2013年04月26日
「山下洋輔の猫ラシドレミファ♪」
燃える演奏とおちゃめすぎる猫連載のギャップがたまらない、山下洋輔氏の猫連載「猫ラシドレミファ♪」。
今回は猫写真特集ということなのですが光栄にも何故か私が出演してます。
確かに一緒に演奏して洋輔氏に「ケダモノ」の称号をいただきましたが(^^)
「山下洋輔の猫ラシドレミファ♪」
友人が連れてきてくれたフランソワーズ、お人形みたいに可愛かった〜♪
2013年04月23日
樫食堂
三月に訪れた秋田では蕎麦以外にも衝撃の出会いがあった。
インドカレーとチャパティが美味しい店があるからと
案内していただいたお店。
詳しい立地は定かではない。
ぼんやり景色に見惚れていたら着いてしまったが
集落からかなり離れた原野の中に建っていた気がする。
「樫食堂」
初めて見た印象はちょっと不思議だった。
簡素で質素な小屋は、今まで見たどんな木の小屋の印象とも違った。
どこか「和」の雰囲気もあり、フィンランドあたりの感じもあり
田舎らしいようで、スッと澄んだ清らかさを感じさせる、不思議な佇まい。
近づくと、こんな看板が迎えてくれる。
素敵な看板だなあー
ワクワクするなあー
古い引き戸を開けながら、この引き戸が和風を感じさせていたことに気付く。
昔の小学校みたいだ。
店内。
なんでもない洗練、とでも言おうか。
農業を営み、土と生きる夫婦が始めた農家食堂。
古いもの、新しいもの。
それぞれがばらばらのようで、
この「樫食堂」という宇宙の中に心地よく収まっている。
私はそこに流れる時間の全てにただ目を見張るばかりだった。
何もしていないようで、最上級の美しさがその世界に満ちていた。
素朴な人のあたたかさが、「なんでもない洗練」の美しさと一緒になって胸に残り
その気持ちは一週間程も続いた。
東京の自分の部屋に居てすら安らぎを覚えた。
とにかく、居心地がいい。
一週間も続く安らぎ、というのはそうあるものではない。
自家製の水餃子が美味しいと聞いていたので
カレーと迷っちゃうなー!と思っていたら今日は売り切れだった。
というわけで迷わず「チキンカレーセット」。
チキンカレー・チャパティ・ごはん・野菜料理2品・小さなデザート
自家栽培の野菜が美味しすぎる。
つぼみ菜って初めて食べたけど、肉厚で、香りも味もよく
これ、毎日食べたい!
実はかなりインドカレー好きの私。
わあ このカレーは美味しい!
インドや東南アジアに味の修行?に出かけたりもしているそうで
チャパティはもちろん手作り。
秋田の地粉の小麦粉・ネバリゴシ(ネーミング最高)と、
全粒粉をブレンドしているそうだ。
バラバラに食べてもいいけど
インド式に混ぜまくって食べるのも大変美味しい。
「粉もん」はつい肌を撮りたくなる私(^^)
お日様がでている時間はこんな「樫食堂」だが
店主は大のお酒好き。
日が沈むと「夜ふ樫(よふかし)」なんて
すごーく楽しそうなイベントも開催している。
高遠さん、ここでライブいかがですか?なんて言っていただいちゃった!
うれしいー(>_<)♪♪
いつか是非やりましょう!
2013年04月19日
長野・姫木平「利休庵」
3月某日。雪解けの白樺湖付近。
湖畔からも近い152号線沿いにある、
なんとも可愛らしい茅葺き屋根のお蕎麦屋さん。
「利休庵」は、あるメニューで有名な人気店だ。
どんなメニューかはあとでのお楽しみにして、
まずは入ってみましょうか〜
囲炉裏調のテーブルに石油ストーブ、パッチワークの椅子カバー。
ほっこりあたたまる雰囲気の店内。
片隅には漫画コーナーもある。
そしてなんといっても、
「本日のサービス品」というセルフサービスのおかずコーナーが素晴らしい。
「手作りえのき」
「野沢菜漬け」
「紅心大根と白かぶの甘酢漬け」
「利休庵」で食べられる野菜のほとんどは、自家栽培の有機野菜。
広大な自家農園(約4000坪!)において
農薬はもちろん化学肥料も一切使用しない、自然農法で栽培されているのだ。
そんな自家栽培野菜を「セルフサービスでどうぞ」なんて・・
ううっ そんなの、心温まっちゃいますよ・・・
その上お蕎麦は3種類もある。
「もり」
「十割そば」
「ダッタンそば」
この店で特筆すべきは「ダッタンそば」。
通常「ダッタンそば」と言えば中国産がほとんどなのだが
「利休庵」の「ダッタンそば」はなんと地元・長和町の地蕎麦。
農家の方々が町の名産品にしようと栽培を始めたという
「信濃霧山ダッタンそば」なのだ。
これは絶対にハズせないではないか。
でも三種類全部だとさすがに多いので
「十割そば」を一枚と、
「もり」「ダッタンそば」は「二色もり」にしてもらおう。
そして「十割そば」はかき揚げつきの「かき揚げ天ざる」にしてもらおう!
ちょっとちょっと、
なんで「量が多い」と言いつつ「かき揚げ」をつけるのかって・・?
それはこのかき揚げこそが、冒頭で紹介した
「利休庵の名物」だからです!
さあみんなでびっくりしましょう、
ドッカーーーン!!
やっちゃいましたね店主さん・・・!
どういう経緯でこの標高に至ったのかは知らないが、
ここまでやるか、の天突く高さである。
その高さ、およそ14cm!
海老、かぼちゃ、ごぼう、玉ねぎ、春菊。
がっつり食べ応えある「宝のタワー」、楽しすぎるー!!
「十割そば」
この私ですらつい「かき揚げ」の方に目がいってしまう眺め・・
浅間山と八ヶ岳の蕎麦粉のブレンドという「十割そば」。
香りや味わいは淡くさっぱりとして、
キンッと清冽に冷水でしめられた肌はムチッと密な固めの歯ごたえ。
これがまたかき揚げと一緒に汁につけて食べると
歯ざわりがやさしくなりこのすっきりした味がよく合って
ひじょ〜〜〜においしい。これはベストコンビネーションです!
「二色もり」
「もり」
見た目は十割よりやわらかそう、繊細そうでだいぶ違うのだが
不思議なことに食べた印象は酷似している。
すっきりさっぱりの味わい、固めの歯ごたえ。
しかしこちらは食べ進むうちに
いかにも二八らしい粉の甘い香りと味わいが濃厚になってくる。
面白いなあ〜
「ダッタンそば」
ダッタンそばは色が濃いものだが
これはまた驚くほど鮮やかな黄色である。
今までの2種とは違ってやさしく、どこかはかないようなコシ。
そして何より、ダッタンそば特有の苦みが少なく
滋味深い素朴な味わいがとてもおいしい。
ダッタンそばは苦いとか美味しくないというイメージを持っている人でも
このダッタンそばなら美味しいと思うんじゃないかな?
これは是非、農家の方々には頑張っていただいて
長和町の名産にしてほしいものだ。
中国産ではなく「信濃霧山ダッタンそば」なんて素晴らしいではないか!
血液サラサラの味方、ルチン80倍だしねっ(^o^)
ふと窓の外を見あげれば
日本の春の景色、「干し大根」が。
ああ いいなあ
和むなあ
と視線を下ろしてきたら、
ん?
この私の目の前の、もふーとしたものはなに?
わわわわ
全然気がつかなかった!そんなところにいたの〜〜♪?
た たまらない・・・
いっしょに眠ってしまいたい・・・
すっかりほにゃほにゃのところに、仕上げの蕎麦湯。
通常のものと、ダッタンのものと2種類出してきてくれた。
色の違いが凄い!
ダッタンの底にたまったところはまるっきり卵の黄身のように
濃い黄色のドロドロでびっくりしました〜
ああたのしかったー、とお店を出たら
さらなる出会いが待っていた。
一歩、二歩、三歩あるいて
ふと右を見ると
わーーーっっ
キミ さっきからそこにいた!?
キミはちょっと子犬さんだね!?
甲信越地方だけに甲斐犬の血も入っているんじゃないかい???
かかかかわいいっ・・・・(>_<)
日本犬好きの私にはたまらなすぎるかわいさ!!
「好きな犬を見ても騒がないこと」という家訓?を忘れ、つい騒いでしまい
「この人間・・なんじゃらほい?」
と首をかしげられてしまいました・・(^^;;)
奥の窓辺にはさっきのにゃん太郎もいて、
春風が きもちいいねー
2013年04月17日
浅草橋「御清水庵 宮川」利き蕎麦の会
「利き蕎麦の会」なるものに初めて参加することになった。
数種類のお蕎麦をただ食べ比べるだけではなく、
いわゆる「聞き香」や「利き茶」のように「どのお蕎麦かを当てる」というもの。
浅草橋で福井の蕎麦や食文化を楽しませてくれる「御清水庵 宮川」さん、
おもしろいことやるなあ〜
と言いつつ、ぼんやりな私は会場に行くまでは
「利き蕎麦の会というタイトルだけど、ただ何種類か食べるだけだよねっ楽しみ〜♪」
と大変のんきに構えていた。
ところが、席についたら早速、
19人の参加者全員にこんなものが配られてきたではないか!
ひょえー ホントにやるんだ!
なんだか学生時代のテストを思い出してキンチョー!!
しかもこの会、「高遠彩子さんをお迎えして」
なんていうサブタイトルがついちゃってまして・・
別に絶対当てなくちゃいけないわけではないとは言え
若干プレッシャーではないですか・・
まぁ深く考えず♪
とりあえずいっちゃいましょー!
かー ハートランドおいしいー! (≧∇≦)/
コップ半分でゆでダコ〜 ニヤニヤニヤ〜
店員さんが
「あーっ高遠さん、写真撮りわすれちゃいました・・!」
と慌ててました。
飲んで3分以内に撮影不可能なほどゆでダコになれる私って・・
「日本の伝統料理と酒肴」というメニューより、
「蕎麦味噌 きゅーり付き」
メニューに「在来種蕎麦の実がたっぷり」
とあるとおり、本当に蕎麦の実ザックザクの蕎麦味噌。
蕎麦の風味がしっかり感じられて嬉しい。
本日のおすすめが書かれた黒板メニューより
「蕎麦湯とうふ」
蕎麦湯の中の湯豆腐さん。
写真では大きさがわかりづらいがちいさな湯のみのような器に
きゅっと「お一人様ぶん」やってくる。
この小ささが見た目にかわいくお酒のつまみにちょうどよく、
300円という気軽さといい、これはナイスアイディアメニューだな〜
見た目にかわいく、と書いたが「御清水庵 宮川」店主の前職はグラフィック・デザイナー。
店内インテリアからメニューそのものまで、
独特の美意識を感じさせられるものが多くて楽しい。
その美意識を持って、食だけではなく様々な福井文化に出会わせてくれるのだ。
店名ロゴ入りの箸は、福井・鯖江市河和田町の漆塗り。
私のは店名部分の塗りが片方はげてしまっていたのだが
そこがまたカッコよくて気に入ってしまった。
「鴨ロースト ポン酢かけ」
ふっくら肉厚、旨味凝縮の鴨ロースト。
添えられたポン酢におろしが入っているのが
「越前おろし蕎麦」を看板メニューとするこの店らしい。
さていよいよ始まります!
全て生粉打ち(十割)で打たれた
福井の蕎麦原種 4種の食べ比べ「利き蕎麦の会」。
A 福井種 ちょい完熟
B 大野在来種 完熟
C 丸岡在来種 早刈り蕎麦
D 永平寺在来種 完熟
全て福井県産、しかも原種のみというところが
「御清水庵 宮川」ならではの貴重な企画。
ちなみに原種というのは、どこかから種を持ってきて栽培された種類ではなく、
古くから品種改良等をせずその地で大切に栽培され続けてきた種類のこと。
また「完熟」とかいうのは刈られた時の蕎麦の実の状態のことである。
さて、どのお蕎麦が、どのお蕎麦でしょう・・・?
ジャジャーン!
え あ
これは・・
この黒さは、相当ガッツリ外皮が入っておりますね・・
(蕎麦の実のいちばん外側にある黒い皮)
すっごくおいしそうだけど、外皮がこれだけ入っちゃうと
品種の違い、分かるかなあ、ますます自信ありません・・・
「1枚目」
ムッハー♪!!
案の定外皮のかぐわしさ爆発、なんていい香り!
口に含むとくっきりはっきりの輪郭線が、ピンピン直線的に弾けるよう。
中はモッチリ、甘みと味わいが全方向から、特に下から攻めてくるように強烈に濃厚で
もうめちゃらくちゃらにおいしい。おいしすぎる。
う〜〜〜ん、配られた紙を見るとこれは一番強烈そうなDの
「永平寺在来種」じゃないのかなあ〜
でもこのあとどんなのが来るか分からないし
どうしようどうしよう
紙を見ると余計アタマがぐちゃぐちゃになってくるから
ヨシ、もう紙を見るのはやめよう!ただおいしさに集中しよう!♪
・・と決心したここで、大事件発生。
いや、他の方にはまったく事件ではなく私だけの問題なのですが、
実は私、拙著「蕎麦こい日記」のまえがきにも書かせていただいたように
「蕎麦スイッチ」という機能がついていまして・・
お蕎麦が出てくると大好きなその香りを全部嗅ぎたいあまり突然嗅覚が普段の100倍位に、
それこそ「蕎麦犬」と呼ぶにふさわしいレベルになってしまい
それまで全く感じなかった周り中の香りを吸い込んでしまうのだ。
それが、このタイミングで何か「香り高きおつまみ」のオーダーが入ったようでして・・
今、私の嗅覚はおそらく
「越前カレイ焼き」「鯖 焼きへしこ」「イカ 焼きへしこ」
という福井名物のどれかの香りを100%キャッチし続けてしまい、
仕舞いには鼻腔全部が海産物に染められたかのようになってしまいましたっ (◎_◎;)
しかし周りのどなたに聞いても「全く気にならないけど、ちょっと感じるかな?」位のことなので
これは単に蕎麦犬だけの問題です、蕎麦犬がおかしいんです、
ガンバレ蕎麦犬!
「2枚目」
先程よりやや黒く、そしてやや細め。
そして香りは1枚目同様、濃厚な外皮のかぐわしさが素晴らしい!
しかし口に含んでみると1枚目より輪郭線はなめらかにまるく
やわらかめのコシから生まれる香ばしさが大変においしい。
甘みはあまりなく、それがかえって黒く渋い墨のような香ばしさを
すっきりと際立たせている。
見た目でも感じたが食感でも「細かな粗さ」を感じ、かすかなチクチク感がおいしい。
うう〜 これまたなんておいしいんだろう・・
「3枚目」
おっ 本日初めての平打ちです。
そして今日一番のつつましい渋い香りがたまらなくいい。
甘さやたくましさのない、穏やかな渋さ。
噛みしめるとふるんとした軽さとやさしいモッチリ感が共存していて
味わいは上品だがだんだん濃厚に、そして甘みもじわーと出てきた。
うーん和む・・おいしいなあ〜
蕎麦犬頑張ってます。いまだ攻め来る焼きカレイをかき分けかき分け、うっとり恍惚・・
「4枚目」
おおお〜 これまた濃厚に甘くたくましい、外皮のかぐわしさ。
つるつるずっしり噛みごたえがあり、味わいは意外とスッキリ。
しかし甘さは強烈に濃厚で、口の中が甘さでいっぱいになってくる。
穀物の甘みだけなのに、お蕎麦って本当にすごい。
〆の「越前おろし蕎麦」。
お蕎麦さんにはできるだけそのままの姿(もりそば)で出会いたい私ですが
越前の郷土蕎麦である「おろし蕎麦」、
悩ましいほど大好きなのです・・!
たっぷりのかつおぶしとネギ、そしておろし汁。
こんなの美味しいに決まってますよねー!
そしてこの蕎麦の甘みがまたすごい。
大根の甘みが引き出すのか、それともこの蕎麦だけは二八だからなのか、
おろしのさっぱり感の中で感じる、超濃厚な蕎麦の甘み・・
ああなんと悩ましき「越前おろし蕎麦」。
「御清水庵 宮川」は来る度に
「もりそばも食べたいけど看板メニューの越前おろし蕎麦も食べたい」、
本当に悩ましい店なのだ。
いよいよ最後の採点タイム。
用紙に書かれた説明と、自分が感じたこととを
照合するのが相当難しかったですが・・
なんとビックリなことに全問正解できてしまいましたー!
偶然19人中1人ということでさらにビックリ。
ほんまですか!?
「お蕎麦タダ券」という素晴らしい賞品もいただいてしまい
うわわわ うれしいなあー
タダ券使いに、また近々♪
*「御清水庵 宮川」では蕎麦会の他様々な企画が開催されています。
webサイトや店内張り紙で告知されていますので
興味のある方は是非〜
(タダ券を手に、店主の宮川さんと)
2012年2月の「御清水庵 宮川」
2011年6月の「御清水庵 宮川」
2013年04月15日
巣鴨「手打そば 菊谷」卯月の菊谷蕎麦会
移転開店後2年も経たぬというのに
「巣鴨の名店」として不動の風格を誇る「手打そば 菊谷」。
蕎麦の美味しさ。つまみの美味しさ。お酒の品揃え。
蕎麦好きにもお酒好きにも最高の雰囲気。
全てが揃った名店は、連日大盛況だ。
まだ若い店主は何事も「これでよし」とすることを知らず、
とにかく研究熱心、チャレンジ精神旺盛な行動派。
蕎麦の打ち方、挽き方への飽くなき工夫から、
蕎麦粉のブレンド、打った蕎麦の熟成まで
そのチャレンジのバリエーションは無限のようだ。
美味しい蕎麦への追求は栽培にも及び、
練馬や秩父で蕎麦栽培に取り組んできた店でもある。
その「菊谷」の蕎麦会。
一度行ってみたいと思っていたのでHPを覗いてみたら
偶然にもちょうど次回蕎麦会開催の告知がされたところだった。
これは行くべし!と早速申込む。
告知直後だったので予約できてよかった〜
「菊谷」から来たお知らせによると今回の蕎麦会は
「秩父産自家栽培手刈り天日干し&練馬産「野饗」自家栽培手刈り天日干しの会」。
長すぎてかなり難解だが、要は
・「菊谷」が秩父で育てたお蕎麦
・石神井公園の「野饗」が練馬で育てたお蕎麦
という2種の蕎麦を食べ比べる蕎麦会らしい。
会のシステムがまたユニークで
会 費
Aコース:6,000円(2時間、日本酒飲み放題)
Bコース:4,500円(日本酒3杯(1.5合)分込)
Cコース:3,500円(蕎麦、酒肴のみ)
となっている。
迷わず「蕎麦、酒肴のみ」の Cコースでお願いした私。
菊谷の酒肴がまたおいしいんだなあー!
他の参加者と向い合ってテーブルについているので
4人分一緒に盛られてきた酒肴。
お隣の素敵なカップルさんが綺麗に取り分けてくれました。
これ、私のぶん(^o^)♪
うふふふふ・・・(嬉しすぎてどうしても笑っちゃう)
左から
「利尻・香深浜産の天然昆布の佃煮」「きんぴらごぼう」
「チーズのかえし漬け」「東京・立川産のらぼう菜のおひたし」「さばの燻製」
どれも「菊谷」ではおなじみの名品ばかりで本当〜〜においしい。
同席のみなさんも口々に
「おいしいねえ〜おいし過ぎてもったいなくてちょっとずつしか食べられないね〜」
と言いながらチビチビチビチビ食べていました。
ここで、大ニュース発表。
今日はお蕎麦は告知されていた2種かと思っていたのだが
なんとその後に、産地のブレンドや熟成のお蕎麦が5種も出されることに!
ひゃーっ嬉しすぎる!!
1枚目「練馬産とよむすめ、H24SY、生粉打ち」
ちなみに「H24SY」というのは
「平成24年に収穫した蕎麦」の「菊谷」流の表記。
「SY」というのは「Soba Year」だそうです。
口に入れた瞬間「うまーーーーーーーっっ!」
と飛び上がりたくなった。
深い、渋い、土のような焙煎したような素晴らしい香り。
近年出会った記憶のない素っ晴らしい、個性的な香りである。
つるりとしながら手びねりの器のようないびつさを感じる肌といい、
口中でまとまってはみだれる束感といい、
もう何もかも最高過ぎる。わたしのメモは壊れすぎてほぼ判読不可能。
つるつる、するする、味わいはさっぱり甘さもさっぱり、
もう永遠にこの蕎麦と踊っていたい。酔っていたい。
店主によると、石神井公園の「野饗」店主が育てたこの蕎麦は
その畑での蕎麦栽培「初年度」の蕎麦だそう。
初めてその畑で蕎麦を育てた年の蕎麦は何故か必ず大変美味しいと聞いてはいたが
これがその「初年度の魔法」なのか?
とにかく、東京・練馬でこんな美味しいお蕎麦が生まれたことに
驚嘆せずにはいられない。万歳!
2枚目「秩父産、秩父在来・水府在来・常陸秋そばの交配種、H24SY、生粉打ち」
こちらは「菊谷」自家栽培の蕎麦。
写真では違いがわかりづらいがぐっと黒めの蕎麦である。
1枚目は「出会ったことのない素晴らしい香り」だったが
こちらは「よく知っている、最高に素晴らしい香り」。
ふっくらした穀物感、ぎゅうぎゅういくらでも出てくる甘み。
上からも下からもガッチリ濃厚に支えてくれるような味わいで
私がいっぱいになってしまう。なんという幸せ。
舌触りはするりとすべらかでやわらかくやさしいコシもすんばらしい。
よ〜〜く見つめると微かにねちっと感じ・・る前にするり消えていくお方。
うーーんニクイ、ニクイですよ!
「お漬物」
これがまた美しいだけでなく大変に美味しい。
これはテーブルで一緒盛りだったのですが
ついついパクパク食べてしまいました〜 コラ。
「蕎麦味噌、ふき味噌、わさび味噌、わさび漬け」
お酒なしのCコースにしちゃったけど
さすがにちょっと舐めたくなってくるではないですか・・
ウズウズしてきたのは私だけではなく、
お隣の同じく「お酒なしCコース」の方はついに追加で注文に至りました(^^)
わかります〜そのお気持ち!
「揚げそばがき」
見た目も最高に美味しそうだが
食べたら期待をはるかぶっとんで美味しくてビックリした「揚げそばがき」。
衣の何とも言えない香ばしさ、そばがきのホワホワむっちり感。
塩分はないのに濃厚な出汁のような旨みがあり、
甘みはないのにお菓子のような美味しさがある。
不思議!
あまりにも美味しいので厨房の方に聞いてしまったのだが
どうも作り方は至ってシンプルらしく「菊谷」の魔法としか言いようがない。
美味しいぃぃぃ〜〜
ここよりブレンド蕎麦になるので各蕎麦のタイトルは難解を極めますが、
私も全然わからないまま、ただ美味しがって食べていたので
深く考えずについていらしてください〜(^^)
3枚目 玄蕎麦粗挽きブレンド、二八蕎麦
「茨城県旧岩瀬町産、常陸秋そば、H24SY」
「栃木県益子町産、常陸秋そば、H24SY」
3枚目以降は大きな笊に「5人分一緒盛り」で来たので
仲良く分けあっていただきました。
ふわぁ〜とただよう香ばしさにまず酔わされる。
1,2枚目に比べて輪郭線はっきり、つるつるした肌の平打ち蕎麦。
この香ばしさ、滋味深さはゆっくり食べればもっともっと深まってきそうだなあ〜
とうっとりしていたらワワワワ、もう4枚目が来ちゃった!
4枚目 3枚目と同じ蕎麦、1日熟成
打ってから数日寝かせる熟成蕎麦の研究にも熱心な「菊谷」店主。
こちらは熟成らしい艶と赤みをまとった蕎麦である。
つるりとした食感は3枚目と同じだが、
こちらの味わいにはやはり香ばしさより熟成感を強く感じる。
といってもいやらしさはなく落ち着いた熟成感が楽しめる、
1日熟成の蕎麦だ。
5枚目 3,4枚目と同じ蕎麦を丸抜き粗挽きブレンドした二八蕎麦、三日熟成
こちらは3日熟成だけあってものすごい熟成感である。
甘さも味わいも猛烈に濃くなり、
ゴマとかトウモロコシとかにも似た香ばしさがいかにも熟成らしい。
見た目のとおりのぷるっとした食感で、同席の方々にも大好評!
6枚目 玄蕎麦粗挽きのブレンド蕎麦、外一蕎麦、一日熟成
「富山県山田清水産、在来種、H23SY」
「福島県柳津産、会津のかおり、H23SY」
玄蕎麦粗挽きだけあって肌に散る黒いホシが華やか。
熟成感よりも「まろやか」という印象の濃厚な香り。
つるりぷるりの食感。
お〜〜、食べているうちに熟成の味わいも引き出されてきましたよ〜
たぶんこの蕎麦が本日の一番人気、同席の皆さん大絶賛でした!
7枚目 水洗い玄そば粗挽きのブレンド、外一蕎麦、0度で四日熟成
四日も熟成? 0度? しかも水洗いって何?
いろいろハテナで頭がいっぱいになるが、
とにかく店主独自のアイディア、チャレンジで玄蕎麦の段階で一度水洗いをし
木綿の上で天地返ししつつ乾かしてみたそう。
(いろんな意味で「清める」狙いなのかな?)
そして打った後、通常の保管よりも低い0度で4日間熟成された蕎麦である。
すると、ワ〜面白い、なんだか「美しさ」のある熟成の香りになっております。
美しい香ばしさの内側にある熟成の香りと味わい。
年々熟成よりも「フレッシュな若い子好き」になっているオッサンな高遠だけに
この美しさは新鮮!
美しい中年さんってなかなか居ないだけに貴重ではありませんか〜(^^)
これだけの蕎麦が茹でられただけに
蕎麦湯の濃さにもびっくり。
何も足さない「釜湯」の状態でこの濃さである。
おいしかったー
「菊谷」には何度も来ていても「蕎麦会」は初めてだった今回。
初対面の方々とテーブルにぎゅっと相席して
ひとつの器や笊から分けあったりするだけに
結構ドキドキしつつの参加でした。
でも参加者の皆さんが本当に素敵な方ばかりでびっくり!
楽しくて楽しくて、初参加のくせにくつろぎまくってしまいました。
参加者の皆さんは「菊谷」に何度か来て雰囲気がわかっている方ばかりだったので
これは「菊谷」の人徳ならぬ「店徳」に他ならない、なーんて思った私。
いい店には、いい客が集まるのだ。
いいお酒も集まっておりましたよー!
(Aコースの方々のお酒♪)
2013年04月13日
フルーツトマト
大好きな方からの贈り物・・
大好物のフルーツトマト!
うれしい〜〜
りんごに、いちごに、フルーツトマト、
なんだか私が好きなものは赤いものばかりだな
さっそく丸かぶりでひとつ。
そのあとは紫蘇とクレソンとサラダにして
(器はMiluqueベーシストSeigoくんの結婚式でいただいたお気に入り♪)
上にパラパラ「麻薬」をかけて・・・
蕎麦茶 ♪ (≧∇≦)♪
蕎麦が入っていればお茶でもパンでもなんでも好きすぎて
「蕎麦と名のつくもの自宅に持ち込み禁止令」を発布している私。
(蕎麦食べ過ぎによる栄養の偏り防止のため)
でも先日蕎麦茶、いただいてしまいまして・・
いただいたものは活用しないと、というわけでして・・・
これがやっぱり危険な美味しさ!!
このブログでも一度ご紹介しましたが
本当に、蕎麦茶かけると何でも美味しくなっちゃうんです。
香ばしくて最高、おすすめですよ〜
でもこのトマトは、トマトそのものがものすごく美味しいので
やっぱりそのまま食べようか・・
揺れるなあー(^^)
2013年04月12日
秋田・仙北市田沢湖「そば五郎」
<秋田・仙北市 蕎麦の旅その7>
楽しくも超濃厚だった仙北蕎麦の旅もいよいよ終わり。
蕎麦以外にもいろいろと素敵な出会いがあり(後日ご紹介いたします(^^))
最終日の夕刻、「田沢湖」駅から「スーパーこまち」に乗って東京へ帰ることになった。
初めてやってきた「田沢湖」駅。
駅舎は美術館か何かのように立派なガラス張りで、
駅前は公園のように広々としている。
店らしい店も見当たらず・・・
あ あれはなにかな?
駅の前庭(?)をはさんで真正面に建つ、
おみやげ物産館「田沢湖市(いち)」。
しかもなんだか見逃せない幟があるではないですか。
「田沢湖地蕎麦」
「十割そば処 そば五郎」
手打ちとは書いていないから機械かなぁとは思うけど、
今じゃすっかり仙北愛溢れる私としては見逃せないですよ、
「田沢湖地蕎麦」!
店内は地元名物、秋田名物がズラリと並んで賑やかな雰囲気。
こんなところにお蕎麦屋さんがあるのかなあ・・
あった(^o^)
じゃあせっかくだしちょっと入ってみるべ、
駅蕎麦みたいな感じかな?
・・と入ってびっくりこの雰囲気。
ええーー?
えええーーー!?
いかにもありがちな「なんちゃってレトロ調インテリア」などではなく、
本物だけが持つ静かな迫力。
突然の展開に面食らう私であったが、実はこの物産館の建物は
鎧畑地区(玉川温泉に行く途中)の「浦山家」が
まるごと移築されたものなのであった。
特に「そば五郎」の店内部分は
襖絵や違い棚など細部まで当時の姿がそのまま再現され
旧家のずっしりとした趣が感じられる。
駅前のおみやげ物産館の中でこの雰囲気。
斬新すぎて素晴らしすぎてむしろ笑えてくるほど。
物産館の中の蕎麦屋でこれをやりますか!
すごいなあー あーびっくりした(^o^)
ってなわけで
「地鶏せいろ」
ピカピカ輝く肌に浮かぶ細かなホシ。
やはり手打ちではないようだが平打ちというところに思い入れを感じる。
熱々の地鶏のつけ汁が湯気を立てているところを申し訳ないが、
まずはどうしても、海苔のかかっていないところを引っ張り出して
お蕎麦だけ食べてみたい私をお許しください・・
むうぅと香る甘い香り。
そしてツルッツルの食感が何とも独特である。
表面がツルッツルな上ピーンと張ったような不思議な膜感?があり
言葉は悪いがちょっとビニールのような舌触りがユニークだ。
平打ちのヒラヒラツルツルが口中で心地よく
ムニュとなめらかなコシを噛みしめると粉の香りと甘さがさらに深まる。
しかもこれが地粉使用の十割とはさらに素晴らしいではないか。
地鶏の汁につけると食感がぐっと優しくなり
その中でのツルツル感がまたいい。
また、ねぎに加えて海苔を入れてくれたところが海苔好きの私には嬉しい。
あたたまった海苔の香りっていいですよね〜
そしてなんと、後から知ったのだが
この「そば五郎」にはもうひとつの顔があり
それがまた大人気らしいのだ。
「毎月22、23、24日は三日間 ラーメン五郎」!!
通常の営業でも「あっさり中華」という、蕎麦屋のラーメンをやっているのだが
(私が行ったときは売り切れでした(>_<))
毎月22、23、24日に食べられる「ラーメン五郎」は
店主入魂自家製麺の、いわゆる二郎系のラーメン。
しかもタダモノの二郎系ではなく細麺で勝負する日ありがっつり太麺の日ありで、
「牛テールラーメン」「熊本ラーメン」「背脂ラーメン」など
その時々のメニューを狙って遠方からくるファンも多いらしい。
私が行ったのは25日だったので、惜しい!
その上店内で気になっていたこのメニューも
すごーく美味しいとあとから聞き・・
鶏だし辛味油の「がっつり五郎」
え、平太麺? しかも十割蕎麦??
どうやら一回来ただけでは全貌が全くつかめないこのお店。
最初から最後までどこかぶっ飛んだ「熱さ」を感じて何とも可笑しい。面白い。
「また来るぜ五郎!!」
と言い残し、赤い新幹線に乗った私であった・・・(-. -)♪
(毎月22日は「田沢湖市の日」。
各店舗で特売や限定商品の発売、やってます!)
2013年04月10日
秋田・仙北市角館町「そばきり 長助」
<秋田・仙北市 蕎麦の旅その6>
どれほど長い間ここに帰ってくることを夢見ただろう。
10年前に初めて訪れて以来3度目の、「そばきり 長助」。
東京から近い距離ではないだけに嬉しさもひとしおである。
角館の観光名所「武家屋敷通り」のすぐ裏、
小人町に翻る弁柄色の暖簾。
町名からもこの街の歴史の深さを感じさせられる。
「そばきり 長助」は筋金入りの農家の蕎麦屋。
蕎麦の種まきからお客さんに出すところまで、
すべての工程を自家生産している全国的にも稀少な蕎麦屋である。
自分の気に入った蕎麦だけを栽培し、収穫し、磨き、石抜きし、選別し
年間通して風味を損なわぬよう玄蕎麦のまま低温貯蔵庫で管理保存し
その日使う分のみ自家製粉して手打ちする。
しかも毎日「十割(白)」「十割(黒)」「二八」の3種を打ち分け、
土日にはさらに限定で「スペシャルな十割」を打っている。
普通にお蕎麦屋さんを営業するだけでも大変なはずなのに、
一体いつ寝ているのかと開いた口がふさがらないほどの仕事量である。
聞けば収穫の時期はやはり過労で毎年5キロは痩せるそうだ。
しかし「そばきり 長助」店主には
「自分が美味しいと思う蕎麦を作るためにはひとつの手抜きもしたくない」
という情熱がある。
その情熱が「そばきり 長助」の強烈なエネルギー源となっているのだろう。
そんな偉業の末のお蕎麦を、お店に行って「くださーい」と言えは簡単に食べられるのだから
お客さんというのはなんと楽チンで幸せなのでしょう(^^)
とは言え前回までの2回は、私はまったくそんな影なる苦労は知らなかった。
ただ「農家のお蕎麦屋さん」とだけ認識していて
そのお蕎麦の美味しさにびっくり魅了されていただけのファンであった。
打ち場で黙々と作業する店主の姿に秋田の男らしさ、たくましさを感じ
秋田っていいなあー、かっこいいなあーと思っていた。
そんな「そばきり 長助」のお蕎麦。
私が再会を夢見た「二色もり」!
「二色もり(数量限定)」
うわぁぁおいしそう!!
もう見ただけでおいしい!食べなくてもいいくらいの感激!
なんというこの景色・・・素晴らしすぎる・・・
感極まってつい激写、連写。
「十割(白)」
ふっくらゆたかな「白」の美肌。
「黒」との対比がまた素敵すぎて、
あああ もう私 この白と黒の間に住みたい・・・
ムーと穏やかに、しかし濃厚にただよう上品な香り。
なんとも厚みのあるかぐわしさに思わず目を固く閉じる。
口に含むと実にやさしいコシが迎えてくれ、
そこからひろがる豊かがふっくらした味わいがたまらなすぎる。さいこうです。すばらしすぎる。
ああああ あなたはなんとやさしく、さりげなく、豊かに深い方なのでしょう
ってもう早くも私は壊れました。
ああーおいしいよう ばんざーい・・・(ヘナヘナヘナ)
「十割(黒)」
もうこの美しさについては一体どうなんでしょうか
この重なり。肌。輪郭線。
これ程かっこいい食べ物って他に思いつきません。
ドキドキしつつ「こんな素晴らしい香りがするんだろうな」と想像しながらたぐり上げる。
すると、うわあああ これまた、なんという・・・
その想像の美しいところだけをすくい上げたような絶妙さにまた目が開かなくなる。
外側の香ばしさ、たくましさが、じわーと淡く美しく伝わってきて
いやらしさが全くない、実にさりげなく洗練された「黒さ」なのだ。
ふっくらとした食感の中に潜むジャリつぶ感のさりげなさがまたニクイ。
ああー おいしすぎる すばらしすぎる
ご近所の方が本当に本当に羨ましい!!
さらに、本日は「土日限定のスペシャルな十割」、
「十割赤そば」もあるのです!
この「赤そば」とは、先日行われた
「そば食べくらべの会・タベクラーベ」
でも一番人気、話題をさらった「高嶺ルビー」という、赤い花をつける珍しい品種の蕎麦。
もちろん「そばきり 長助」ではこれも自家栽培、自家製粉の手打ち蕎麦である。
実は私、この時すでに「ものすごーくお腹いっぱい」だったので
「十割赤そば」はほんの少しいただくつもりでした。
が!
頼み方が悪かったようで、ガッツリ一人前来てしまいました!
「十割赤そば」
ど、どうしよう、富士山ぐらい大きく見える・・・
食べきれる自信全くなし・・・
しかしこれがまたどうにもこうにも凄かった!!
見るからにみずみずしくやわらかそうな肌。
手繰り上げると、かつて出会ったことのない香りがパーンと私を包み込んだ。
あなた誰ですか!?ほんとにお蕎麦さん!?というくらい突き抜けた野生の香り。
見た目の通りぬちゃーとやさしくやわらかーい食感と
これまた独特、出会ったことのないコシが絶妙で
そこあふれる味わいがまた素晴らしい。
苦みにも似た野趣あふれる旨みが、淡く美しく真ん中に浮かぶようにある。
いや〜〜〜びっくりです。こんな美味しさもあったんですか。
アッッ!(もっとびっくり)
一気に全部食べちゃった・・・!
半分も無理かと思ってたのに・・・(^^;)
ちなみに店主は元樺細工職人。
「そばきり 長助」にある「木で出来たもの」は食器から家具まで
ほとんどが店主の手によるものである。
境界線がユニークな机は、小学校の机を思い出して私もお気に入り(^^)
聞けば聞くほど、いつ寝ているのか心配になる店主だが・・・
次回までしばらくの夢を見て、
また「長助」のお蕎麦に会いに行きたい。
.
2013年04月08日
秋田・仙北市角館町「手打そば さくらぎ」
<秋田・仙北市 蕎麦の旅その5>
角館という町は言わずと知れた観光地である。
歴史ある武家屋敷と桜並木の風情が特に有名で
「みちのくの小京都」とも呼ばれている。
中でも一番人気のエリアは「武家屋敷通り」。
その「武家屋敷通りの最寄り駐車場の向かい」という、
角館初心者にはありがたすぎる場所に
手打ち蕎麦屋さんがありまーす!
外観だけ見ると、普通の住宅を改造したようにも見える建物。
中に入ると住宅風ではなく店らしい間取りで、
若い店主夫婦が切り盛りしているせいもあって明るい印象の店内。
奥には居心地の良さそうなカウンター席もある。
ここは「そば屋のカレーライス」「そば屋の中華そば」など
面白いメニューがあると聞いていたので
壁に貼られたメニュー書きも気になるところ。
綺麗な字で丁寧に書かれているのがとても感じがいい。
本日のランチ「かけそば+マーボ丼700円」っていうのも
手打ち蕎麦屋さんとしては斬新&おトクだし
「冷たい 比内地鶏南蛮」っていうのも大変気になるなあ〜
お・・?
おおおおナンデスカあれは!?
10食限定「あきたこまちそば」
そば粉とあきたこまち米でできているんだって!
面白いなあ〜〜食べてみたい。
こりゃ大変だ、
「ざるそば(十割)」「ざるそば(二八)」の2枚を食べるつもりで来たのに
3枚になっちゃった(^^)
「手打そば さくらぎ」の蕎麦に使用されているのは全て地粉。
それもこの土地ならではの「富士一号」という
珍しい品種であるというのも楽しみなところ。
しかも蕎麦打ちには秋田駒ケ岳の雪解け水を源とする清冽な田沢の湧水を使用しているそう。
聞いただけで、美しい山頂でかぐわしい蕎麦を鼻にくっつけているような嬉しさに
満ちてきてしまうではないか。
「ざるそば(二八)」
たっぷりとうず高く盛られた端整な姿。
白い器の雰囲気と相まってなんとも凛々しく美しい眺めである。
「ぜんまいの煮物」と「いぶりがっこ」が添えられているのが
秋田らしいもてなしだ。
クッキリと角の立ったシャープな輪郭線。
ふわぁーとただよう淡く香ばしい香り。
口に含むと見た目の通り、極めてシャープな角の立ったパッキパキの舌触りで
そのあとに来る強靭なコシがものすごい。
そのパッキパキをモグモグと噛みしめると
清澄な、すっきり澄んだ蕎麦の味わいが追いかけてくる。
ゆったりのんびり〜ではなく目が覚めるように鮮烈、強靭な蕎麦だ。
そしてこちらがめずらしい、
「こまちそば」
おお〜なにやら少しピンク味を帯びて
二八よりぐっと明るく優しい印象であります。
近づき見入ればこちららもかなりシャープな角を際立たせた輪郭線。
しかし食べてみると独特の、珍しいモッチリ感があり
シャープさは先程の二八のように強く感じないから面白い。
香りや味わいよりも、お米ならではのこのモッチリムッチリ感と
するりんとした喉越しを楽しむ蕎麦。
鰹のきいた甘い蕎麦汁につけると、ほんわか秋田の味わいだ。
いよいよ三枚目、
「ざるそば(十割)」
ぐっと濃いめの肌と、見惚れるほど流麗なライン。
軽くドキドキしつつたぐりあげると・・
うわ おいしいいいい!!(まだ食べていない)
野趣溢れる富士一号のたくましい香りが
ふんだんに、押し寄せるようにただよってくる。
食感はこちらもシャープでコシも強いが「二八」ほどではなく
なにより噛み締めて溢れるその味わいが凄い。
じゅーーーと溢れ続ける、これぞ富士一号の野生の旨み。そしてえぐみ。
ああーなんておいしい・・なんてしあわせ・・
富士一号って面白いなあ!
東京ではまず見かけることのない「富士一号」。
今回仙北のお蕎麦屋さんにおいて私は何度も食べる機会を得たが
この富士一号、十割だとびっくりするくらい野趣に満ちた強い個性の暴れん坊なのに
二八となるといきなりやさしく澄んで個性を消す珍しい種だと思う。
最初は「偶然かな?」と思っていたが何度も食べるうちにそう思えてきた。
私はお蕎麦屋さんではないからよくわからないが
これは使い分け、打ち分けするにはとても面白い個性なのではないだろうか。
その地粉の「富士一号」を
地元の湧水を使って美しい蕎麦に仕立てている「手打そば さくらぎ」。
若き店主はここでしか味わえないものの大切さ、素晴らしさを
まっすぐに表現し続けているのだと思う。
姿勢がよく、蕎麦のイメージとも重なるようなスッキリシャープなイメージの店主は
日本料理出身らしいので、「彩りこーす」「懐石こーす(予約)」っていうのも
美味しそうだなあ〜
次回は夜に来なくっちゃ!
2013年04月07日
秋田・仙北市西木町「農家のそば屋 一助」
<秋田・仙北市 蕎麦の旅その4>
今回の仙北への蕎麦旅では
私にとって大きな初体験があった。
それは「農家民宿」に宿泊するということ。
仙北市には現在30軒ほどもの農家民宿があり
それは全国的にみてもかなり多いらしい。
ホテルに泊まっていては絶対にふれられない「その土地らしさ」がまるごと感じられるのだから
注目も人気も高まって当然だ。
子供の頃から「田舎」というものがなかった私にはなおさら
新鮮で楽しい出来事だった。
というわけで私は今回3日間「ここんちの子」になっていました(^o^)♪
「農家民宿 一助」さん。
なんと建物は築100年。
外観はいろいろ手直しされているようでしたが中は風情たっぷりです。
しかもですよ、
この「農家民宿 一助」さんは実はお蕎麦屋さんなのです!
農家であり、お蕎麦屋さんであり、農家民宿であり、
しかも蕎麦生産組合の会長さんでもあったり・・
と聞くとスーパーマンかと思っちゃいますが、
自分の生まれたこの土地への愛と誇りに生きる「一助」さん。
仙北のことや、畑のことを語るときの目の輝きが
とても印象的でした!
その一助さんちの「農家の居間」がそのまま開放されて客席となっていて
美味しいお蕎麦が食べられるというこの楽しさ。
「ざるそば」
ざるの上にさらり、のびのびとひろがる蕎麦。
窮屈にかしこまっていない感じが気持ちいい。
濃厚にムーーーとただよう、香ばしい甘い香り!
かなり力強いコシがあるのだが、平打ちのためすんなりと食べやすく
「しっかりとしたひらひら感」が印象的だ。
そのしっかりひらひらを噛みしめると
二八らしい粉のうまみがジワーと濃厚に溢れてくる。
つるつるというよりはぬるりとしたような肌で
ごくなめらかな舌触りも独特でおいしい。
「一助」さんが育てたものを中心とした、地粉のキタワセだ。
そしてこちらが「農家のそば屋 一助」人気メニュー、
「ぶっかけそば」
わーこれまたなんだかドキドキ。
一面を海苔とかつおぶしで覆われていて内容が全く把握できません。
まるでどんな草花が生えているやら把握できない野原を歩くかのようだ。
何が入っているのかなあー?
近づいたって事態は同じ。内容は把握できないまま一口食べて
「おいしいぃー!」。
シャクシャクとした食感の天かす、主張しすぎない桜海老、のり、ネギ、かつおぶし・・
どの食材も飛び出すことのない絶妙のバランスが
「自然」なやさしい調和を作っている。
とにかく全体がシャクシャクサワサワ〜〜として何とも言えず「自然」な味わいで、
ついそのままノンストップで全部食べてしまった。
「農家のそば屋 一助」は山菜やワサビが自生する山林に囲まれているので
季節には「山菜の天ぷら」も食べられるし
天気の良い日は林に面したウッドデッキでたぐれるらしい。
わあーい、外でたぐるお蕎麦大好き!素晴らしいー! (≧∇≦)/
「農家民宿 一助」では蕎麦作り体験など季節の体験メニューが用意されているし
希望すれば宿泊した人にもお蕎麦出してくれるそうなので
「農家民宿 一助」
「農家のそば屋 一助」
欲張って両方ぜひ〜♪
(お蕎麦屋さんとしての営業は冬季はお休みですが
今年は4/20頃からの営業開始を予定しています。)
家族のように温かく迎えてくれた素敵なご家族。
地のものを使ったごはんもすごくおいしかったし、
いろんなことを教えていただき楽しかったです!
※今回の蕎麦旅はこちらでコーディネートしていただきました。
仙北市農山村体験デザイン室
秋田県仙北市の農家民宿に泊まってみたい方は
相談してみてくださいね。
.
2013年04月04日
2013年04月02日
秋田・仙北市角館町「そば処 すが家」
<秋田・仙北市 蕎麦の旅その3>
「あの人を思うとドキドキしてしまう」というのは多分恋だが
「あの人を思うとニヤニヤしてしまう」というのは多分恋ではない。
私は「そば処 すが家」を胸に思い浮かべただけで
ニヤニヤせずにはいられない。
畑と田んぼに囲まれた店で食べる美味しいお蕎麦、
そして店主の人柄、秋田の言葉!
奥羽山脈の麓にある、農家が営む蕎麦屋「そば処 すが家」。
店のすぐ前はこんな風景!(田んぼ)
そして店の裏は蕎麦畑。
ああー 洗われちゃうなー
肺も、心も。
店内は囲炉裏席あり、民芸風の装飾あり、
ほっこりくつろげる雰囲気。
あれ?あれはもしや?
せいろでつくった時計だ!
「こつこつと こつこつこつの つみかさね」。
かっわいいなあ(^^)
畑では蕎麦を「育て」、店では蕎麦を「打つ」店主は手先が器用らしく、
思い立ったらなんでもすぐ作っちゃうタイプらしい。
「いいべ?オラがつぐったんだ」
ニコーッと笑うその笑顔。
ちょっと会話を交わしただけで
私はしばらくニヤニヤが止まらなくなってしまうので
結局ニヤニヤしっぱなしだ。
「十割そば」
お蕎麦を頼むといろいろおかずもついてくる。
田舎の家に遊びに来たみたいで和むなあ〜
ところが、のんきに和んでいる場合ではなくなった。
じんわりやわらかそうに重なる肌・・・
そこから漂う香りの素晴らしさ!
滋味深い、野性味ある、どこか質素なイメージの香りが
ムーーーと新鮮にふんだんに押し寄せてくる。
ウワーン素晴らしいよう〜・・と感激しつつ口に含んでさらにシビれる。
なめらかな肌のやわらかな舌触り、ぷるっとしたコシの中から
旨みが濃すぎて渋みすら感じそうな、ぎゅううううと濃い味わいが口いっぱいにひろがる。
「富士一号」という、東京ではまず見かけることのないこの品種のたくましさが
最高に美味しい形で今ここにある。
おいしいぃ〜〜〜〜おいしすぎる!
「すが家」さんたら、そんな何でもなさそうにニコーッとしながら
こんなお蕎麦作っちゃって・・・
ああまたニヤニヤが止まらない・・
「二八そば」
十割より明るめの、ふっくら柔らかそうな肌。
淡い香り、すっきりとした味わいの後から
上品な甘みが追いかけてくる。
肌のなめらかさ、やわらかさは十割以上で、
噛みしめるとやさしいコシが受け止めてくれるのがとてもいい。
昆布だしがぎゅっと効いた蕎麦つゆによく合う蕎麦だ。
ついているおかずは
「玉子焼き」「蕎麦豆腐」「干し柿」。
美味しいと聞いていた「玉子焼き」は噂通り、本当に美味しい。
奇をてらわぬ「普通の玉子焼き」なのだが
程よい甘さ、味付け具合、なんとも「いいあんべ(按配)」なのだ。
なめらかぷるぷるの蕎麦豆腐も味わい深くて
うーーん、「すが家」さんは、なんでも上手なんだなあ〜(ニヤニヤニヤニヤ)
デザートは「蕎麦アイス」。
これも「すが家」さん考案、手作りのデザートだ。
きゃ〜〜蕎麦茶をかけるのは反則です〜〜
蕎麦茶の香ばしさが好きすぎる私。
メニューは他に自家菜園の野菜を使った「天ぷらそば」や「ぶっかけそば」「とろろそば」、
予約の「そば会席」などもあって、
農家を営みつつよくこれだけのことができるものだと感心せずにはいられない。
さらに「そば処 すが家」にはうどんもあるのだ。
そのうどんもすごく美味しいらしく
平日限定の、手打ちそばと手打ちうどんの合盛「銭神セット」狙いの常連さんも多いらしい。
(ちなみに「銭神」とはこのあたりの古い地名。民話の世界だ〜)
次回はうどんも食べたいし、
「すが家」さんの育てた野菜も食べたい。
ああ 「そば処 すが家」、
また行きたいなあー
(ニヤニヤニヤニヤ(^^))
麺産業展
明日4/3(水)、
「麺産業展2013 」@東京ビッグサイト
の中で行われる「SOBA FORUM in 麺産業展」に出演しまーす。
このイベントは2月に新宿アルタで行われた
「SOBA FORUM 2013」の麺産業展版?です。
新宿アルタは「女子限定」でしたが今回は男性も大歓迎ですので
イケ麺の皆様も、蕎麦好き女子の皆様も、遊びにいらしてくださいね。
ちょっとプロ向けな内容になると思いますが、
会場では「手打ちそば体験」などもあって楽しそうです♪
「麺産業展2013 」は10:00~17:00、
「SOBA FORUM in 麺産業展」は14:30からです。
「麺産業展2013 」@東京ビッグサイト
4/3(水)~4/5(金)