2012年04月28日
白金高輪「三合菴」
なかなか暖かくならない春の雨の日。
開店直後に「三合菴」を訪れると
相変わらず隙のない端整な外観が静かに濡れていた。
ところが、扉を開くと中に人がギッチリ!
(空席待ちのお客さんが立って待っている)
しばらくすると外にも数人の行列が。
ヒヤー
すごい人気である。
しかも客層が、
ハイソっぽいというか食通っぽいというか、
なんともチガウのである。
着いた時間が早かったのでそう待たずに席につくことができた。
しかし、逢いたいと思う気持ちが強いほど
時間はゆっくりと過ぎる。
早く逢いたい。
早く逢いたい。
もうすぐ逢える。
キター!
「そばがき」
蓋を開ければ今生の夢の世界が、
湯気を立てて私を招き入れる。
目の覚めるようなかぐわしさ、
とはこういうことを言うのだろう。
フレッシュで、正統派で、どまんなかの香りの結集。
早くも脳は痺れんばかりだ。
その香りのカタマリを箸に取り、口に含むと
このそばがきの夢はもう雲突き抜けて帰ってこられなくなる。
舌に触れる、極上きめこまやかなぽってり感。
それがとろけてしまう感じでなく、形を表面を保ちつつ
ぽってり感を存分に楽しませてくれるからすごい。
うっとりと噛みしめると、
ウワーン これですー
夢の ぽてフワエアリー・・
こんなにもやわらかふわぽてなのに
とろーんととろけることなく
そのきめこまやかな肌を保ち、
滋味なる味わいを楽しませてくれる。
大好きな大好きな、「三合菴」のそばがき。
あー もう なにがなんだか・・
「せいろ」
ふわりただよう甘いかぐわしさと、かすかな野生。
どこか老成した印象の、ことさらでないかぐわしさは
この蕎麦に凛とした風格をあたえている。
何より、これまた食感が素晴らしいのだ。
やさしくやわらかな印象の肌は
噛みしめると実にさりげない強靭さで応えてくる。
狙い定めたかのような繊細な強さにドキッとする。
あっという間に食べ終わる。
食べ終わったら、
丸顔に蝶ネクタイのこんな楽しい人が現れました
2010年4月の「三合菴」
*2012年5〜7月の出演のお知らせ*
2012年04月26日
池上「にかい坊」
「二階にあるからにかい坊」
とつぶやきながら路地を入ってきたが
見当たらない・・・
あっ あれだ
なんと控えめな小さな看板。
これが蕎麦以外の看板だったら絶対に見逃してしまうだろう。
(蕎麦の看板だけは相当離れた場所からでも
そこだけ浮き上がって見える私。)
「にかい」に上がると
「いらっしゃいませ 営業中」の文字にほっとする。
すっきりとした入り口も、
他店の大きく派手な看板に全く対抗しない小さな看板も、
実に好ましい。
店に入って尚、その印象は強まる。
全てのものが実にすっきりとシンプルで
しかもそれがさりげないところがいい。
清潔感にあふれた、居心地の良い空間。
外の立て看板でも店内メニューでもまず目に付く
「ほろ酔いきげん」というセット。
「蕎麦味噌や板わさなどの定番つまみ」と
「お酒orビール」と
「〆の蕎麦」
で1600円というおトクさ!
こんな粋なセットは昼間眺めるとますます楽しいが
すみません、相変わらずの私・・
一番逢いたい人に直行させていただきます。
「にかい坊」のお蕎麦は
「二八せいろ」「十割せいろ」の2種類。
まずは
「二八せいろ」
うわ
これはこれは、
見るからにきれいな、おいしそうなお蕎麦。
いいっ!!
このなんとも美しい影の揺らめく肌、
ほどよく素朴な輪郭線、
ふわぁーっと爽やかな香り。
もう食べる前から俄然好きになってしまいました。
これは、美味しいでしょう!
うわー・・・やっぱりおいしい(^o^)
軽くふわりとした食感、しかし存分なすばらしいコシ。
いかにも北海道らしい、私には米糠に近い要素を感じる
野性的な爽やかな香りと濃厚な味わい。
北海道・恵庭のキタワセである。
「十割せいろ」
キャー
こちらはまた更に更に素敵なご容姿でございます。
たっっ
たまらない・・・めちゃめちゃタイプ!!
見た目だけで一目惚れな感じのお蕎麦ではないですか・・
(どうしてこう惚れっぽいのか私は。蕎麦限定で)
だってこの、やさしい素敵なザクザク感。
ゆらめく陽炎の如き、見えないようで見える蕎麦の粒子たち。
もう大好きに決まっているのでかなりドキドキしながら手繰り上げると
ああああ
素敵です。大好きです。
「濃厚なさわやかさ」の下に穀物の「たくましさが軽く」潜んでいる感じ。
逆じゃないところがなんともニクイ。
見た目の通りのやさしいざらつき。
噛みしめるとややムチッとした弾力。
そこから穀物の濃い味わいがひろがる。
いちいちニクイ。素晴らしい。おいしい!
福井県福井市山室町の在来種。
つゆは「鰹!!」という感じの味わい深いもの。
好きなタイプなので是非とも蕎麦をつけて食べてみたかったが、
今日もやはり無理でした・・
ここのBGMは弦楽やピアノのクラシック音楽。
澄んだ音に耳を傾けつつ、
蕎麦湯をゴクリ、蕎麦汁チビリ。
見上げると
飛行船のような素敵なスピーカー。
ピアノの音が好きな私には、
なんだか自分も浮かんでいるような気分になれるスピーカーだ。
ちなみに平日のランチはサービスとして
全てのメニューに「わらび餅」のデザートがつく。
門前町である池上はわらび餅屋などの和菓子屋店が多いので
「お土地柄」な感じがいい。
「合鴨ウインナー」っていうのも気になる!
2012年04月24日
尻愛でる日々
この人を紹介する日が来るとは・・
(非常〜〜〜に個人的な趣味なので)
中之条「吾妻路」さんのお蕎麦を食べたあと、
草津・湯畑前での衝撃の出会い。
その土産物屋はコスプレキューピー充実店で
それこそ何十種類も、ダーッと並んでいたのだが、
このミツバチ野郎だけが私のハートを鷲掴みに!!
「今、こやつを連れて帰らなければ私は死んでしまう」
そう思いつめたからこそ、
私は購入を自分に許したのだ。
(普段キャラものは息止めて限界までガマン)
寒いので手短に済ませますが
こやつのチャームポイントはやはり
「ピョンと跳ね上がったちっちゃい羽根」であります。
こんなちっさい情けない羽根では
この頭デカの、ズシッと持ち重りしそうなキューピー、
全然飛べそうもありません。
でも私のツボを一番直撃するのは別のポイントで・・
おしり!!
この「チョロン」としっぽみたいな針!!
お行儀よく並んだ短い足!!
ぎゃあああ かわいすぎる やめてくれーー!!(>_<)
と悶絶しながら、
キューピーのおしりを愛でる日々であります。
2012年04月23日
今夜、カウンターで。
今夜、とある店のカウンターに座ったら
「他のお客様からお預かりしているものがあります」
と言われた。
贈り物・・
こういう場合、私が一応女性であることを考えれば
カウンターというのはワインバーとか何とかで
贈り物はレア物ワインだの
ヴィンテージシャンパンだのというようなものが
ストーリーとしては普通、なのかもしれない。
しかし私の場合のカウンターはもちろんワインバーでなく
蕎麦屋である。
そして贈り物はこれである!!
きゃああ!!
りんごキューピーーーーい!!
赤ずきんちゃんみたいでかわいい〜
おっかしいー わらっちゃうー
私、果物の中でりんごが一番好きなのです。
でもこれをくださった方はそんな理由でなく
「似てるから」
という理由らしい・・・
お店でも「ほぼ本人ですね!」とか言われたのだが。
まあキューピー似説は以前にも何度かありまして、
だいたい私の祖父もキューピー似で
あの時代に「キューピー」とそのまんま呼ばれていたらしい。
私は由緒正しきキューピーの血筋?なのだ。
似ていると言われるせいなのかよくわからないが
私実は以前から、このコスプレキューピーが
すごーく気になっていたんですね。
でも普段こういうキャラ物やぬいぐるみ等は
絶対に買わないようにしているのですね。
(際限がないから、要は大好きだから)
「もう、今この子を連れて帰らなければ私は死んでしまう」
そんな運命の出会い以外は
絶対に買ってはいけないことになっている。
でも去年、そんな運命の出会いがあったのだ!
出会いは草津。
季節は秋。
中之条の「吾妻路」さんに行った帰りの衝撃の一目惚れ。
ということで明日はその子を紹介しまーす♪
(プレゼント、ありがとうございまーす(^o^)♪)
2012年04月21日
とうきょうスカイツリー駅「向島七福 すずめの御宿」
「とうきょうスカイツリー駅」もリニューアルオープンし
いよいよスカイツリー開業まで一ヶ月となった。
東京に観光に来た人の楽しみが
増えたのはいいことだと思うが・・・
(はしゃいで見上げている人を見ると私も嬉しくなる)
何が残念だと言って「業平橋」という、
香りある名前の駅が消えてしまったことである。
「とうきょうスカイツリー駅」。
無味乾燥。
「業平橋駅」のほうがずっとかっこいーのに!!!
観光に来た人にもその方が旅情があってずっといいと思うのだが・・
(ついでに言うと私は「スルガ銀行」もスルメみたいで
見る度に悲しくなる。
昔の「駿河銀行」はロゴも行書体で格好良かったのになあ)
その「旧・業平橋駅」を最寄とする蕎麦屋。
「向島七福 すずめの御宿」。
付近には店らしいものは他になく
まあ住宅街といっていい目立たぬ通りにある。
そこに突然こんな黒々とした店屋が現れても、
唐突というよりかえって粋な印象を受けるのは
向島という土地ならでは。
入り口の丸窓から打ち場が覗ける演出。
道路からすぐ店内、ではなく、
こんな「玄関のしつらい」があるだけで
ふっ、と穏やかな気持になる。
数メートルで、時間が切り替わる。
奥に長い店内。
おおっあれはなんじゃ
「和牛すき焼き蕎麦」で、
しかも「ほろほろ鶏の卵添え」。
なかなかインパクトのあるメニューだなあ。
このお店はメニューが豊富で面白い。
夜はコースメニュー(2.940円〜)他、
「鰻まき玉子焼き」
「酷のある銀だらの焼き物」
「酷のある豚肉の焼き物」
「お好み天ぷらいろいろ」
「うにの貝焼き」
「焼ふぐ」
その他蕎麦屋の定番メニューもいろいろ。
ユニークなのはランチの
「江戸蕎麦と選べるちょっと一口ご飯セット」
というもの。
この店の江戸蕎麦というのは
「江戸味噌と大根おろしの汁で食べる二八蕎麦」のことで
セットのご飯は以下から選ぶ。
「国産うなぎご飯」
「コラーゲンかに玉ご飯」
「島骨鶏の卵かけご飯」
「うにの貝焼きご飯」
「焼きふぐご飯」
「鶏つくねご飯」
「和牛そぼろご飯」
楽しくてつい、頼む予定もないのに
どれにするかバーチャル決断したくなるではないか。
私はやっぱり「島骨鶏の卵かけご飯」かなあ♪
TKG大好き!(焼き海苔必須)
何故こんな楽しいランチセットを頼まぬかと言うと
例によってお腹が蕎麦の予約でいっぱいだからである。
ここはお蕎麦が3種類もあるのだ!
「粗挽き玄粒田舎蕎麦」
「十割蕎麦」
「二八蕎麦」
「二八蕎麦」の汁を「江戸味噌+大根おろしの汁」に替えたものが
「江戸蕎麦」だというので、3枚目はそれを頼むことにする。
「十割蕎麦」(一日20食限定)
(メニュー説明より)
「当店の石臼で挽きっぱなしの丸抜きを振るいにかけず打ち上げたつなぎなしの香り高い一品です」
むわぁーっ
濃厚に漂う熟成の香り。
硬めのちょっとパキパキとした食感で、
でこぼこした節を感じる輪郭線は
芽吹きたての猫柳の枝のようなイメージ。
熟成特有の味わい、甘さが濃厚な蕎麦だ。
「粗挽き玄粒田舎蕎麦」(一日20食限定)
(メニュー説明より)
「玄蕎麦を殻ごと挽き、粗く手挽いた玄粒と合わせ、野趣あふれる風味に仕上げた蕎麦です」
迫力、圧巻の肌である。
物凄い黒さ、粗さ、ジャリジャリのツブツブ。
手繰り上げるとこれまた爆発的と言っていい
濃厚な甘皮のかぐわしさである。
焙煎されたかのような香ばしさ。いい香り〜〜〜
食感は見た目の通りのツブツブのザリザリで、
時折チリっとした刺激を感じるのも楽しい。
噛みしめるとこれも「十割蕎麦」同様、かなり硬めの食感である。
「江戸蕎麦」
(メニュー説明より)
江戸時代のお醤油が普及する前、蕎麦汁は味噌味でした。粋な江戸っ子は「あく抜き蕎麦」(蕎麦殻を抜いた白い蕎麦)を「煮ぬき汁」(江戸味噌に大根おろしの汁、かつをだしを加えた汁)で食べていました。それをできるだけ忠実に再現したのが当店の「復刻」江戸蕎麦です。麺とのからみも抜群でどこか懐かしさと新鮮さを感じさせられる味わいです。(尚、江戸と東京を食べ比べていただきたく、お醤油味の汁もお付けしております。)
ふわぁーっと甘い粉の香り。
そして驚きはなんとも珍しい繊細なつるぬる感である。
かみしめた部分が伸びて応えるような、独特のコシ。
津軽そば(大豆をすりつぶした呉汁を使う蕎麦)にも似た食感だ。
そして
「江戸味噌に大根おろしの汁、かつをだしを加えた」
という江戸蕎麦の汁。
写真では手前にある、底のほうが濁ったような汁だが、
これがおいしい!
まあ味噌と大根おろしだから私がは好きに決まっているのだが〜
もうひとつ、食べ比べ用に添えられてきた「お醤油味の汁」というのは
てっきり1枚目、2枚目の蕎麦についてきた基本の汁かと思いきや
全然違う汁でびっくり。
「粗挽き玄粒田舎蕎麦」「十割蕎麦」「二八蕎麦」
といったシンプルな蕎麦メニューには
江戸醤油ー!という感じの辛い濃い汁。
「江戸蕎麦」には例の
「江戸味噌、大根おろし、かつおだしの汁」ともうひとつ
「すこし甘めの柚子風味の汁」
が添えられてくるという演出である。
蕎麦も3種類、汁も3種類作っているなんて凄い。
お昼はランチセットでない人にもデザートが付くのか
「このあとデザートにところてんがつくのですが、
甘い黒蜜と酢醤油とどちらがいいですか?」
と感じの良い店員さんにニコニコと聞かれる。
なんと、これは素敵なサービスですよ。
甘いものが苦手な私には
「甘くないデザートがつく」というのは
滅多に無い喜びである。
こんな店の最寄り駅は、
「とうきょうスカイツリー駅」なんて
ようちえんのクリスマス会みたいな名前でなく、
やはり「業平橋駅」であってほしかったな、
とまだまだ未練がましい私であるが・・・
帰りには言問橋を渡って、
ちょっと機嫌をなおす。
言問橋。吾妻橋。駒形橋。
まだまだ素敵な名前はたくさんあるから、
そういうものをたいせつにしようと、隅田川を渡る。
言問橋袂より
*2012年5〜7月の出演のお知らせ*
2012年04月18日
激愛。
蕎麦とどっちが好きかと聞かれたら
3日悩んで熱を出しそうなほど激しい日本犬好きの私。
特に柴犬と秋田犬にはメロメロ!!完全に挙動不審!!
道を歩いていて向こうの角に
「今、柴犬のしっぽらしきものが見えた!」
と思ったら「必ず」早足か時には走ってまで近づいていって
「愛でます」。
顔は大抵「ニヤ〜〜〜〜〜〜」としているので怖いです。
可愛すぎると飼い主さんに話しかけてビビられます。
(これについてはへんな過去ネタいっぱいあり)
そして今日
とあるお蕎麦屋さんの帰り道、
どっかから「ワン!」て声がした。
でっかそうな声(大型犬の声)だったので
「なにっ!!」と即反応してきょろきょろ。
付近を捜査すると
あらーっっっっっ!!!!!
君か!!!
ワンって言ったのは君だったのか!!
君はぬいぐるみなのか!!!
もこもこさんではないか!!!
(長毛虎種の秋田犬)
かわいすぎるではないかああああ!!!
ウワーーーーン
やっぱりお蕎麦より秋田犬のほうがいいよーう
だってこんなにかわいいんだもん・・・(;_;)
30分ちかくここに張り付いて話しかけまくってしまった・・
2012年04月12日
出演のお知らせ☆
かえってきたカラフルロスタイムショー、
「風流tokyo堂」volume.2にオープニングアクトで出演します。
豪華ゲストによる、粋で楽しい盛りだくさんイベントです!
2012年5月2日(水)
さくらホール(渋谷区文化総合センター大和田4F)
前売りS席4200円A席3900円(全席指定税込)
(当日券は、いずれも+400円)
出演: 遠藤賢司・春風亭昇太・林家彦いち・寒空はだか
opening act:高遠彩子
チケットお問い合わせは ざぶとん亭風流企画
また2012年7月10日(火)にはMiluqueライブも決定しています。
素晴らしい会場で、久々のMiluqueライブです。
a.s.k. & Miluque
~ Concert for Nawashiro Project~
2012年7月10日(火)
重要文化財 自由学園 明日館 講堂
18:00open 19:00start
3000円 (学生券1500円)
*出演
林正樹(pf)
アマンダ・ティフィン(Vo/pf)
ファビオ・ボッタッツオ(Gt)
セバスティアン・カプテイン(Dr/Perc)
松永誠剛(B)
高遠彩子(Vo)
音響 福岡功訓(Fly Sound)
協力 Taguchi スタジオノアカノウプス
e+(イープラス)0570-06-9911
2012年04月11日
新潟・妙高市新井「こそば亭」
リクエストをいただきましたので
「こそば」のご紹介です(^o^)
ご存知、「こそば」とは新潟県と長野県の県境である
妙高地区山間部の在来種。
深い谷間の奥でながく栽培されてきたために、
他の種との交配がされないまま守られてきた貴重な種だ。
その粒の小ささととびきりの風味の豊かさで
近年たいへん注目されているのだが
生産量はごく少ないのでどこでも食べられるわけではないという
幻の在来種である。
だいたいの農作物はそうかもしれないが
蕎麦というのは小粒ほど美味しいとされるので
「こそば」はその小ささだけをとっても憧れられるアイドル種。
しかも実際に美味しいのだから
これはもう人気が出て当たり前なのだ。
その「こそば」の名を冠した蕎麦屋が妙高にある。
街から少し外れた、ひろびろとした眺め。
国道292号線からすぐだが
店の前はごく静かで、のどかである。
こざっぱりとシンプルな店内。
外観もそうだが、慎ましくもビシッと調えられた素朴な落ち着きが、
実に清々しい。
「こそば亭」のお蕎麦は
基本の「ざる蕎麦」と
土日限定5食の「粗碾き田舎そば」。
「粗碾き田舎そば」は「玄そばを殻ごと碾いた黒い蕎麦です」と説明にある。
もちろんどちらも「こそば」種使用である。
まずは
「ざる蕎麦」
粘り強そうな輝きをまとった肌。
素朴なホシが豊かに散りばめられ、
野性的なイメージの平打ち蕎麦である。
ひとすくい、たぐりあげてときめく。
この、何とも言えないよい香りは!
食感はごくやさしくやわらかく、表面には
見た目の通りの、かすかなぬめりのようなものを感じる。
これは小粒種の特徴らしい。
甘く香ばしい濃厚なかぐわしさは
ともすれば熟成の香りにも似ているのだが
そうではなく、フレッシュな野生というか・・
濃縮された静かなたくましさというか・・・
とにかく「何とも言えずよい香り」にうっとり!
これが在来種というものなのだろう。
「粗碾き田舎そば」(土日限定5食)
濃褐色の粗碾き肌の、無数のきらめき。
やわらかそうな輪郭線。
これまた、さすがは幻の種である。
黒く香ばしい香りは大変に個性的。
恍惚の、たまらぬかぐわしさ、香ばしさで、
私などは目をしっかり開いているのが全く困難だったが
どんな香りかと無理やり例えれば
「森林浴しに行った滝の入口付近」と言うか・・
「麦」のような・・「固形の墨」のような・・・
とにかく不思議なリラクゼーション・アロマに全身が包まれる。
やわらかい肌は食べるとにちゃっとするのかな、と思ったのだが
どっこい全然しない。
しっとりとやわらかな肌は噛みしめると
むしろハリッと新鮮なコシすら感じられる。
わわわわ、何コレー!
「こそば」種を食べるのは初めてではないが
やはり「こそばの地」で食べるよろこびは
こんなにも大きい。
地産地消という言葉が浸透して久しいが
やはりこんな小さな、貴重な種こそ、
あまり動かさないであげたいと思ってしまう。
自分が会いに行った方がいいな、と思ってしまう。
会いにゆくまでも、会った思い出も
こんなに楽しいのだから。
2012年04月10日
シャバダ・シャバソバ・シャバデビュー♪
ようやっとシャバに出てまいりました。
記念すべきシャバデビュソバ、
どこにしよー♪とたのしく悩んだのですが・・
なんだか胃も小さくなっちゃってるみたいで、
食欲はまだ本調子ではない。
ってな時はやはり誰もが故郷の味、
おふくろの味に帰るんですね〜
私にとっては唯一無二のマイ・ファースト蕎麦屋にて!!
2012年04月09日
風邪をひいた中毒患者がしたこと
薬に胃が負けたらしく
食欲がなくてですね・・・
栄養をつけねばと玉子がゆを作りました。
味は美味しくできたのだけど
でも成分として何かが足りない。
何かはわかっているんだけど、
「自宅に蕎麦と名のつくもの持ち込み禁止令」
を出している私の家に蕎麦はない。
(食べ過ぎによるアレルギー発症に過度に怯えているので)
ところが!あるんです今ちょうど。
先日長野の蕎麦屋さんで
帰り際にいただいいちゃったコレ。
そば茶はおいしいやね〜〜〜
私は大っっっっっ好きですね!!
お蕎麦屋さんで出てくるとすごく嬉しいし
ペットボトルで売っているのもだーいすき。
でも自分では買いません。
だって家でも蕎麦だらけになっちゃったら
本気で将来が心配なんです・・
でもいただいたものは仕方ないしぃー♪
と喜んで飲んでいたコレの、
ティーバッグをハサミでちょきんと切って
中に入ってるそば茶をパラパラー
おかゆにかける!
ウキャ おいしいっ (≧∇≦)☆
えっ お茶を?
と思われた方もいるかも知れませんが
蕎麦茶は茶葉ではなくお蕎麦を炒ったものなので
まあ、おせんべいに近いもの?なんです。
香ばしい蕎麦の香りが脊髄を走ります。
(ひさびさだけに)
というわけで無事
低血中蕎麦粉度の危機を回避できましたとさ。
2012年04月08日
めきめき
2012年04月05日
新潟・八海山大崎口「八海生そば 宮野屋」
八海山尊神社のすぐ裏。
山の中の蕎麦屋の前に立って
まだ何も知らないのに、私は思わず声に出した。
「私ここ好き!」
紺地にくっきり白抜きの暖簾。
入り口付近はトタンと木材でトントコ手作りしました、
といった風で私は大いに気に入ってしまう。
八海の森のお蕎麦屋さん。
なんて可愛らしい外観なのだ!
店内に入ってなお和む。
ストーブ。小学校のような下駄箱。
コタツ席。いろり席。春季大祭の張り紙。
すべてが家庭的で、
それでいてスッキリカラリとした清潔感にあふれている。
外観でも同じことを感じたのだが、
これはなかなかないことだ。
店も素晴らしいのだが、
店主の笑顔はもっと素晴らしい。
なんというか・・例えるなら朝日、かなぁ
出会っただけで、こちらまで元気になれるような。
自分の奥に眠っていたエネルギーが底から掘り起こされたような気がする。
しかもその笑顔を、ピッカーーーーーッと、
ずーっと絶やさないでいてくれるのだ。
それがまた実に自然。仏頂面の私はただただ見習いたい。
朝日の店主が持ってきてくれたお惣菜。
「はいどうぞ〜 食べてくださいね〜」
揚げ出し大根とお漬物。
こちらもつられてニコニコニコ。
ここに来たらなんと言っても山菜を食べたいところなのだが
本日は「人生初」のメインイベントを楽しみにしておりまして・・
私、「あらい」も「こく」も食べたことがないんです。
しかも「宮野屋」のは絶品らしいんです。
「鯉のあらい」
独特の繊維感、ぷりっとした食感。
それが新鮮でジューシー。
やっぱりここのが特に美味しいのかなあ
「鯉のあらい」って美味しい!
「鯉こく」
手前は「鯉のあらい」についてくる小さな「鯉こく」。
奥が単品注文の「鯉こく」。
写真だと奥にあるので差がわかりにくいが
単品の「鯉こく」はどーんと大きなお椀だ。
まずは小さなお椀を開けてみる。
素晴らしい・・
脂がたっぷり乗った肉厚の鯉が美味しすぎる。
お寿司屋さんで食べるあら汁が大好物の私には
モロ好みど真ん中。
「鯉こくはくさみがあるから好みが分かれる」
と聞いていたのだがそんなものは全く感じられない。
聞けば「宮野屋」では裏の生簀に鯉を入れ
八海山麓の湧き水で餌抜きをきっちりしているのだそう。
この澄んだ脂とうまみには訳があるのだ。
ひゃー まいった。
暴走した私は大きい方のお椀も覗きます。
ドカーン
ここで東京から来た魚を知らないアホ姉ちゃんは叫びました。
「鯉のぼりみたい!!」
だってウロコが鯉のぼりに描いてあるのとおんなじなんだもん・・
この鯉のぼりが巨大です。
ひっくり返すのはどっこいしょです。
こんなにおいしい「鯉こく」が
こんなにたっぷり食べられるなんて贅沢すぎる。
しかもこれが400円って・・信じられない。
「手打ちそば」
濃厚にただよう、あまい香り。
味わいではフノリとオヤマボクチはあまり感じられないが
その肌はかすかにぬるりとしている。
つるり重量感のある蕎麦だが、
軽やかなコシのせいでどこかふわりとした印象も。
ぬるりつるりふわり。
粉の旨みが濃厚でおいしいので
蕎麦だけであっという間に1枚食べきってしまいそうになるが
この薬味を見たらブレーキもかかるというもの。
ネギ、みょうが、紫蘇の実、山葵。
そして奥にあるのは、クルミ!
このクルミが、煮干出汁の汁によく合って、
何とも言えない美味しさになる。
クルミが入るので私にとっては和菓子に近い美味しさだ。
大阪・布施の「手打そば 庵」で感じた感覚を思い出す。
2年前亡くなった先代の時代には
小さな卵が薬味とともについてきていたらしいので
さらに「手打そば 庵」を思い出す。
その卵が時代の流れで手に入らなくなったと
残念そうに、朝日の笑顔で話してくれる店主。
帰り際、外から帰ってきた奥さんもこれまた感じがいい。
もう「宮野屋」さん、
1回で大ファンになっちゃったもんね。
また帰って来ますよー!
この山へ。
2012年04月04日
新潟・越後湯沢「越後本手打ちそば しんばし」
湯沢の夜。
「越後本手打ちそば しんばし」の雪国風情あふれる構え。
屋根の雪と海鼠壁のコントラストがたまらない。
永く愛されてきた老舗蕎麦屋には
雪の中、次々と車が集まってくる。
寒い夜こそ、中の賑わいがあたたかい。
店内は小上がりありテーブル席ありカウンターあり、
大きなお店にたくさん人がいるなあと見回していると
なんですかあの
巨大なオブジェのような
まいたけは!!
メニューを見れば
舞茸天 (5かん)1350円
小舞茸天 (3かん)900円
とある。
舞茸好きの私、これは絶対頼もう!
その前にこんないいものも頼んじゃいました。
「魚沼・美雪マスの風干し」
これが非常に美味しい。
箸に取るとずしりと重いほど一切れが分厚く大きく
脂がのっているのにくどさは全くない。
風干ししてあるため風味は濃厚で
添えてある玉ねぎマリネの酢加減もとてもいい。
すばらしいおつまみだ。
そしてやってきました戦艦まいたけ号。
どっかーん
すごい迫力。
3かんでこれなら5かんはどうなっちゃうのか見てみたい。
お蕎麦は大人数なら当然,
「へぎそば(3〜4名用)」
を頼みたいところだが今日のところは
「せいろ」
チラチラと舞う黒いホシ。
箸先での香りは淡く感じたが、
次第に二八の甘い香りが濃厚になってくる。
ふのりの風味はほとんど感じられないが
口に含むと見た目の通りのつるり、かすかにぬるりとした肌。
この食感はやはり新潟、ふのりの蕎麦だ。
ややずっしりとして食べ応えがあり
とても豊かな気持にさせてくれる、湯沢の地粉の蕎麦である。
地酒も充実。
「白瀧酒造 真吾の一本」
「白瀧酒造 溱屋藤助」
「鶴齢純米大吟醸」
「鶴齢 しぼりたて 平野屋」
「鶴齢 にごり酒 源左衛門」
「鶴齢の梅酒 純米吟醸仕込み」
などここで見るとどれもおいしそうだ。
おかんは山廃仕込みの純米「越後の長者」らしいので
寒い夜はやっぱりこれかな!
へぎそばは「半へぎそば(2名用)」もありますよ〜
2012年04月03日
新潟・南魚沼「そば屋 長森」
4月。
車窓は一面雪景色である。
こんなところにお蕎麦屋さんがあるのかな、
と不安になったころ、
あった!あれだ!
もうすぐだぁー
八海醸造が運営する「魚沼の里」。
和菓子カフェや資料館や、ショップが点在するなかに
「そば屋 長森」はある。
八海醸造直営の手打ち蕎麦屋。
いい店名だと思っていたがこれはそのまま地名である。
南魚沼市長森。
腰をかがめて潜り戸を入る。
わあ・・
「板の間」という言葉そのままの、広々とした空間。
吹き抜けの天井はうんと高く、
めぐらされた古材の太い梁が頼もしく建物を支えている。
広間に座る。
幅広の4枚の障子につけられた雪見窓からは
まさに4月の雪が見えている。
午後になり雨交じりだがちらちらと降っている。
「長森」の蕎麦は3種類。
「田舎そば」「二八そば」「十割そば」。
こんな素敵なところで、そんなにいろいろ蕎麦があるなんて
ああもう うれしくてワクワクして全然のんびりできない!!(>_<)
「田舎そば」
黒々、いかにも歯ごたえのありそうな
太打ちの田舎蕎麦。
ギュー!!
ものすごいたくましさの、濃厚な甘皮の香り。
香りだけで満足してしまいそうなほど贅沢なかぐわしさだ。
口に含むと見た目の通りのザラザラの舌触り、もぐもぐしっかり噛む食感。
実は「長森」の3種の蕎麦のうち、
この「田舎そば」だけがふのりつなぎなのだが
これはまったくそれが感じられない珍しい蕎麦。
滋味深くこうばしい蕎麦の味わいだけが
ジワーッと口いっぱいに、これでもかとあふれるようで
実においしい田舎蕎麦なのだ。
ここで、このあとの2枚が予想以上に手際よく
立て続けに運ばれてきてやや慌てた私。
店の人が
「ふのりが入っていない2枚目、3枚目はのびやすいので・・」
と案内してくれたので、
私は1枚目の「田舎そば」を食べきらずに
先に「二八そば」「十割そば」を食べることにした。
「二八そば」
どこかはかなく繊細な印象の、平打ちの肌。
はじめの香りはごくおとなしかったが
次第に二八らしい甘い香りが漂ってきた。
ややちゅるっとした舌触り
平打ちゆえのヒラヒラはんなりとした食感が
雪見窓に似合っている。
「十割そば」
こちらも太さは二八とおなじくらいの細打ち。
箸先にたぐりあげた香りは控えめ・・
と思いきや、これが見逃せないほど
「ビシッ」と端正な、ストイックなイメージのかぐわしさ。
思わず背筋が伸びる思いがした。
写真では伝わりにくいが、
口に含むとくっきり固めの輪郭線を持った蕎麦で
コシも強い。
そして帰ってきた (半分残してあった)「田舎そば」。
これがびーっくりの展開に!
先程食べたときはふのりが入っていることが全く感じられない
珍しい蕎麦だと思ったのだが、今度食べてみようとすると
箸先で「ふのり〜・・」
口に含んで「ふのりー!!!」。
実に郷土色あざやかな「布海苔蕎麦」に大変身しているではないか。
確かに食感はのびたりはしておらず強いコシもそのままなのだが
これは面白いなあ〜
蕎麦が3種類もあって楽しいのに、
「長森」ではつゆも2種類用意してくれている。
「江戸風の辛い汁」と「薄く甘い田舎風の汁」。
江戸風も甘めで、両方かなり個性的な汁なのだが
たっぷりの薬味がテーブルに置いてあるサービスは実に嬉しい。
ごまが特に嬉しい!
サービスといえば、
床座りが苦手なひとのために置かれた
低い籐椅子もとてもいいアイディアだ。
潜り戸を外に出れば
建物の中で見た夢は終わる。
でもこのあとはまたはしごしちゃうんだぁー
おっ「長森」は「松よし」のすぐ近くだったんですね。
でも「松よし」さんはまたまた中休み時間なので
今回は別のところへ〜
(以前、松よしさん常連の知り合いが無理を言って頼んでくれてしまい
中休み中開けてくださった時は申し訳なくて本当に慌てたけど
みんなで美味しく、楽しかった!)
松よし
2012年04月02日
新潟・津南「手打蕎麦処 とみざわ」
4月。
津南はまだまだ雪の中である。
道路中央の消雪パイプもフル稼働。
道路脇の雪の壁の高さは場所によっては驚くほど高く
雪の多かった今年がいかに大変だったかがしのばれる。
寒い外から店内に入ると
迎えてくれた若奥さんは赤ちゃんをおんぶしていた。
広い店内での接客で忙しい奥さんの背中で
赤ちゃんはあたたかそうにすやすや眠ったまま。
はあー
雪国の蕎麦屋で、
いきなりいいもの見ちゃったなあ。
店内には囲炉裏のようなイメージの大テーブルもあり
ここにはあとから近所の人らしい家族連れがやってきた。
親子3代、6人が、この席に似合うこと似合うこと。
はあー
雪国の蕎麦屋で、またいいもの見ちゃったなあ。
「とみざわ」の蕎麦は2種類。
「割粉をしてあるくせのないそばです」
と説明にある、機械打ちの
「細打ちそば」。
「地粉100%、1日60食限定」とある、
「手打ちそば」。
というわけで、
「手打ちそば」
ツヤッツヤのピッカピカ!
またまた、雪国の風情にひたらずにはおられぬ、
フノリ・ヤマゴボウ入りならではのこのツヤ。
ふんわ〜と漂う、フノリそばの甘い香り。
私は生麩が好きなのだが、ちょっとそれにも似た
ほんのりと甘い香りだ。
平打ちの蕎麦は見ての通りのつるんっつるんで
食感として似ているものを探したが、強いて言えば葛切り、かな?
噛もうとすると逃げられそうな、
噛んでいるのに噛んでいないような。
いわゆる普通の二八蕎麦や十割蕎麦と比べると
実に不思議なつるつる感、独特のコシ、香りだが、
味も香りも野草のように濃厚でおいしい。
郷土蕎麦としてたまに食べるのはいいものだ。
津南の地粉、まさに郷土の蕎麦である。
奥さんの背中で眠る赤ちゃん、
囲炉裏風テーブル席の大家族、
地粉で打たれた郷土蕎麦、
外に降る雪・・
と雪国風情満点の店内のテレビは
なぜかBSニュース(?)。
英国人経済評論家による吹き替えなし字幕なしの経済評論が
延々と展開されていた。
誰も見ていなかったけど
あの赤ちゃんの睡眠英語学習かしらん・・・?
.
2012年04月01日
沼田「あづま」
いいでしょう、
この看板。
とんかつと田舎そば!
全然脈絡ありません!
いいのである。
ジャンルはどうあれおいしいと信じたものを一生懸命作って、
ふたつ並べて看板に掲げる。
実にまっすぐで素朴で、自然なことではないか。
この直球の志に私はシビレる。
フルネーム入りが余計まぶしい。
ちなみにこの「あづま御膳」とは
「あづま」自慢のそばととんかつが同時に味わえるセット。
「そば特選みそかつセット」
「そば特選とんかつセット」
「そば ひれ・みそかつセット」
「そば ひれかつセット」
などである。
その他
牛ステーキ定食、ハンバーグ定食、大エビ天重、大エビミックスフライ定食、うな重、大判鶏重、そば 巨大うなぎセット、そば 特選ユッケ重セット、しょうゆラーメン、とんこつラーメン、四川風みそラーメン、
などなど、これでも全てではないのだから
大変な充実ぶりだ。
ところでこの店は「田舎そば」を看板に掲げながら
どうもメニューにそばの単品メニューが無い。
聞くと単品でも頼めることがわかったが、せっかくなので
「田舎そばセット」(手づくりさしみこんにゃく、おろし、油あげ)
というのにする。
まずはサービスで出してくれる、揚げそば。
これが非常においしい。
よく見かけるものだが、何が違うのか「あづま」のはやたらとおいしい。
こうばしく、噛んだ粉が実に良い味わいなのだ。
ちょっと形は違うが、私が愛する和歌山の「そば切 徳」の
揚げ蕎麦を思い出すなあ
「手づくり豆腐」
「もつ煮」
大好物。ごまの風味が濃くておいしい。
そば、手づくりさしみこんにゃく、おろし、油あげの、
「田舎そばセット」
そばには、海苔とそば刺しがのせられている。
むわぁ〜 と濃厚に漂う、田舎そばらしい香り。
ふっくらした肌には褐色のホシが散りばめられ、
ほどよいコシの中から粉の甘みがふんだんに感じられる。
この近辺で採れた地粉使用の手打ちそば。
ああ 和むなあ
のんびりほにょー
おいしいなあ
「手作りさしみこんにゃく」
このあたりの店ではよく出会える手づくりこんにゃく。
大好物の私は単品でなくこんにゃくのセットにしたわけだが
この粗い食感といい、ジュワッとしたジューシーさといい
手作りのものというのはどうしてこうも違うのだろう。
「手づくりこんにゃく」でなく「舞茸天ぷら」のセットにすると
こんなのがドカンとやってくる。
写真よりすごいボリューム!
「最後デザート出ますから、食べ終わったらお声かけてくださいねー!」
店はかなり広いので厨房から大きな声で案内してくれる。
キビキビと働き者でニコニコ実に愛想のいい店主が
持ってくれたりんご。
ウハッ
生クリームにカラーチョコスプレー!
かっわいい、しかもムーミンのスプーンだぁ☆
「甘いの苦手だったら、クリームは避けてくださいねー」
とどこまでも親切な店主だ。
帰り際ふと見ると
レジの横には何故かアナウンサーのように店主の名前が。
(トーシン、という会社名ではなくこれが姓名なのだ)
募金箱の下には震災被災者への
店主の言葉が書いてある。
自分の気持を素直にあらわす。
私には足りないことだ。