いいでしょう、
この看板。

とんかつと田舎そば!
全然脈絡ありません!
いいのである。
ジャンルはどうあれおいしいと信じたものを一生懸命作って、
ふたつ並べて看板に掲げる。
実にまっすぐで素朴で、自然なことではないか。

この直球の志に私はシビレる。
フルネーム入りが余計まぶしい。
ちなみにこの「あづま御膳」とは
「あづま」自慢のそばととんかつが同時に味わえるセット。
「そば特選みそかつセット」
「そば特選とんかつセット」
「そば ひれ・みそかつセット」
「そば ひれかつセット」
などである。
その他
牛ステーキ定食、ハンバーグ定食、大エビ天重、大エビミックスフライ定食、うな重、大判鶏重、そば 巨大うなぎセット、そば 特選ユッケ重セット、しょうゆラーメン、とんこつラーメン、四川風みそラーメン、
などなど、これでも全てではないのだから
大変な充実ぶりだ。
ところでこの店は「田舎そば」を看板に掲げながら
どうもメニューにそばの単品メニューが無い。
聞くと単品でも頼めることがわかったが、せっかくなので
「田舎そばセット」(手づくりさしみこんにゃく、おろし、油あげ)
というのにする。

まずはサービスで出してくれる、揚げそば。

これが非常においしい。
よく見かけるものだが、何が違うのか「あづま」のはやたらとおいしい。
こうばしく、噛んだ粉が実に良い味わいなのだ。
ちょっと形は違うが、私が愛する和歌山の「そば切 徳」の
揚げ蕎麦を思い出すなあ
「手づくり豆腐」

「もつ煮」

大好物。ごまの風味が濃くておいしい。
そば、手づくりさしみこんにゃく、おろし、油あげの、
「田舎そばセット」

そばには、海苔とそば刺しがのせられている。

むわぁ〜 と濃厚に漂う、田舎そばらしい香り。
ふっくらした肌には褐色のホシが散りばめられ、
ほどよいコシの中から粉の甘みがふんだんに感じられる。
この近辺で採れた地粉使用の手打ちそば。
ああ 和むなあ
のんびりほにょー
おいしいなあ
「手作りさしみこんにゃく」

このあたりの店ではよく出会える手づくりこんにゃく。
大好物の私は単品でなくこんにゃくのセットにしたわけだが
この粗い食感といい、ジュワッとしたジューシーさといい
手作りのものというのはどうしてこうも違うのだろう。
「手づくりこんにゃく」でなく「舞茸天ぷら」のセットにすると
こんなのがドカンとやってくる。
写真よりすごいボリューム!

「最後デザート出ますから、食べ終わったらお声かけてくださいねー!」
店はかなり広いので厨房から大きな声で案内してくれる。
キビキビと働き者でニコニコ実に愛想のいい店主が
持ってくれたりんご。

ウハッ
生クリームにカラーチョコスプレー!
かっわいい、しかもムーミンのスプーンだぁ☆
「甘いの苦手だったら、クリームは避けてくださいねー」
とどこまでも親切な店主だ。

帰り際ふと見ると
レジの横には何故かアナウンサーのように店主の名前が。
(トーシン、という会社名ではなくこれが姓名なのだ)

募金箱の下には震災被災者への
店主の言葉が書いてある。
自分の気持を素直にあらわす。
私には足りないことだ。
