2011年04月27日

千葉・鴨川「手造りそば 打墨庵 加瀬」


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鴨川の山中に突然現わる不思議な佇まい。
窓のないあの小屋は、ナンダ?


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店名は「うっつみあん かせ」と読む。
店の前を国道が走るが車通りは殆どないのであたりはごく静か。
小屋の中の様子は全く伺えず、
うごめくような入り口の装飾は風神雷神がひるがえす雲のようだ。


店に入ってみれば朝一番の店にはまだ客の姿もなく
若い奥さんが「いらっしゃいませ」とにっこり迎えてくれる。
個性的な店構えに緊張気味だった私だが
営業的でない初々しい態度にいっぺんに和まされる。

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古民家を改造した建物だけに天井がうんと高く、
風通しが良いのかひんやりした空気が気持ちいい。

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まずお通しとして出された、
「海老出汁の卵豆腐」

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海老の濃厚な味わいと、さっぱりとした食感のバランスがとてもいい。
お蕎麦屋さんとしては珍しいもてなし。
「不思議な建物の中の時間」が始まったようで楽しい気分になる。
卵豆腐の質感に合わせた皿の選び方も素晴らしい。



 「そばがき」

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塗の器に張られた澄んだ湯に、半身を濡らしたその姿。
極上とろけるやわらかな肌を箸先につまめば・・
鮮烈に香る!

香り方は鮮やかだが、フレッシュというよりはもう一歩老成したイメージの
強いて言えば野草のような香り。
口に含むと思ったとおりのなめらかな軽さ、濃密なるふわとろ。
私が蕎麦の香りで埋め尽くされる。




店内の照明はひかえめだが、
窓の外には、春。

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「せいろそば」

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蕎麦を眺めるには神秘的ですらあるライティング。
食べ物を見て「黎明」という言葉を連想する私は相変わらず大袈裟だが本気だ。
自然光が浮かびあがらせる肌のざらつき。
こわれそうに震える貴い輪郭線。

しかしたぐりあげればこわれそうなんかではなく、
むわぁっと生々しいほど、生命力溢れる蕎麦の香りを放っている。
生々しいと言っても非常に品が良い生々しさであるところが素晴らしい。
口に含むと優しいやわらかなコシ。
そこからほうじ茶のような、そば茶のような香ばしさが生まれくる。
滋味が、口中に溢れる。
今日ここに来られて良かった。



若い店主夫妻の素朴な笑顔に見送られ店を出る。
振り返り眺めれば最初に見た印象と同じ、窓のない不思議な小屋。
この中にあの静かな時間が流れているかと思うと
夢だったような気すらする。



また季節を替えて、夢を確かめにくるのだ。



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*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*
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2011年04月26日

小川町「そば酒房 福島」(東北を食べよう!その3 )


悲しむより、風に惑わされるより、

立ち止まらずに愛したい。


美しき福島。

おいしい福島!


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神保町と小川町の間の便利な場所に、
福島のアンテナショップがあるのをご存知だろうか。
「グルメマルシェ福島」。
ちいさな店にはまばゆいばかりの地酒もいっぱい。

店の奥は、なんと蕎麦屋になっている。
福島の郷土食と会津の十割蕎麦が食べられる、
「そば酒房 福島」。


酒房に来たからにゃ私も今夜は飲みますよ!
強くないだけで飲めないわけではないのです。
特に日本酒、だーいすき。

お店の人はみなさんとても明るく家庭的な雰囲気。
まずはこちら試飲させていただき1杯目はこれに。

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うほほっ
「好きなんです ふくしまの酒」。
この升和みますのぅ〜 (^o^)


この店の楽しさは、お酒は勿論おつまみの豊富さにもある。
福島の地元の食堂に来たような、家庭的でおいしいものがいっぱい!


「モツ煮」
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「無農薬ブロッコリーのごまドレ」
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「会津地鶏焼き鳥」
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次なるお酒は、こちら。

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おー、これは焼酎にも似て感じるほどの辛口スッキリ、いいお酒!
なーんてエラそうなこと言っているが
私が飲んだ量はどうぞ聞かないでけさい〜


食べているとメニュー以外にも
「あーそうそう今日はね、こんなのもあるんだけどー」
なんてニコニコ教えてくれてるので
それもつい食べたくなりどんどん頼んでしまう。

「ハタハタいしる干」
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「馬刺し」
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「ほうれん草のおひたし」
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なんてことないおひたしが何だかやたらに美味しいなと思ったら
どうやら秘密はお醤油にあるらしい。
ここは蕎麦つゆもとても美味しいのだが
聞けば「階上町(はしかみちょう)のお醤油屋さんが作ってるの。おいしいでしょ?」
とのこと。3月以降ニュースでよく聞く名前だけにハッとする。
しかしお店のおばちゃんの明るい笑顔に曇りはない。
嬉しくなって私もニコニコ「おいしいです!」。



さあ♪ さあ♪ お蕎麦だ♪

本日は「福島県泉崎村」の手打ち十割蕎麦。

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おー、これはまさに福島のお蕎麦屋さんで出会うような蕎麦ではないか。
つやつや輝く肌、ふっくらとした輪郭線。
透き通るような肌にはごく細かな黒いホシが一面に散りばめられている。
たぐりあげると、十割とは思えぬほど軽やかなつるつる感。
ほんのりとした甘みを追いかけ、口中を滑らかにめぐる束を見つめれば
心は福島を旅したあの日々に帰る。


悲しむより、風に惑わされるより、

今週行ってみませんか、

「グルメマルシェ そば酒房 福島」!


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(手打ちのお蕎麦は毎月2回限定でーす)




*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*

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2011年04月22日

根津「夢境庵」


根津神社のそばに日本医科大病院という大きな古い病院がある。
その病院の玄関真向かいにあるのが「夢境庵」。

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渋さより、しっとりと女性的な情緒を感じる佇まい。
「夢」という字のせいもあって
どこかで竹久夢二の世界とイメージを重ねているのかもしれない。



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ここは通し営業なのがありがたい。
10時から19時半まで、何時に行っても
「いらっしゃい〜」と迎えてくれる。

メニューにはオリジナルの「乙女そば」や
快気とかけた「開気うどん」なんてのもあるし
甘味もある。
元祖・和カフェのような存在として
病院帰りの人たちにさぞ重宝されていることだろう。

ちなみに乙女そばの内容は「おかめそば」。
実にいいネイミングではないか。
例え内容はおかめでも、心は永遠に乙女なのよ。




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ずっしりと重量感のある、みずみずしい蕎麦。
手繰り上げると、ややひねたような蕎麦の香りがむううと漂う。
小麦の甘みがやさしい、江戸前の味わいだ。

「お待たせしてしまったので・・」
と盛り多めのサービス。
つゆはもちろん濃い甘辛である。


午後4時の下町。

私は、七百円のゆたかな時間の中にいる。






*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*




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2011年04月19日

どっひゃー


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強烈!!

昨夜、蒲田Opus Twoにて

日本が誇るスーパーちょいワルオヤジ達の震撼のプレイ!!

村上'ポンタ'秀一(ds)、山下洋輔(pf) 坂井紅介(b)

かっこいいったらありゃしない

私も男に生まれたかったよーー!!


とか言って恐れ多くもまた飛び入り参加させて頂いた私・・・

どひゃー たのしかったぁ(>_<)♪



posted by aya at 09:20 | Comment(3) | TrackBack(0) | aya>日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月17日

代々木上原「手打蕎麦 ごとう」


すっかり風があたたかくなり
街路樹の花水木も咲き始め
春爛漫のこの頃。

春の訪れの小さなひとつひとつが
今年ほどありがたいことは今までなかった。

今日もお蕎麦だうれしいなー


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代々木上原駅からすぐの、「手打蕎麦 ごとう」。
今日も紋屋三田様と打ち合わせのあとパッと行かれることになり
「うわーっお蕎麦が食べられる!」と、なんと嬉しかったこと。
(昨日も食べたのだが)

ここのお蕎麦は2段重ねでやってくる。
「せいろ」も食べたいが「太打ち」も食べたい、しかし量が心配・・
と悩んでいたら紋屋三田様が手伝ってくださるのことで、
喜んで両方頼む。


「せいろ」
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本日は福井の在来種。
明るい蕎麦色、ふっくらふわんとした風情に誘われ
ウキウキたぐりあげれば・・
おお?ここにも春の風情が?!





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なるほど。
お釜にも春が訪れております。
でも桜の香りのお蕎麦って桜餅みたいで楽しいなあ


「太打ち」
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黒々と、容赦ない太打ち。
この方は春に染まりにくいらしく、
自分の風味をガッチリみなぎらせてくれています。
力強い野性的な香りと生々しいまでの味わい。


ここに来ると2年前に食べた赤城のお蕎麦の
衝撃的な美味しさの記憶が必ず蘇る。
そして心は群馬から茨城、福島の蕎麦畑へと飛んでいく。
美しい風に揺れる白い蕎麦の花が目に浮かぶ。


「こっちの方が合うなー」

「きのこせいろ」を味わう紋屋三田様の声に我に返る。
紋屋三田様によれば、温かいつけ汁には
こちらの「太打ち」がよくからんで美味しいそう。


うははーい

そして今日はリハの後夜もまたお蕎麦なのだー
嬉しいなあー♪






*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*


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2011年04月16日

埼玉・浦和「庵 浮雨(un peu)」


「庵 浮雨(あんぷう)」の楽しさは
そのユニークなセンスだけではない。
「そこにとどまらない力」。
フレンチの修行を積んだ店主だけに、
腕の鳴るままどんどん美味しいものが生まれてしまうのだ。

また今度はいろいろメニューが増えてるぞ!


まずはいつものように「自家製豆腐」から。
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うーん、今日のは一段と甘い。
これが大豆の甘みとは信じられないほど、
ほんのりどころかしっかりはっきりした甘み。
埼玉産「借金なし」大豆である。




本日の小皿料理より
「穴子のエスカベッシュ 洋風南ばんづけ」
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「自家製ピクルス」
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赤ピー黄ピー、カリフラワー、人参、みょうがなど、
ぱりっカリッと、全ての野菜の硬さが「これです!」という絶妙さ。
それだけじゃなく、なんだかやたらに美味しい秘密があるような・・
と思ったら、酸味をお酢でなく柚子でつけているそう。
食べた瞬間「柚子!」とわかる使い方でない上手さは、さすが「庵 浮雨」。
柚子はあまりに香り高い為、上手に使うのは非常に難しい食材であると
常々私は思っているのだ。




本日の小皿料理より
「鳥ムネとゴボウの青唐ミソマヨ和え」
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「自家製湯葉」
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豆腐があの濃さであるから当然湯葉も濃い。
甘さもしっかりだが全体にやや豆腐よりさっぱりめに感じ
うーん、私は湯葉の方が好きかも♪





「ホタルイカの燻製」
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「庵 浮雨」の自家製燻製にはファンが多く、勿論私もその一人。
鴨、その季節の海の幸(アジ、サーモン、カンパチ等)、タラコなど
本当に美味しくて毎回絶対に外せないのだがホタルイカは今回初めて。
これが教えたくないほど美味しい! 危険! だいすきー!!
ふっくらぷりぷりのホタルイカが、いい〜感じに燻されて
たまらぬ美味しさだ。




「ホタテのムニエル バターしょうゆソース」
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「温野菜 かつおだしバター風味」
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メニュー名から想像するよりかなり洗練、フレッシュな印象の一品。
野菜はどれも色鮮やかで、カリッとした歯ごたえを残している。




本日の小皿料理より
「砂肝のコンフィとレンズ豆のサラダ」
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こ〜れ〜も〜〜〜
私好み、美味しすぎる!
ほんのりガーリック風味の砂肝はコリッとした食感を残していて
そこに大好きなレンズ豆ときた日には・・こんなのもっと食べたいに決まってます。



「美桜鶏のササミと春菊のサラダ」
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メニューを見て一番食べたかったものはやっぱり大当たり。
つまりは「洋風 とりわさ」。
春菊を生で食べるサラダ仕立てというところがウマい!



「だし巻き風オムレツ」
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店主が惚れ込んで仕入れている、日高産の高級卵「たかはしたまご」使用。
「おいしいたまご」をダイレクトに味わいたい方には是非是非おすすめ!
ぐわぁああっと卵のコク、美味しさが味わえます。
だし巻きとオムレツのいいとこどりってのが庵 浮雨のニクイところ。



以上、本日ここでご紹介した蕎麦前はざっと11種類。
「ここ、お蕎麦屋さんでしたよね?」という位、
これだけたくさんの美味しい蕎麦前が揃っていたら
お蕎麦食べなくても十分満足!・・・と言いたいところだが。


すみません、私の心(お腹)はみっともないほど
最初から蕎麦だけに集中しておりまして・・


だって私はあなたに会いに、ここまで来たのだ。

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本日の「二種せいろ」は鹿児島と埼玉。
こちらが鹿児島。
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ふっくらとやさしい風情。
見た目の印象を裏切らぬふくよかな香りがふわりと漂う。
やさしい歯ざわり、じわっと広がる静かな風味。




こちらは埼玉。
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箸先に手繰り上げ、フレッシュな美しい香りにまず嬉しくなる。
爽やかな味わいが口中に広がり、噛みしめるごとに甘みがふくらむ。
ああこの埼玉素晴らしい・・・
うわあん美味しいようー 来てよかったようー


名物のつけ汁「クリームせいろ」も最近はシリーズ化していて
日替わりで一日一種類。

「カレークリーム鴨せいろ」
「花巻クリームせいろ」
「カルボナーラせいろ」
「サフランクリームせいろ」
「牡蠣クリームせいろ」
などなど。


「とどまらない」庵 浮雨はデザートも大発展中。
自家製ジェラートや豆乳パンナコッタも
日替わりフレイバーでシリーズ化しそうな気配。

ジェラート(本日はジャスミン)
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豆乳パンナコッタ(本日は杏仁)
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腕があるだけでなく、そのアイデア、センス、何より「とどまらないパワー」。
来る度にほんとうに楽しい気持ちにさせてもらえるお蕎麦屋さん。


今日は何があるのかワクワク、
メニュー見て何を食べようかワクワク。
どうぞ浦和「ナカギンザ通り」へ♪




2011年03月の「庵 浮雨(un peu)」
2010年08月の「庵 浮雨(un peu)」



*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*
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2011年04月15日

吉祥寺東急・催事出店「達磨」


何ヶ月も前から楽しみにしていた
吉祥寺東急「諸国名店とうまいもの大会」への「達磨」の出店!

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お蕎麦が好きな人には必携の良書、
「茨城のそば屋さん 常陸秋そば50店」
の著者である粉川健さんにお誘いいただき
楽しい蕎麦の集いに参加してきました!

「達磨」の蕎麦をより感動的に堪能すべく、前日から蕎麦抜きを試みるも失敗。
(前日も2軒行っちゃった)

しかし「達磨の朝」を迎えた私は生まれ変わったように新鮮!
「達磨」の蕎麦を迎えるべく血中蕎麦粉度は自動的に下がりまくり、
今日はこんなにも嬉しい気持ちで「達磨」の蕎麦に会える。
嗚呼自分のしあわせが怖い!


本日のメニューはこのようになっております。

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広島まで行かなくても「達磨」の蕎麦がこの値段で食べられる。
この私の感激は筆舌に尽くせるものではない。


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福岡名菓「ひよこ」ではございません。
(偶然くちばしがついてた!)
「達磨」の蕎麦味噌は卵が入ってるそうで
何ともまろやかな深みがありおいしい〜



そして


私の眼前に。

待ち焦がれた蕎麦、「達磨」のもりそば。

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見た目、非常にさりげないです。

見た目だけでどれが「達磨」の蕎麦か当てろと言われても全くわかりません。
強いて言えばどこかふうわり、飄々とした印象の、激しい主張のない蕎麦だ。

しかし、一度たぐり、口に含めば。

言ってしまおう。
私は100枚のせいろの中からでも
この蕎麦を見つけることができると思う。
(きゃー言っちゃった)

それほどの感激が、全身を吹き抜けるのだ。

私は、たぐりあげた瞬間「美味しい!」と小さく叫んだ。
中央のみを小さく攻めてくるような、正統派の美しい香り。
香ばしいとか甘いとかフレッシュなとか、
私が色々な蕎麦の香りに感じる個性の、どの言葉も要らない。
ふわぁ〜とか、むわぁ〜とかいう言葉もどこか違う。
美しく正しいものだけが、整えられた形でキュッとコンパクトにこちらに届く感じなのだ。
例えれば、風呂敷で美しく包まれたものを大広間の真ん中でスッと差し出されたような。

香りだけですでに降参、叫んだきりただただ首を振るばかりだったが
口に含みその感激は最高潮に。


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(写真はおかわりした2枚目)

箸先で感じた香りが、大きな風のように口中を吹き抜け
すべてを染める。
そのさわやかさ、かぐわしさ。

噛みしめて更に。

蕎麦の「コシ」という言葉があるが
「コシとは、こういうものだったのか!」と目が覚めるような食感。


噛み締めた最初の印象は、限りなくやさしく軽い。
天使か赤ちゃんかと表現してよいフワほにょ感である。
しかし驚くべきは、そこから次々と生まれる「弾むようなコシ」である。
何故、かようにやさしい、はかなさすら感じる蕎麦の中から
こんなにも軽やかな、大きく弾むようなコシが生まれ得るのか。
何度口に含んで噛みしめ見つめても
新鮮に驚かずにいられないほどの、奇跡のような食感である。


しかし面白いもので、全ての条件が同じ蕎麦でも
茹で方によって印象は微かに違う光彩を帯びてくる。

1枚目は極上天使のフワほにょ弾む蕎麦だったが、
おかわりした2枚目はそれよりもぐっと重量感を増し
きっちり密な、すべらかな肌を持っていた。
かぐわしさとコシ加減は1枚目同様の素晴らしさ。
どちらがいいかと言われても全く選べないが、
どんな時もその日最初に食べた蕎麦の感動の方が大きいのは事実である。


「3枚目、食べる人〜」
「はぁーい!」

えっ 私一人ですか!?

すみません、高遠、暴走します!
今日のこのしあわせに感謝しつつ、いただきます!

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ウハッ (≧∇≦)

これまたおいしすぎる〜
そして面白い〜

これは1枚目と2枚目の中間のような印象。
深さのあるざるに、ふんわりふっくら盛られた蕎麦は
凛と密な肌に軽やかなやさしい食感を秘めている。


なんだか「愛・爆発」で長々ごちゃごちゃ申しましたが
本当はなんでもいいんです。
とにかく私はしあわせでいっぱいで、もう泣いてもいいくらいだったんですが
それは意味不明な上迷惑なのでポーカーフェイスで大人しく食べておりました。
(これのどこがポーカーフェイスなのか↓しかも四季桜で真っ赤っか)

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(粉川さん撮影)


3枚を堪能し、身も心も蕎麦オーラで洗い清められふにゃふにゃになり、
そっと見に行った高橋名人の蕎麦打ち実演。


ここからあの繊細な美しい蕎麦が織りなされ生まれていることが
不思議なほど力強い姿。

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魂漲る動きに名人の迸る生き様を見たようで
あらためて衝撃を受ける。立ちつくす。
誰にも真似のできない高いところで、
だるまさんはただただひたすらお蕎麦を打っている。

名人の姿も素晴らしければ、
名人を師と仰ぐ人々の純粋な姿も眼を見張るほど美しい。
人が人を、ひたと尊敬する姿は美しい。


ご一緒くださった皆様、素晴らしき一日を、ありがとうございました。


そして高橋名人、「達磨」スタッフの方々、
余震が続く中、長丁場おつかれさまでした!



2011年04月10日

千葉・国府台「SOBA ISBA いさと」


「またこの季節になりましたね。ほら、とう菜」。

奥さんが嬉しそうに、にっこり笑って言う。
私も嬉しくて笑顔になる。

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拙著「蕎麦こい日記」の取材日にも出会えた「とう菜のおひたし」。
あの日も、こんな春の午後だったのだ。
このあたりの地野菜である「とう菜」。
いさとでは、近所で採れた野菜を使ったメニューにない小さな一皿を
頼んだものの合間にことりとさりげなく出してくれる。
まるで自分の家に帰ったような気持ちになる。

窓辺には、観葉植物のように蕎麦の鉢植えが。
小さな一皿にはこの「市川産」蕎麦の芽がそっと添えられることもある。

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今回の驚きはまずこのそばがき。
火にかけられているわけでもないのに
テーブルに運ばれて尚、まだぐつぐついってるではないか!
つい興奮して思わず初・動画アップに至る始末である。
(初動画アップが「そばがき」って人はあんまりいないだろうな)




この「そばがき」。
舌触りはスーパーもにょとろーんなのだが
そんなことよりにもどうにもこうにも唯一無二なそばがきである。
まずこの断面をご覧頂きたい。

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この驚くべき、色とりどりの蕎麦の粒たち。
一つ一つが、たった今畑からやって来て砕かれたばかりというよな
フレッシュな表情をみせている。
「これはそばがきというより、粒状の蕎麦畑がカタマリになったようなものだ!」。

モチモチとかフワフワとかいう「そばがき」としての特徴を求める必要がないほど
「畑感」が強い。
あまりにも「そのまんま」なのだ。
香りも、畑に頭をつっこんだかのような(どんなだ)飾らぬ野生の香り。
さすがは、毎朝全ての蕎麦粒を店主の目と手で厳しく選別し
選び抜いた蕎麦粒のみを手挽きしている「いさと」ならではの「そばがき」である。



そしてこちらでは一番人気と思われる、鴨肉入りの玉子焼き。
肉厚の玉子焼きの中には
「味噌」と「黒糖」と「唐辛子」で煮込んだ鴨肉がひそんでいる。
くもりなき黄金色の玉子焼きも美しいがこの「いさと」の焦げ目、
実にいいではないか。
浅草「亀十」のどらやきのようだ。

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私が今回とても気に入ってしまったのは、
先程アッツアツのそばがきが運ばれてきた時、
器の下に敷かれていた木の鍋敷き。

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何とも邪気のない自由なデザイン、素朴な木肌に惹かれて
思わず「これは何ですか?」と聞けば、なんとなんと。
使わなくなったまな板を彫って彫って店主が作ってしまったものだそう。
丸く開いた穴は元々のまな板時代からの穴だったのだ。



ときめきの時。

この窓辺であなたに会うと、私は目を細め見入るばかりだ。

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先刻そばがきの時に「畑がそのままカタマリになった」と言ったが
これは「蕎麦畑がそのまま細長い形状になった」ものである。

粒状の畑がつながって、ここにこんな形で存在することが奇跡のように思えてしまう。
何を大袈裟な、と思われようが私は大真面目だ。
素朴に揺れる輪郭線。
陽炎のような白いホシ、グレーの影、赤い粒、黄緑の粒。
口に含むと意外にもつるつると1本1本がはっきり感じられる食感なのだが
肌の感触は見ての通りの凹凸がありそれが口中を撫でていくのがたまらない。

見た目からはフレッシュな野生の香りが予想されるが
実際はなんともふくよかな、極上の更科のように研ぎ澄まされた上品な風味を持っている。
極上の更科と極上の粗挽き田舎のいいところ取りのような
珍しい蕎麦だ。





故郷の家をしばらく離れるかのように名残惜しく「いさと」を出た後、
出会った桜、そして大好きな木瓜(ぼけ)。

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何があっても、花は咲いてくれる。


今年も咲いてくれて、本当にありがとう!




2009年12月の「SOBA ISBA いさと」

*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*


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2011年04月06日

はじまるよー!

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下北沢THREE

ただいま楽屋にて出番待ち☆


節電でも自家発電で


何かが、遠くまで、届きますように!
posted by aya at 20:15 | Comment(3) | TrackBack(0) | aya>日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月05日

目黒「いいかげん」(流れ着きたい、いいかげん)


昨日の2軒め。
  
春風ふわら ふ〜らふら
やれ たのしや はしご蕎麦〜♪

と浮かれていたら、暗闇の先、たどり着いた店は「満員御礼」。

がぁーーーーーーん!!!

・・・いやいや、喜ばしいことではないか。
小さな店はお客さんがぎゅううとひしめき大賑わい。
窓際のお客さんが食べていたせいろそば、美味しそうだったなあ〜
(思わずじぃーと見過ぎて私、怖かったかなあ〜(^_^;))

また来ます、と笑顔でのれんを出て
今来た夜道をまた引き返す。

いいもーん、だいじょうぶだもーん、
とつぶやいてみても、どうも春風は先程までほどやわらかくない。
お蕎麦屋さんにフラレるのは慣れているとは言え
フラレ夜道はちょと寂しい。


そんな時、浮かぶのだ。
あの場所が。あの店主が。
流れ着きたくなる場所、「いいかげん」。


というわけで来ちゃった!!

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目黒駅前の不思議なビル。
こんなに沢山の飲食店が入っていて
こんな派手なネオンサインがある「駅前の」ビルなのに
「駅前にそんなビル、あったっけ?」と言われてしまうほど目立たない。
左下の白い看板「いいかげん」、見えました?

ホイホイ浮かれて地下に降り・・

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暖簾の隙間から恐る恐る中を除くと
よかった!
今日はそんなに混んでいない。


(今日は携帯カメラしかなかったため撮影音が申し訳なくて
 身を縮め、店内の音のタイミングを見計らって1回撮り!)
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こちらでははじめて頼むかも?「豆腐」。

ぎっしりと密度の濃い、素朴な木綿豆腐に
3つのトッピング。

この、ひとつひとつがですね〜〜〜
もう、参っちゃうんでありますよ。
さすがとしか言いようのない「いいかげん」の心憎さ。
左は王道、鰹節とネギ。
右は、ザーサイと縮緬雑魚を和えたような?とても美味しい。
そして真ん中!
明太子かと思って食べたら「うわーナニコレ!!」。
あまりの美味しさに思わず聞いたら、相変わらずのんびりと店主、
「ああそれは、たらこと”食べるラー油”を和えただけ・・」。

降参。
目にも舌にも100%美味しいこの一皿。
その簡単なアイディアにも、
何事も全く気負わず、のんびり自然な店主の姿にも。

私のようにまだ青い、脆い、あやうい存在が
「流れ付いてやすらぎたい」なんて思ってしまう、
大きな木のような小さな店なのだ。




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お蕎麦は、なんと今日は太打ちもあるとのことで
細打ちと太打ちを一緒に盛ってもらえた。


細打ちは、「いいかげん」らしい、やさしい粗挽き。
粗挽き加減は相当ワイルドだし、コシもしっかりとあるのに
何とも言えずやさしさのある食感なのだ。
今日のはいつもより香りも味も淡く感じたが、
その優しい野生味にすっかり酔わされる。

太打ちが美味しい!
見た目からかなりの歯ごたえを覚悟したが、
口に含めばこれもまた。
見た目から予想した口の中で暴れるような太打ちではなく
歯ごたえはしっかりなのだが、どこかやさしく、のんびりと食べられる太打ち。
噛みしめる度に野趣あふれる香りと甘みが増していくのだから
いつまでも噛んでいたくなる。


「ごちそうさま」
「またぜひどうぞ」


私は、ここに流れつきたかったのだ。




2010年4月の「いいかげん」




*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*



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2011年04月04日

本郷三丁目「手打そば 田奈部」(はしごたのしや)


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うははー

はしごたのしや
たのしやはしご


久々の「田奈部」

静かで、いい夜。


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横長のせいろにきっちりと盛られた、
ビシッッと端整な蕎麦。
あまりにも完璧な美しさは人間味を感じさせないほどだ。

たぐりあげれば微かに、ほのかに感じる、
蕎麦茶のような香ばしい香り。
味わいはすっきりと淡いのだが、
噛み締めるごとにふわっと生まれる香ばしさがたまらぬ。
つるつるときめ細かな肌、強靭な弾力。
折り目正しき、東京の蕎麦だ。


さてっ
2軒め2軒め〜

春風吹くまま、どこいくのかなあ あたしー







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posted by aya at 19:01 | Comment(2) | TrackBack(0) | 東京の蕎麦>文京区 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月03日

今週の出演予定☆


4/10、デイジーの集いのイベント出演のお知らせと
以前お知らせした4月6日(水)下北沢Threeでのライブ詳細です。


2011年4月6日(水)
下北沢 Three
open:19:00 start:19:30
前売り¥2300  当日¥2800 (+1drink)

出演:
ハリネコ+ナスノミツル
泉尚也×izumi misawa×類家心平
あくび+一樂誉志幸
Giulietta Machine + 高遠彩子

FOOD:
カレーの古里

Giulietta Machine + 高遠彩子 の出演時間目安は20:15です。





2011年4月10日(日)
細野晴臣さんのレーベル(トップページに音が出ます)
のパーティー「デイジーワールドの集い」に
Giulietta Machineとの共演で出演します。

いつも気楽に、のんびり〜な雰囲気の
音楽ファン必見の本当に面白いイベント。
今回は東京で音楽に携わる方々の思いのこもった、特別な雰囲気となると思います。

以下デイジーワールドHPより

>>>
デイジーの集いを4月10日(日)に開催いたします。
当日は統一地方選挙の投票日にあたります。大切な変わり目の時期の選挙です。ぜひ投票を済ませてからご来場ください。
今回の入場料は、義援金としてCAY/SPIRAL経由で日本赤十字社を通じて被災地の方々へ送付いたします。
また、継続する余震や原発事故による危険が続いていますので、無理のないご参加をお願いいたします。
当日は出来る限り電気を使わずに運営します。暗くて見えずらかったり、普段より音が小さかったりしますが、そのぶん音楽が近くなる集いです。

「デイジーワールドの集い 〜電気を消して心を灯すの巻〜 」
参加者  :細野晴臣グループ / ワールドスタンダードほか
日時   :4月10日(日) 18:00 Open[今回は早めに開演する予定です]
会場   : Cay(青山スパイラルB1F)
入場料  : ¥2,000
       + フード/ドリンク・オーダー
      (フードは¥800〜¥1,200程度、ドリンクは¥600〜です)
お問い合せ: EATS and MEETS Cay 03-3498-5790
SPIRALの関連イベント:アーティストからのメッセージ「アートのちから」

お問い合せ: EATS and MEETS Cay 03-3498-5790




*高遠彩子4月〜5月のライブ出演予定*



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