌だろう)
まるでミニチュアの蕎麦を顕微鏡で覗き込むような気持ちで見惚れるひととき。

香りは墨のような渋い香りが軽やかにふわーっ。
食感はちょっと不思議でコシはないといえばないが
一本一本に独特のしっかりした硬さがあり、しかし超極細なので
食感として固いという印象はない。
ああ なんて美味しい・・ひんやり、極細の夢。



「限定十割蕎麦」
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こちらは黒塗りのせいろでちょっと格の高さを演出している。


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素朴ながらふっくら、美しい風情に満ちた細切り。
細かく震える粗挽きの輪郭線に私の心が震える。
香りは二八とそっくりで、墨のようなストイックな渋さが淡く静かに漂う。


蕎麦汁は味の中の下の部分を支えるものがごく軽く(昆布?)
上方向に華やかに鰹が香る感じが美味しい汁。
(いつもながら好き勝手な表現だが)



以前はとても美味しい天ぷらも食べたが
今回はそこまで手が(お腹が?)回らず残念・・


「すだ金」はやっぱり、昼間よりも夜がおすすめ!と思いま〜す♪

posted by aya at 11:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>群馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月13日

白金台「蕎麦 だるぶる」



その扉は、天空の城の入口なのかトトロの森に続くのか。

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はたまた時を超えアントニ・ガウディの書斎にでもつながりそうな外観は
何の建物だとしても大胆なまでに個性的であるのに
これが日本蕎麦屋だというのだからのけぞるしかない。

2015年7月1日、プラチナ通りに誕生した手打ち蕎麦屋「蕎麦 だるぶる」。


近づけば確かに日本蕎麦屋のお品書き。

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うはは 楽しいなあ〜、わくわくするーー!! (≧∇≦)



店内もなんとも不思議な、唯一無二の雰囲気。

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この場所がフランス料理店だった頃の大谷石の壁やカウンター、
そして壁の絵までもそのまま残したところに自由なセンスを感じる。


しかもこの日はフランス料理店のギャルソンの制服をバシッと着込み
胸に金のソムリエバッジを輝かせたスタッフが迎えてくれたから驚いた。
この日はたまたま上の人気バー「ダルブルズ・バー」のスタッフが
助っ人で一階に来ていたのだ。

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開け放した扉から入り込む、初夏の夕暮れの気配。



私は一日のうちで夕暮れ時というのが一番好きだ。
その数秒前の感情とは別の感情に突然連れて行かれるような、時空の隙間のような不思議な時間。
憧憬とか、宇宙とか郷愁とか。

そんな時間にこんな楽しい店に来て
懐かしい人が打った蕎麦やおつまみを食べる。
最初は奥沢の店、その後東山でも恵比寿でも出会った蕎麦。
私と蕎麦との間に流れる長くて短い時間を、夕暮れ時が一瞬で全部連れてきた気がした。




「季節のお浸し」
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お浸しから始められるお蕎麦屋さん大好き!
新鮮な三つ葉の青い香り、シャキシャキした歯応えに
味覚や体が澄んでこれから食べるものの吸収がますますよくなりそうな気持ちになる(^o^)
すっきり澄んだ出汁が美味しい〜



「油あげとルッコラのサラダ」
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本来は「油あげとクレソンのサラダ」だがこの日はルッコラで。
クレソンもルッコラも大好物なのでどっちでも嬉しい♪
油揚げが焼いてあるのがとてもいい。
ちょっと変わった香りの油揚げ?



「田舎風パテ」
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渋谷や恵比寿で大人気の「ビストロ・ダルブル」長年の定番メニュー。
こうして蕎麦屋で出会うのもなかなかいいもの。
日本酒にも合っちゃいそうだけど、やっぱりワインかな〜♪



「牛すじ煮」
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「煮肉」というマイナーなジャンルを偏愛する私としては外せない一品。
「だるぶる」の牛すじ煮は私好みのすっきり系♪



「トマトのあっさり漬」
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これが素晴らしいアイディアメニュー!
トマトの塩漬けなのだが、生姜と唐辛子をごくさりげなく効かせてあるところがニクイ。
舞うように散らしたシラスと芽ネギが綺麗だし、何より美味しい〜〜
これ大好き〜〜 家でも真似してみよう♡


「鴨焼き」
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鴨がネギ背負って・・ではなく鴨がネギに挟まれてやってきました(^o^)
ぎゅうっと肉厚の鴨焼き。



そして今厨房では、心ときめくアノ音が・・!!
カシャカシャカシャカシャーッ
(美味しいそばがきの秘訣は力強さとスピード感!)


「そばがき」
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おお〜
菊練り風と申しましょうか、中津川の栗きんとん風と申しましょうか、
きゅっと結んだ唇が素朴な印象の「そばがき」。


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もっちりふっくらした肌に浮かぶ無数の蕎麦粒子。
予想に反して香りは淡めだったが、ほわ〜とした湯気の中をさぐると
だんだんとひねたような強い野生の香りが現れてきた。
うーん北海道・・か長野か・・?と思い訊いてみると長野とのこと。
味わいも淡めだが食感はもっちり、ややねっとりと食べ応えあるそばがき。
でもひとりで全部食べちゃったー(^o^)


「せいろ」
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やっと出会えたこの眺め・・・
私は蕎麦の景色がどれほど好きなのだろう。
世界中に自慢したくなる「バスケットに盛られた濡れた穀物」のこれ以上ないほどシンプルな眺め。
この空間だからこそそのストイックな美しさが際立つというものだ。
特に蕎麦の盛り付けの理想とされる,「一本一本が踊るような」、
しなやかな曲線が遠目にも鮮やかで美しい。


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美しく切りそろえられた端正な輪郭線。
そばがきの時は感じなかったが、やや赤味、黄味の強い蕎麦である。
見た目では少し熟成感も感じたが味わいにそれはなく
そばがき同様長野らしい野性味が、
小麦の甘さにひきたてられてよりシャープに感じられる。
二八らしいしなやかさ、つるり、ややぺたぺたとした肌。

蕎麦汁は甘さの少ないくっきり濃いめ。
蕎麦湯は銅の湯桶で出てきた。
(銅の味の蕎麦湯!)

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気づけば店内では数組のお客さん達がそれぞれのこの店の時間を楽しんでいた。
一人蕎麦を手繰る女性、大谷石のカウンターでワインとおつまみを楽しむカップル。
場所柄お洒落な(しかも落ち着いた世代の)人が多いのか
店全体の雰囲気とも相まって日本蕎麦屋としてはどうにも稀有な眺めである。

若い人が始めた新しくピカピカモダンな日本蕎麦屋は増えているが
この店のようにレトロ&ノスタルジックな洋風で
お店の人もお客さんもお洒落なオトナたち、というのは
私には実に新鮮、不思議な体験だった。
なんだかパリ郊外の定食屋にでも迷い込んだような・・


夕暮れ時は去り、扉の外は初夏の夜。


ノスタルジックな夜の気配に誘われて・・・
このあとは、楽しい話にげらげら大笑いしながら
なんと恵比寿の「ビストロ・ダルブル」まで歩いてハシゴしちゃったのであった!



posted by aya at 22:22 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>港区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月12日

群馬・藪塚「蕎麦 貴石」


畑と家が混在するのどかな住宅街の奥に
舞台装置か映画のセットのような可愛らしい日本家屋が突然現れる。


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しかもその家は、家ごと箱に入っている!!

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お、おもしろい・・・
何がどうしてこうなっちゃったんだろう・・

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外観はユニークだが店内は純和風の立派な作り。

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玄関は古民家風で待合もありなかなかいいムードだ。

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さらにこの店のユニークなのは、店舗のイメージに反してガレットやブリヌイも食べられるところ。
ガレットはご存知フランスの蕎麦粉を使ったクレープ状のもの。
ブリヌイはロシアの薄めの食事パンケーキだ。

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セットメニューがいろいろ楽しいなあ〜


ガレットは甘いのもあるらしい。

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私はかつて、パリに滞在した合計3週間の間に食べたものの中で
一番美味しかったのは800円くらいの蕎麦ガレットだった経験がある。
蕎麦と意識していなくても蕎麦が焦げた香ばしさが
私の脳に三尺玉花火を打ち上げちゃうんですよね〜〜
いいレストランなどにも行ったのにどこまで蕎麦虫なのかと我ながら呆れたものだ。

というわけでここのガレットにも心惹かれたが
大変人気らしく残念ながらガレット類はすべて売り切れ。


では、いつもモードでいつもの大好きメニューを♪


「ふわふわの蕎麦掻き」
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うっわー これは期待以上においしそう!

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スーーーーーーッ・・・

と静謐にただよう、石のようなおちついたかぐわしさ。

微粉の超なめらかな肌はとぅるん、とろ〜んとくちびるにふれてきて、
「ふわふわ」との名前通り、口の中でとろふわっと溶ける。
もっちりとお箸にかなりくっついてしまうので食べるのがちょっと難しいが
これは大変に美味しいそばがき!!


そしてさらにここには反則メニューがあります。
要は「そんなの美味しいに決まってる!!ズルイ!」というメニューですね(^o^)



「おとうふせいろ蕎麦(冷)」
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「やわらかな豆腐に蕎麦をつけて」と説明にあるメニュー。

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豆腐と豆乳?でとろとろ〜とフルーチェくらいのゆるやかさ。
そのままで食べちゃっても美味しいし、
蕎麦汁を入れて蕎麦をつけるとさらにとんでもなくおいしい!
でもこんなにおいしくちゃあ、手打ち蕎麦じゃなくても
それこそパスタだっておいしくなっちゃいそう。
このゆるふわ豆腐、言ってしまえば私が家でしょっちゅう作っているものに
そっくりなんですがやっぱりヨソで食べるとおいしい〜〜(^^)

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パッキパキの輪郭線が流麗なつるつるの蕎麦。
これが、かなり個性的な香りがする。
オリーブオイルで焼いたチャパタのような?
油のような小麦のような芥子のような不思議な豊かな香り。
味も香りの延長で個性的で、表現は変なのだがてとてもおいしい。
別に油のような豊かな香りがするからってこのお蕎麦に油が入っているわけでは決してなく、
過去にはいろんな店で「天ぷらの衣の味がする蕎麦」とか面白い出会いがあったので
(それはかなり珍しい品種だったが)
これもこの蕎麦粉の特性なのだろう。

ただ、この品種もどこのお蕎麦か知りたくなり
パートさんらしいスタッフに訊いてみたのだが
この店でそんなことを訊く人は居ないのか驚かれてしまい
奥に訊きに行ったようなのだがはっきりした答えは聞けなかった・・
群馬?じゃないか?ということらしい。うははのどかだなあ。
メニューには
「国内産蕎麦100%、自家製粉の外一、九割蕎麦」
とあった。


この「おとうふせいろ蕎麦」には「温」バージョンもあり見た目は全く一緒。
「温」の方はおとうふに混ぜる蕎麦汁もあたたかくしてあり
あたたかいぶん全体にほんわり甘く感じる。
蕎麦入れるとほんわりほにょほにょにょほにょ〜〜・・
本当にこれは反則、犯罪的においしいメニューだなあ〜〜(^o^)




そばがきやお蕎麦を食べて
ますますここの蕎麦粉で作ったガレットやブリヌイが気になってきた私。


次回は開店と同時到着を目指さなくちゃ(^o^)


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posted by aya at 08:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>群馬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月10日

神奈川・横須賀市秋谷「秋谷亭 あらき」


なにしろたどり着くまでは相当難儀だ。

カーナビに頼ろうにもカーナビの限界を超えた立地らしく見当違いな場所に案内されてしまうし
GoogleMapで表示される方向に進もうとしても
「エッ ここ車入れるの?」というくらい狭い、住宅と住宅の間の小さな坂道の連続。

134号線からどこをどう入り迷っていたのか記憶にもないが
入り組んだ細い坂道を縫って進んだ住宅街の奥の奥のてっぺん、という印象のあたりに
突然現れた「秋谷亭 あらき」の眺め。

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なんて可愛らしい小さな世界!
普通の住宅そのままといえばそのままなのだが
随所に可愛らしい趣向が感じられひとつの「世界」になっている。
近隣は全てびっちり住宅でこんなところによくお店が、と思わずにはいられないが
大人気店につき3台の駐車場には車が次々やってきては入れ替わっている。


ランダムな水玉の暖簾がすごく効いてるなあー 可愛いな〜

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お庭にはテラス席もあるみたい。

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玄関付近はちょっと謎めいた手作りの雰囲気。
いかにも「竹やぶ」出身の店らしいエントランスだ。

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大きくて立派な猫足椅子やテーブルなど店内もいろいろと「竹やぶ」な感じだが、やはりここは秋谷。
のんびりと上品で空気はゆる〜い感じがいかにもこの地らしく居心地がいい。



壁には「竹やぶ」阿部さんの壁飾りも。
相変わらず突き抜けてるなあ〜!
よく見ると細部がとても可愛くて見入ってしまった。

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メニューの体裁もとてもよくて大いに気に入ってしまった。
耳付きの分厚い和紙(?)に手書き。

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きゃー「朝ごはん」なんてのもやってるんだ!♡

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土日祝の8:00~9:30。
いいなあ〜 これは是非来たい!



ウッ これも惹かれる・・・

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でもにしんそばは今は食べられないしな・・
(昨年アニサキスアレルギーデビュー,海水魚類全面絶賛禁止中)
やっぱり「せいろそば」「田舎そば」「そばがき」は全部がっつり食べたいし
単品でいきまーす(^o^)!


その前にこんなご馳走を・・・♡



「玉子焼き」
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うっはー♡
なんと豊かでしあわせな眺め!


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ふるふるふるえるやわらかなボリューム感。
ほんのり薄味、ほんのり甘めの玉子焼き。


そしてですよ・・
「秋谷亭 あらき」にはなんとそばがきが二種類もあるのです。
「そばがき」と「荒びきそばがき」・・・(>_<)

蕎麦2種類食べたいし玉子焼きも頼んでしまったので両方は無理、
てなわけで熱が出そうになるほど悩んでこちらに決めました!
私は荒く激しく生きるのさ!
どーーん!!

「荒びきそばがき」
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ギャーーー!
すすすすすごすぎる、どんだけ荒いんですか!!

畑の蕎麦の実そのまんま丸めたようなこの眺め。
ザラザラつぶつぶドロドロ〜〜〜と大粒の岩石が流れるような食感と
激しいまでに強い野生の香り。
面白いなあ〜 「荒びき」でないほうのそばがきも是非食べてみたい!




「田舎そば」
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おお〜
店の美意識を感じる堂々たる景色。
朱塗りの盆に漆黒が目に鮮やかだ。

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見るからにふるふると軽そうな、透明感のある太打ち。
陽に透ける肌に浮かぶ粗挽きの蕎麦粒子が実に美しい。
太打ちだが舌触りはふるんっふわんっとやさしく、
私が大好きな手作りのこんにゃくのようなざらつきとふるふる感がある。
噛み締めた弾力やコシの強さも手作りこんにゃくにちょっと似た感じ?
香りはこれまた独特の青い野生+白く美しく澄んだ香りで
いろんな意味で大変個性的な「田舎そば」だ。


「せいろそば」
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繊細にふるえる輪郭線のうつくしさ。
クリーミーな肌にかすかに浮かぶ蕎麦粒子。
蕎麦と蕎麦と間に吸い込まれるようにしばし見惚れるひととき。(傍目にはかなりおかしい)
さきほどの「田舎そば」のような個性的な野性味はなく、白く美しく澄んだ香りがほわ〜
微粉のなめらかな肌を噛みしめるとくにゅんと弾むようなやわらかなコシが迎えてくれる。

いろいろと個性的なこちらのお店は汁もかなりの個性派。
甘み少なくすっきりなのだが大胆なまでに濃い。
ああ〜〜またしてもお蕎麦はお蕎麦だけで食べちゃった〜〜
ごめんなさい〜〜


ちなみに「秋谷亭 あらき」には「秋谷そば」というメニューがありましては
どんなお蕎麦かな?と思ったら私にとって禁断の「ぶっかけそば」でありました!

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まあ別に禁断ではないんですが
「ぶっかけ(冷やしたぬき含む)」というものは私の超大好物でありながら
いつもせいろとか田舎とかそばがきで手一杯腹一杯なので
「大好きだけど全然食べられない憧れのお蕎麦」なんですよね〜〜(>_<)♡

「秋谷そば」はしらすが入っているのが漁港がすぐそばのこの店ならでは。
こんなの美味しいに決まってますよねーーー!!


店内の隅にはこんなケースもあり手作りのデザートも楽しめる。

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「秋谷亭 あらき」にいらっしゃる皆様は
是非134号線のこの小さな看板をお見逃しなく〜(^o^)


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posted by aya at 10:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関東の蕎麦>神奈川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月08日

宮城・秋保町「穣庵」


2015年3月。

あの伝説の蕎麦屋「たまき庵」が「穣庵」として新たなスタートを切った。

伝説ってどこらへんが伝説かというと
どうにもこうにも個性的すぎる店主が伝説的人物なわけだが
今回ついに、その伝説的店主から長男である息子さんに代替わりしたのである。
代替わりと言っても「たまき庵」時代から蕎麦はほとんど息子さん(新店主)が打っていたので
伝説の味はそのまま。

秋保の美しい空気も、緑も空もそのままである。


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またここに来ることのできた喜び。
もう何度目になるかわからないが、
ここに来る度私の心の高揚は完全に最高値を振り切っている。
言語もおかしくなっている。
(んだ!んでがす!合ってるかわからない土地言葉(^^))

思い入れのある店だけに「穣庵」としての新たなスタートは
私にとって嬉しくもあり少し寂しくもあり。
でも「たまき庵」の看板がないこと以外は何一つ変わらないように見えたので
ちょっとホッとする。

ところで、「穣庵」の看板はどこにあるのかな?

と思ったら、入り口まで行ってやっとみつけた。


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なんと暖簾に手刺繍のロゴ入り!
さりげないけど実に可愛らしい。
しかも後で知ったのだがこの手刺繍は那須「ほし」の奥さんの手によるものだった。
新店主は看板も暖簾も用意していないらしい、
と聞いて手芸名人の奥さんがプレゼントしたらしい。
そのエピソードすべてが「らしいなあ〜〜!!」と私の心を雲の上まで高い高いしてくれてしまう。



ウカレはしゃぎ暴れ狂う心を押さえつけて、
いよいよ店に入る。


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よかった、何も変わらない・・と思いきや、なんだか広々とスッキリした印象。
よく見ると机の数や小上がり部分を減らしたり、
たくさんあった「たまき庵」らしい賑やかな張り紙が外されている。
以前よりぐっとシンプルで、映画に出てくる山の食堂のような雰囲気だ。
(以前の店は個性が強すぎて映画に出てきたら話が全く頭に入らないと思う(^^;;)
 かつての様子はコチラ↓)
 http://ayakotakato.seesaa.net/article/406363112.html



メニューも絞り込まれてシンプルになっている。

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おお、これいいですね!
是非いきましょう〜〜

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私はここの前店主ほど
「おいしい食材を集めてくる」
「美味しいものをお客さんに食べさせる」
ことに集中している人物を未だかつて見たことがない。
それだけ、と言い切ってしまっていいほどあとのことは爆笑の連続である。
類稀な集中力というものは天才的な実力につながるもので
私は今までに幾度ここで出されたものの美味しさにぐでんぐでんに酔わされ
頭が床につきそうになったことか。

旬の山の恵みそのまんま、のこの一品。

「月山竹の炙り焼き」
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ホワホワ〜と湯気が立つ炙りたての月山竹。
香ばしい皮の匂いとパリッパリの新鮮な食感が最高!
しかしこんな山のご馳走に慣れてない都会モンのねえちゃんには
どのあたりから食べられるのか見極めるのが難しく
一度剥いた皮?をまた後から食べたりしてました(^^;;)



「わらびのお浸し」
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ここに来たらコレ(^o^)
店主自ら近所の山で採ってくることもあれば
信頼している山菜名人から取り寄せることもある見事なわらび。
しんなり柔らかいのにパリッとした新鮮さも感じられる食感。
お浸しと書いたが蕎麦汁にかえしを加え鷹の爪と一緒に漬けてあるそうなので
「かえし漬け」と言った方がいいのかも。
ピリ辛で美味しい〜




「田舎ざる(十割太打ち)」
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あああああ

うわあーーん うれしいよう〜〜〜
やっと会えたよう〜〜〜
おお〜〜ん おお〜〜ん
(ちなみに左上方にぼんやり映る影は、私の前で気ままなおしゃべりを続け
 私を爆笑させ続ける前店主の影?後光?である・・(^^;;))

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ふわぁーと軽やかに香る、フレッシュでさわやかな香り。
むっちりとした太打ちだがかみしめた食感はやさしく
味は思いのほか淡く軽い。
香りにも味わいにも甘さはなく、澄んだ粉の香りと味わいだけがすっきりと際立っている。
全てが軽やかで濃い要素が何も無いのだがなんだかやたらと美味しい。
見た目に反して、心が洗われるような美しい太打ち十割だ。



「せいろ」
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うっふん。
「せいろ」にはこの季節だけある「山菜の天ぷら」をつけてみました♪
天ぷらの量がすごい!山盛り!!

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写真では意外とおとなしめに見えますが
実際はこれでもかのてんこ盛り!!
厨房があまりに忙しいのでどれが何の山菜か訊くことも出来なかったが
掘っても掘っても終わらない宝の山のようなご馳走天ぷら。
月山竹は天ぷらにしても美味しい〜〜♡


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ああもうどうなってもいい・・・
端正な細切り。やや透明感のある、素朴な粗挽き肌。
窓からの山の陽射しが無数の蕎麦粒子を浮かびあがらせ
そのひと粒ひと粒が、私を誘惑、魅了する。
箸先からふわぁーっとただよう、先程の「田舎ざる」と同じかろやかな甘さのない香り。
口に入った瞬間はやや縮れたハガネのような硬い輪郭線を一瞬感じるのだが
食べるとまったく硬さはなくむしろやさしく、
味は田舎よりさらに澄んで淡い。


気がつけば店内はゆるやかにほぼ満員。

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ここは名勝秋保大滝すぐ近くの蕎麦屋ゆえ、
観光客も近所の人も私のような遠方からの蕎麦好きも
ごたまぜにわさわさやってくる大変に忙しい店なのだ。
天ざるにビールでくつろぐグループ客も居れば
お坊さんのように堂々たる姿勢で蕎麦だけを大量に食べている一人客も居る。



伝説の店主の店から
洗練されたセンスと実力を兼ね備えた新店主による
新しい「穣庵」へ。

ここだけの話、新店主は素朴で優しい気遣いにあふれた人ながら
ありえないほど二枚目でおしゃれな人でもあるので
一生懸命働く姿はそれこそ映画のワンシーンのようなのですよ・・
(キャー言っちゃった(≧ω≦)!東北はやっぱり美しいひとが多いですよね〜)


落ち着いたらまたあの宇宙一美味しい「プレミアムそばがき」やってくれないかなぁ・・
いくらなんでもあれは常識を超えて手間がかかりすぎてたらしいので
あの半分くらいの迫力のでもいいから・・・

という熱い期待をさらに温めつつ、

またすぐ行きますよ〜〜〜〜!




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2014年10月の「たまき庵」


posted by aya at 14:28 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東北の蕎麦>宮城 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする