2010年06月30日

赤いハイヒール


昇太さんが出ているお芝居
熱海五郎一座「男と女の浮ついた遺伝子」
を観に行かんと、
るんるんるん〜っと歩いていたら、
何やらピッカーーーッと光輝いて見えるものが!

出会ってしまった。
ずっと憧れていた、赤いハイヒール。

映画で観る度、街で出会う度憧れていたのに
何故か今までチャンスも勇気もなく買えずにいた、
赤いハイヒール。


少々浮かれていたのがよかったに違いない。
こういうことには勢いも必要だ。


履いてみたら見た目の割に嘘みたいに楽で、
鏡の中で何だかとても似合って見えてしまって、
大ニコニコで買いましたとさ♪


そして長年の夢が入った紙袋ぶら下げて、
蕎麦も大いに注入して、
るんるん最高潮で出かけたお芝居は・・
サイッコー!でしたよー!



師匠ときたらもう、いつもながら
「ズルイんだからもう・・・」
としか言いようがありません。

会場中、みーんな持ってかれちゃってました!
可笑しくって、いまだに思い出し笑い。



東京公演は7/4まで、
その後は大阪公演もあるので、まだの方は是非♪




(今日はまた横浜と池袋で3軒お蕎麦屋さん行ったのに、
ハイヒール音頭で浮かれてて
いつもながら全然蕎麦報告できずすみません・・)



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2010年06月29日

千葉・松戸「松戸の里 手打ち蕎麦 宮前」



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夏休みにはまだ遠くても

ここだけ小さな夏休み。




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夏の日

本家のじいちゃんちに遊びに行ったのは、

私だったっけ 

あれは映画だったっけ。





常磐線「松戸」駅から歩くこと20分。
江戸川の土手まですぐのところに
「手打ちそば」の幟が見えてくる。

「松戸の里 手打ち蕎麦 宮前」。
「里」という言葉がまさにふさわしいのどかな風情。
庭先には「蕎麦道場」の迫力大真面目な看板も。


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お蕎麦は、二八のせいろと十割の田舎。
もちろん両方頼み、
庭の眺めも広々とした店内で
早くもこの店の時間に染まる。



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冷たいお蕎麦の前には蕎麦豆腐を出してくれるのだが
これが実に美味しくてあっという間に食べてしまった。
うん、ここの蕎麦豆腐、大好き!


早くも楽しい気分でくつろいでしまっていただけに
お蕎麦は予想以上に早くやってきたように感じられた。
まずは田舎からだが、
おや?何やらメッセージのようなものが。


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手作りのかわいらしいカード、
「最初の一口はお水で・・」。
すっかりこの店が気に入ってしまっただけに
できれば何でも従いたいのだが
どこまでも従順になれない自分がいつもながら憎たらしい。
すみません、やっぱりお水もつけられませんでした・・

どうしても、お蕎麦さんとはふたりきりで会いたくて。



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その田舎。
ざっくりと粗挽きの、素晴らしい肌。
素朴な輪郭線を描きながらゆたかに重なる様が美しい。

「これはいい!」
一目見てスイッチが鋭く入ったが、
たぐりあげた香りは思ったより穏やかでのんびり。

予想外・・いやいやいや、こののんびり感。
この家、この場所には実にぴったりと似合っているではないか。
素朴な風情、とんがったところのないおおらかな風味。
この家で過ごす時間に、ぴったりと寄り添うような蕎麦なのだ。

あー ほどけちゃうなあー

いいとこ来たなあー




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せいろも香りの方向としては田舎と似ているが
フルフルとしたやさしいコシがあり、風味の点では田舎より淡い。
しかしもはや私はそんな細かいことはどうでもよく、
周りのテーブルのお客さんに大人気の
「穴子天ぷらせいろ」が羨ましくなったりして。



え、天ぷらそばなんて食べるの?
アナタが?




だって今日は、たのしい夏休み。







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2010年06月27日

吉祥寺「中清」(初恋は「中清」)


まるで初恋の人に会ったかのような。



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久々の、「中清の粗挽き」。

熟成流行りの昨今、「中清」のそれがいかに特別なものだったか、
忘れかけていた私はどうかしていた。




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一見似たものは、あるかもしれない。

似ておらずとも、美味しい蕎麦はいくらでもあるだろう。



しかし私にとって、

中清の粗挽きの代わりになるものはない。

どの「ひとたぐり」も、どの「ひと噛み」も、
わたしの中の感激のツボをピタリ突いてくる。




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あらゆる方向からそのバランスを支え
完璧な「輪」を描くかのような、たまらぬ香ばしさ。

食べている間じゅう、口の中に広がり続け
味覚中枢を喜ばせ続けてくれる、熟成の旨みと甘み。

ただの「香ばしさ」ではない。
ただの「濃厚な旨み」ではない。


それぞれの要素に、
「これが欲しかった!」とこちらを夢中にさせるような魅力が
一つ一つしっかりと満ちているのだ。



「あー おいしいなあー」


目を閉じて天を向いたまま固まってしまいそうな。




扱いの難しい熟成。
いろいろな店で出会うようになるにつれ、
今日のはちょっと,というものに出会ったことも少なくはない。
最近ではやはり打ちたてを
より好むようになっていたことも告白しよう。



しかし、最初に好きになった人は違った。

私は、初恋の「熟成」の魅力にあらためて向き合い、
屹立する思いであった。




なーんて偉そうに書いているが
食後私がおかみさんに叫んだ言葉は
「もうダメだぁ、私吉祥寺に引っ越す〜〜」
であった。


話すほどに、女性らしくかわいらしいおかみさんも
枠にはまらず自由な感じが粋な店主も大好き。

久々に楽しく話もでき、
ああこんなにもしあわせな夜があるのだ。



こんなにもしあわせな夜があるのだ。



(昶さーん、今日はお会いできるかと思っていましたのに、
 寂しかったですよ〜
 もしこれお読みになっていたら、たまにはまた中清いらしてくださいね。
 お元気で、またお会いしたいです。場末の歌姫より←昶さん命名)





2010年06月26日

スコットランド報告・ユニバーサルデザイン編


今日はちょいと真面目にユニバーサル・デザインについて。


スコットランドの扉やレバーが日本と比べて固くて重いものが多く
お年寄りや子供は大変なのでは?というのは以前書いたが、
建物についてもやはり心配が。

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ヨーロッパには多い造りなのかもしれないが
こういう「半地下・半2階」のような建物がとても多く
しかも古いので階段が急な上にゆがんでいたりもする。

店舗だけでなく住宅でもこの形は多く、
ひとつの通りすべての建物がこの形式だったりして
脚が痛い人などはさぞ大変だろうと
お節介ながら心配になった。



しかし首都エジンバラ駅ではいいもの発見!
地下にある構内のど真ん中まで
外からそのままドカーンと車道と歩道が入ってきているのだ。

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これはスーツケースを持った旅行者には大変助かるし
お年寄りにも車椅子の人にもあらゆる搬入にも
みんなで使えて大変便利、素晴らしい!



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日本でも、面積が取れる駅では
歩道だけでも採用して欲しいな〜







.
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2010年06月25日

スコットランド報告・街で見かけた食べ物編


お蕎麦やお寿司をはじめとする和食をこれだけ愛しながら
海外に行くと全く恋しくない薄情者の私。


従って海外で和食らしきものを食べたことは一度もないのだが
やはり海外で日本のものに出会うと
「おー!」と何となく嬉しかったりして。


「YO!SUSHI」、
ロンドンを中心に展開しているチェーン店だが
スコットランドでも何店か遭遇。
「早い」「新楽」「い新」ってのがめちゃくちゃでも
ちゃんと伝わってくるではないか。

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回転寿司かと思いきや、
近づいてみるとお寿司は殆ど回っていなくて
エビフリャーとかチャーハンとかトンカツとか焼き魚とか。
どら焼きも廻っていた!
これは路面店だがデパートの最上階にも入ってたりして
結構人気のようでしたよ〜

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彩子特派員(ダウン着用の6月)





そしてそのデパートの同じ最上階には
「YO!SUSHI」に対抗するかのように
女性向け回転寿司、ならぬ「回転デザートカフェ」が!
ケーキやカクテルグラスに入ったデザートがくるくる回っていて、
これも「回転」ということにおいては日本文化なのかな?

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これまた同じデパート、同じ最上階。
日本食コーナー,頑張ってます!
「JAPANESE」の棚がほとんど
中華食材や東南アジア食材に占拠されている国も多いことを思えば
刮目の頑張りであります。
一応お蕎麦もありますから、蕎麦切れで倒れても
一命は取り留められることを確認。

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コンビニや売店で売っている食べ物の主流はやはりサンドイッチ。
ロンドン同様、フランスパンなどのバゲットサンドはほぼ見かけず、
イギリス式三角サンドイッチがほとんど。
(そういえばそれは日本もそうですね)
箱に入っているのをプラプラぶら下げている人もよく見かけました。
これはエジンバラ駅の売店。

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駅の小さな売店にもお寿司発見!
すごいなあSUSHI人気。
これでだいたい640円くらい。

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親しげに腕組んでしまったが
この人誰だったんだろう(^^;;)

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2010年06月24日

埼玉・与野「孤丘」(うははは・・・)



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うははははは・・・

うははははは・・・・


何って、のろけてるんでございます。


あまり認めたくありませんが
こうした小さき愛らしきものに
時々一目惚れし大恋愛に発展させてしまう私。

今夢中なのは・・・こやつ・・・
スクーンと名付けた、
スコットランド人(?)でして。


かごの中にいっぱい入って、
たった2.99ポンド(400円)で
私のところに来てくれるというので
それはもう、血相変えてレジに走った次第でございます。



身の丈わずか13センチほどですので
こうしてキーボードの上にいらしていただいても
全く邪魔でなく、むしろ邪魔して欲しいくらいで。


もうもうもう、視界にいてくれるだけで
なんだか訳も無く笑いたくなる、


あ〜〜〜〜
うははははは・・・・・


ちなみに、
私がこのように笑う時のイメージはいつも「春風亭昇太風」。
落語の登場人物が浮かれてる時の笑い声が
超おかしいんですよ!



そんなわけで,本当は今日の与野「孤丘」にも
この方を連れていき、せいろの横に立たせたりして
(想像しただけでトキメクではないか!!)
ずっと「うはははは・・・」と浮かれていたかったのですが

それでは、いよいよ知能を疑われますので。



「孤丘」、聞きしに勝るスーパー贅沢&優雅な空間でたまげました。

なんたって立派なお庭に離れ個室が3棟もあります。


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せいろは、ふわあーと豊かな薫りを放ちつつ、
味わいは淡白。
端正な輪郭線を持つ繊細な細切りが
口の中で美しくほどける様が心地よい。
涼やかな夢を追うように噛みしめるうちに
淡くやさしい味わいがこぼれてくる。


対する粗挽きは、ガッチリと固いラインを描く太打ち。
箸先では1本1本がなじまず
こぼれ落ちてしまうほどの力強さを持ちつつも
かみしめた歯ざわりはやさしい弾力。
薫りも甘みも豊かで、
のんびりとそれを楽しもうとすると
時々目が覚めるような「ガリッッッ」という
強烈なジャリ感で個性を主張してくる。


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自然光の気持ちよい、広々とした空間の中、
洗練の「冷かけ」の姿にも惚れ惚れ。
素晴らしい!

でもお味の方は、想像とちょっと違ったような?





あー

うはははは・・・・





あっ 大評判の昇太さんのお芝居
ぜったい行かなくっちゃー確か7月4日まで!



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2010年06月22日

スコットランド報告・バスルーム編


今回のスコットランド旅行で訪れたグラスゴーのホテルで
最初に案内された部屋はメゾネット(二階)形式だった。

それは素敵な造りだったのだが
シャワールームは地下にあり
バスタブがあったのはなんと上の階。
間仕切り一つない、絨毯敷きの寝室の中央(!!)であった。



お、趣は大変結構なのだが・・・


私は、マリリン・モンローでも叶姉妹でもないので・・・・




この部屋は別の理由から替えてもらうことになり
何とか危機(?)は免れたが、
それにしても日本人の私には欧米スタイルの入浴方法は
やはり理解に苦しむところである。

これはアメリカ人夫と結婚9年目を迎える親友深雪ちゃんとも
ワシントンDCで大いに盛り上がった話なので
長く外国に暮らしても「お風呂だいすき日本人」の習慣と感覚は
なかなか抜けないものなのかもしれない。


替えてもらった部屋のバスタブは
何とかシャワーと同じバスルーム内にあったが
そのシャワーがこの形である。


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この、真上から「天罰」のように降り注ぐ熱い洪水。

「処刑」という言葉すら連想してしまうシャワーブースである。

ハンドルを手で持って使えるシャワーに慣れた日本人には
どこをどうやって洗えばいいのか、
そもそも何故こんなに広くて立派なのに
こんなに単純(不便)な形をしていなければならないのかわからない。
(せめて排水口は隅にあってほしかった)

髪にシャンプーをつけて泡立てようにも
ただ真上から滝修行のようにお湯が降ってくるのでは
立ち位置を替えてお湯から逃げるしかない。
しかしそれではお湯が体に全くかからずもったいないし
6月でも寒い国ゆえ常にお湯に触れていなければ寒くていられないので
「腰から上だけひねって逃げる」という
「陽気なレゲエダンサー」みたいなポーズで髪を洗わねばならない。

いちいちお湯を止めようにもそのハンドルやレバーがまた、
何の筋トレかと思うくらい重く固い。
(これはスコットランド全域のあらゆる扉や
 トイレの水洗レバーでも感じたが
 子供や老人は実際大変なのではないか)


しかもこのシャワーの正面にトイレが設置してあるので
正面から向きあって眺めさせられる度
どうしても「天罰」という
言葉が浮かんでしまうバスルーム。


とは言え何事も順応の早い私。
意外にさっさとこの「天罰シャワー」にも慣れ
ファンキーなポーズをキメつつ髪を洗い
天井から直下に振り注ぐ、
それこそ「滝修行」級の荒々しい水圧を楽しむようになったのだが。

それでもやはり、ハンドルを握って使えるシャワーが便利だなと
思ったものである。



(そして以下は余談として「トイレ」の話なので
読みたくない方は是非とも飛ばしてくださいませ!
トイレと言っても設備の位置に関する話です。)


その次に泊まったホテルのバスルーム。


一応小さめの写真にしたのだが、
よろしければよく見ていただきたい。


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写真左手に小さく見えるのがトイレットペーパー・・・
だとよかったのだがよく見ると違う。

ペーパーがあるのは写真右手の、
座った位置からだと遙か1メートルは離れた壁。
座ると、
「左手を伸ばしにっ 伸ばしてっっ やっと届く」
という距離である。


しかし事の都合上、左手だけ微かに届けばよいという問題ではない。
一体このホテルは宿泊客に何をさせたいのか。


ここもまた激しい前衛舞踏のようなポーズを要求されるホテルであった。








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2010年06月21日

両国「江戸蕎麦 ほそ川」


黄朽葉色に塗り込められたモダンな空間。

最初こそ少々気詰まりに感じたが
この店で憩うペースを見つけた今は、
私にとって豊かなる寛ぎの空間である。


両国という場所もいい。
昼間は国技館や博物館に来た人々で賑わい
夜は打ってかわって静かな街。


何よりこの蕎麦、そして汁である。


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昨日の茨城の、馥郁たる薫り。

「蕎麦は貧困な土地で育つ穀物」と言われてしまうことがあるが
厳密に言えばそれは間違いで
「貧困な土地でも比較的育ち得る穀物」である。
米や小麦同様、肥沃な土地を好むのは植物として当然。


この蕎麦は、正にその茨城の沃土を思わせるふくよかな薫りを
溢れんばかりにたたえていた。


口に含めば、これぞ「ほそ川」。
余裕の軽さ、余裕のコシ。
これだけふんわりとやさしくありながら、
凛々しき品格を失わぬ稀有な蕎麦。
はあー、いつもながら、参ります。


黄朽葉色の洞窟にふうわり浮かぶ、
時間なき時間。


それを裂くように
「えーっ 田舎ないのぉー!?」
と言ったのは私ではない。
向こうのテーブルの女性である。


私も「ほそ川」においてはここのところ
運悪く田舎売り切れが続いているので
今日も大いにがっかりしたのだが、
来た時間も遅いので仕方ない。

せいろを2枚頼めば、産地違いのお蕎麦を出してくれるので
(それも「あれば」だが)
それでしあわせを感じようではないか!



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2枚目の福井は、
福井にしてはやや大人しく優等生な印象。
ガツンとした強烈はないものの、
「ほそ川」の醍醐味である余裕の歯ざわりを楽しむうち
奥深い味わいが口中を染めてくれる。


ここで私が愛するのは蕎麦ばかりではない。
その汁。
これがどうにも肌に合う。

蕎麦を汁につけない私が
汁について語ってもあまり意味はないが
「蕎麦湯を何も入れず飲みつつ、時々チラと汁を舌に載せる」
ことを蕎麦後の無上の喜びとしている私にも、
私なりの好みがある。

汁は「何も感じない汁」がいい。
甘いとか辛いとか濃いとか薄いとか
「カツオーッ!!」とか「しょうゆ〜〜っ!!」とか
何者も飛び出していないものがいい。

という理由で私は「ほそ川」の汁が好きなのである。


そうそう、ここは器の趣味もとても好きだ。
湯呑みなど、キリリと端正な磁器ながら
大きさはゆったりしているものが多いのが
のびのびとした気持ちにさせてくれる。

手びねりの素朴な陶器の湯呑みで大きめのものは多いが、
どちらかと言えば磁器好きの私、
ここの器は毎回見て惚れ、触って惚れ。



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濃厚蕎麦湯をなみなみとたっぷり飲みたくて
ついお湯呑みで蕎麦湯を飲んでしまい
いつもながらほそ川さんすみません・・・(^^;;)








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2010年06月20日

スコットランド報告・朝食編


朝食はブッフェスタイルが多かった
今回のスコットランド旅行。

朝食ブッフェというと
スクランブルエッグだベーコンだハムだチーズだと
華やかに盛り付けられた大きなカウンターがあるものだが
私が通いつめるのはほんの一角である。


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シリアル!

私は蕎麦のみならず
あまり精製されていない素朴な穀物全般が大好物。
(無論蕎麦はその中でも特別な存在であるが。)

シリアルならコーンフレークのような軽いものでなく
ザクザク噛みごたえのあるブラン系や
塩のみで食べる慎ましいオートミールなどがいい。

しかし普段はあまりにも蕎麦を食べ過ぎているため
人生穀物だらけという栄養の偏りを避けるべく
シリアルだの固いパンだのという
「蕎麦以外の大好物穀物」は自宅持ち込み一切禁止にしている。
私はこの身を蕎麦に捧げているのだ。


しかしスコットランドには蕎麦屋はない。
だからシリアルもパンも好きなだけ食べていいんだ!
わーい!


パンについては、他のヨーロッパ諸国に比べると
それほど美味しい国でなく・・・

というわけで毎朝心ゆくまでシリアル三昧。


ところで上のシリアルの中に突然「コロッケ」のようなものがあるのを
御覧いただけただろうか。


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じゅわーっとミルクに浸ったコロッケ・・・
では如何にもまずそうだが、
これ、イギリスでは「ケロッグ」ぐらいメジャーな
ウィータビックス(Weatabix)というシリアル。

日本は香港に近いので香港向けのものが一部で手に入るようだが
味としては「オールブラン」、
食感としては「オートミール」のような感じで
見た目も楽しく毎朝食べていた。



とは言え、卵料理や肉類など
彩り豊かな朝食を楽しむ人々の中、
毎日一人頑固に素朴系シリアルのみを
パリパリザクザク勤勉に咀嚼しているのも
鳥じゃあるまいし、確かに少々勿体無い。
せっかく遠い国に来たのであるから
一応スコットランドらしいものも食べましたぞ!


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ニシンの酢漬けや、ブラックプディングなど。
ブラックプティングは写真でも詳細が見えづらいが
実際近づいて目を凝らしても
質感が良く見えないほど黒が濃い!
(アップの写真ではひっくり返してみました)

味の方は、朝っぱらからスーパーヘビー、
何たって主原料は「羊や豚などの動物の血(!)」である。

長く厳しい冬に耐える
スコットランド人の頑強なる肉体は
こういうもので作られてきたのだ。



それにしても海外にいると
蕎麦のことを全く思い出しもしない薄情な私。

たぶん短期旅行者だからであって、
これが長期滞在したりしたら
それこそ禁断症状で苦しみだすのだと思うが、
それが一体何週間目くらいから現れるのか、
我ながら興味のあるところである。


我思うに「お蕎麦食べたい!!」と感じる間もなく
気づいたら道端にでもバッタリ倒れているのではないかと・・


その時にはどなたか、
上から蕎麦粉でもサラサラとまいてやってくださいませ(^_^;)






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2010年06月18日

神田「眠庵」(帰国一番蕎麦!)


昨日は10日以上ぶりの蕎麦断食明け。

いやあーーーー

骨の髄まで、染み渡ったです!!


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わたしの愛する栃木の、スモーキーな香ばしさ、
ざらつきつつもしんなりとやさしい舌触り。




そして昨日は例の北海道にありつけてしまった。

・・・何なんですかあの強烈なパワーは一体。

香りも味わいも
「あなた本当にただのお蕎麦さん?」
と訊きたくなるくらい、熟成ばりの濃厚さ。
もちろん熟成ではないのにである。


ムワワワワァ〜〜〜と濃厚な箸先の香りは、
濃厚なだけではない。
香ばしいだけではない。
嗅いだことのない荒々しいまでの力強さを持っている。
脳の奥に鋭く届くような、恍惚のかぐわしさ。

カウンターで一人座りつつ、この時点でもう私は
「はひゃ」
とか変な声が出ている。


そして口に含んだらあなた。

まだわたし噛んでません。
舌の上に乗せただけです。


それだけで、舌中が口中が
この上なくふくよかな、濃厚なお蕎麦の味で染まってしまうという、
どうにもこうにも唯一無二の蕎麦。



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「1本が10本分くらいある!」
とか意味不明の言葉を叫んだ私を無視してくれた隣のおじさま、
ありがとうございました。
「こちらのお蕎麦には1本1本にそれぞれ10本分くらいの
強烈な力と味わいが漲っております」と言いたかったのだが。

あそこまでグデングデンになって椅子から落ちなかった私、
よくぞ頑張り果せた。



この北海道。
その素材そのものが確かに凄い蕎麦なのだが、
打ち手次第では非常におとなしい味わいに
仕上がったりもするようで。




穀物が持って生まれた力をそのまま爆発させるも、
ちょいとブレーキをかけるも自由自在。


拙著において私が「教えたくない」と本音を漏らした
神田の路地奥、小さな隠れ家。



東京には、「眠庵」があるのだ。










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2010年06月17日

ただいまー


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無事帰国しました!


スコットランドではダウンジャケットまで着ていたので
この格好で成田に降り立った私の第一声は

「ここ暖房が効いてる!?」。


最初は「暑っ!」と思いましたが
やっぱり日本の四季はいいなあーとしみじみ。

スコットランドではノースリーブの服や素足にミュール、というファッションは
相当無理しないとできません!

それは女子として寂しい。


写真は乗り換えのパリ・シャルル・ド・ゴール空港。
ちっちゃめのカートがあるのが
スーツケースを預けたあとの身に大変便利でした。






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2010年06月13日

ネス湖は晴れだった。



昨日は、Edinburghから12時間、600kmかけて
Invernessまで行くHiland Bus Tourに行ってきました。

一日綺麗な景色と景色の間をひた走り・・




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途中休憩で停車した小さな町では
のそーっとかわいいHiland Cowくんにも会えちゃったし

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(「ちょっと撮って〜」と軽く頼まれても
いい写真撮ろうとつい全力・本気で頑張っちゃう人)





お昼はおみやげ屋さんにくっついたカフェテリアみたいなところで、
サンドイッチとスープ。


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ついにネス湖(Loch Ness)に到着!!
道中は晴れ間は滅多になくほとんど曇りでどんよりしていて
(地形のせいかかなり頻繁に様変わりするのです)
時々雨まで降っていたのに
Driver兼Guideさんが
「ネス湖では99%ブルースカイを保証するよ。僕を信じて!」
と言っていて、ほんとかな〜と思っていたら
本当に綺麗な日差しに恵まれて大喜び。
午後は湖の周りだけほぼ毎日晴れだとか。
不思議!

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大満足で街に帰ってきましたとさ♪

あー楽しかった。
あたまの中はいまだに景色だらけ。



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2010年06月11日

Edinburgh!

Holiday in Glasgowが終わってしまったのを
寂しがりつつ・・・

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今日は電車でEdinburghにやってきました!
電車の旅は楽しい。


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Edinburghは、その街の美しさにびっくり!
今日から4日間ここにいます。



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もう買い物もしちゃった!
またマフラー・・・
「あやちゃん、首は1本しかないのよ」
ってみゆきちゃんに怒られる〜(^^;;)


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2010年06月10日

the second haggis in my life


昨日からハギスハギスと騒いでおりますが

ハギスってスコッチウイスキーのお供としても有名な
スコットランド伝統料理の中でも代表的なもの。

羊の胃袋に内臓や野菜を詰めたもので
外国人には苦手な人も多いとされる、
まあ日本で言えば納豆みたいなもの?

でももともと「臭みのない柔らかいラム」より
「がっつりマトン」の方が好みの私には
ただただ美味しい〜(^o^)
思ったよりしつこくもないです。

昨日ちょっと素敵なところで食べたのはfried haggis.
盛り付けもなんだかかわいい〜


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Englandからセレブが来てたとかで
「出待ちパパラッチ」をパパラッチ(^^;;)


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2010年06月09日

Go! Go! Glasgow!

元気にスコットランドを満喫していまーす。

念願のハギスにも会えたし・・・

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羊くさいのが大好きな私には
癖なんかなくて何が珍味なんだか全然分からない!?
すごーく、おいしい!



毎日雨が残念ですが
いかにもスコットランドらしい感じでーす。

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University of Glasgow

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2010年06月07日

と、いうわけで!

何の脈絡もありませんが

今日から9日間スコットランドに行ってきまーす。


本場のハギスってどんなかなあ〜


15日、帰国一番蕎麦はどこにしよう(^O^)?




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2010年06月05日

大阪・難波「石臼手挽き蕎麦 源氏」


大阪中心部の地下鉄は、おそらく東京よりも細かく
網目のように走っている。

それだけに大阪駅ー梅田駅周辺やなんばのあたりなど、
いくつもの駅が微妙に離れつつ密集しているエリアは
便利なようでなかなかややこしい。
「なんば駅」、「大阪難波駅」、「近鉄難波駅」、
「南海難波駅」、「JR難波駅」って!

ちなみに大阪難波駅イコール近鉄難波駅らしいのだが
そこかしこにいろんな表示があるので混乱は増すばかりである。

その難波の中心も中心。
複数の難波駅に取り囲まれた島のような
飲食店が密集するエリアに、
小さいけれどピリリと個性的な蕎麦屋がある。


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なんば楽座通り、「石臼手挽き蕎麦 源氏」。
付近は飲み屋街につき、夜はおそらくかなり賑やかなのだろうが
今は昼下がり、のんびりと人通りもまばらである。



こちらには手挽きがあるのでまだあるか大変不安だったのだが、
よかった、まだあった!
二八の「玄挽きスタンダード蕎麦切りざる」
と「石臼手挽き十割蕎麦切りざる」を頼みワクワクしながら待つ。




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まずは「玄挽きスタンダード蕎麦切りざる」から。

この透明感、見るからにそうではないかと思ったが、
やはりやはり、濃厚な熟成の香り。
特大の黒いホシも混じる粗挽きだが
たっぷりと水気をまとっているのでその肌はつやつやと輝いている。


口に含むと、粗挽きのザラザラ感はみずみずしさに
コーティングされているかのようにつるつるとすべらか。
濃厚な甘みが口いっぱいに広がり
熟成のふくよかな香りが強烈に深まっていく。





そしてお待ちかねの「石臼手挽き十割蕎麦切りざる」。
初めてお目にかかってこりゃ驚いた。


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ふんわりと色白の初肌。もったり、ゆたかな姿。

何となく繊細な手挽きを想像していたのだが、
意表を突かれてうんと太打ちの手挽きであった。

白い陽炎のような星を浮かべた粗い素肌は
そのまま萩焼の肌のよう。
見ているだけでうっとりと夢見るような気持ちである。


箸でたぐり上げた香りは
いわゆるフレッシュな蕎麦の香りというのとは少し違う、
落ち着いた、上品な粉の香り。
口に含むとこれまた個性的、ブワンと太いのにどこか軽さがある。
これだけの姿ながら、モグモグ必死で噛みしめると言う大変さはない。
そして歯で噛み切ると「粉」感が強い。
生っぽいというわけではないのだが、
なぜかその断面に粉を感じるのだ。


優しい上品な香りを追いかけつつ、
個性的な食感を楽しむひととき。


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店内ではお店の人が常連さんとのんびりと、
店の昔話などをしている。
ここに移ってくる前の店は昭和4年からと話しているが
今のこの店もなかなか年季が入っているよう。
ちなみに移ってくる前はうどん店だったそうで
現店主は三代目。
「家政婦は見た!」ではなく
「居合わせた客は聞いた!」である。


入口の扉からは午後の光が斜めにさし込み、
和やかな雰囲気に眠くなってくるほど。
今日ここに来られてよかった。


西には、楽しい蕎麦の風が吹いている。







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2010年06月04日

大阪・道頓堀「手打ちそば 星」


星と書いて「あかり」と読ませるとは
なんとロマンティックなのだろう。

この手の詩情に弱い私は、訪れる前から
「星光浴」のような静かなやすらぎを覚えていた。

どっこい店は煩雑な道頓堀の繁華街ど真ん中。
環境としてはロマンティックとは対極と言っていい雰囲気であった。



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店内はこぢんまりと小さく、
作務衣姿の店主がひとりで迎えてくれた。
昼時も過ぎていたため他に客の姿はなく、
カウンターには選りすぐりらしいお酒の一升瓶が林立している。
夜は賑やかなのだろうが今はガランとして、
開店前の蕎麦居酒屋といった印象。



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しかし蕎麦に対峙して、
私の心は突如ロマンティックに自転しはじめた。

眼を見張るばかりに美しい、
黒や白、大小のホシ。

粗挽きの肌にくっきりと、
あるいはゆらめくようにふんだんに散りばめられ、
そのまばゆさに思わず目を細める。
店名の「星」は、このホシなのかとも思えるほど。
真昼の道頓堀、ひそやかな星光浴。


粗挽きの肌は野趣に富んだ趣ながら
そのあまりに美しい輪郭線が故に全体としては洗練の印象すらあり
完成度の高さが伺える。


たぐりあげれば
ほのかに甘くやさしい粉の香り。
初めは淡く感じられたが次第に香ばしさを増してくる。
粗挽きだが舌触りはなめらかで
噛みしめると心地よいコシが受け止めてくれる。

その味わいにしても姿にしても
空気をはらみながら踊るように重ねられた盛りつけ方にしても、
小慣れた「うまさ」に唸らせられる蕎麦なのだ。


こんな店がこんな便利な場所で
深夜3時までやっていてくれるなんて。
しかも営業時間は、なんと昼から深夜3時まで通し。
いつ何時「蕎麦衝動」に駆られるか分からない者にとっては
どれ程ありがたいかわからないが
まさか全てひとりきりでやっているわけでは、と
店主の労働時間が大変心配である。


心配ではあるが、電車もなくなり夜も更けに更けたころ、
この店の存在を山の上にひとつだけ輝く小さな星のように
頼るファンも多かろう。
飾り気の無い主人が飾り気なく
この美しい蕎麦を出してくれるのだろう。



そう思うと、やはり店名のとおり
ロマンティックな店に思えてくるのだ。







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2010年06月03日

大阪・布施「手打そば 庵」


面白い店があったものである。

いろんなお蕎麦屋さんに行くうちに
印象が似た店も出てくれば
行く前から「こんな店かな〜」とイメージが湧くこともある。

そんなこちらの勝手な予想を尽く痛快に裏切り
蕎麦は美味しく、
居心地はすこぶるいい。

そんな店は楽しいに決まっているではないか。


大阪は東大阪市、近鉄線「布施」駅から徒歩7分。
駅からは真北にまっすぐ、
ちょっと目立つ交差点に近いようなので
すぐにわかると思いきや・・・


うーん、ない。



ない。



え?



あれ??




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ドカーン。


すいません、「宿場町」で生まれ育った私、
「本陣跡」か何かだと思ってしまいました・・・

この、黒々と大きく立派な建物。
それでいて看板はいまひとつ目立たない、商売気のなさ。

かっこいいです。
只者じゃない雰囲気プンプンです。




さて近寄ってみれば、


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かっ 開庵中でございましたか。

まあ店名が「庵」であるから
至極妥当な表現ではあるのだが
「開いててよかった!」って言うよりは
「ぶたないでね!」とでも言いたくなるような
坐禅道場めいた迫力も。

作務衣着た坊主頭の人に竹刀で打たれるイメージが
早くも目に浮かんでしまうのに
可笑しくなりながら引き戸を開けると、




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しょえー。


これは大変。
引き戸を開けてなお、玄関前にこんな空間が。

あの〜、お蕎麦屋さん・・ですよね?
お昼いちまんえんとか、そういうのではないですよね?


恐る恐る歩み入り、二つめの扉であるこの格子戸を開け
さていよいよ店内に入った。
…つもりであったが、まだ、そこはまだ店内ではなく何やら薄暗い空間。
右奥に打ち場、左奥に「ちょっと違和感を感じるドア」のある
不思議な玄関スペースである。


今まで緊張気味だった私の頭は、
ここで一度「うにゃ?」と一度微妙にひん曲がった。
しかし本番は、その左奥のドアを開け、ついに店内に入ってからである。


開けますよ・・・

さあ皆さんでひっくり返りましょう!

じゃーん!




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予測不可能、いきなり家庭的洋風空間である。


しかもそのへんの適当な家庭的ぶりではなく
「クラシック音楽の先生の御自宅風」というか、
タッセル付きのカバーの掛かったピアノや譜面台、
シャンデリア風の照明、
光沢のある織り模様で窓辺を飾るカーテン・・
そういう雰囲気なのである。

確か本陣跡のような、
黒々とした屋敷の扉をあけて入ってきたのだが・・

私は夢を見ているのか?



店内はスペースとしては半分で区切られていて、
手前がこの洋風の応接間のような空間、
奥が座卓のある座敷席となっている。


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予想外の楽しい展開にワクワクしながら
とりあえず座敷席に座りメニューを見ると
「ざる」は700円。
よかった、いちまんえんじゃなかった。

単位が「一枚」でなく「一斥」であるところが気になったが
(一斤、でもない・・・)
一枚半だと1000円、二枚だと1300円という表示も
親切で嬉しいではないか。


さて「ざる」、どんなお蕎麦かな〜と待っていると・・


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なんと、ざるの左上に太陽のごとく輝く、
生卵付きでやってきた。

実は私、生卵で食べる蕎麦が大好きなくせに
普段はどうしても、蕎麦は蕎麦だけで食べたいので
こうやって不意に出てくると本当は大変嬉しいのだ。
(蕎麦だけで味わいたい気持ちと苦闘せねばならなくなるが)

吟味して取り寄せた玄蕎麦を自家製粉、手打ちした上で
「まずは蕎麦だけでどうぞ」とか
「塩でどうぞ」とかではなく
「美味しいから卵もつけて食べてみて!」という
おおらかなもてなし。

難しいこだわりを感じさせない素朴さが
非常に好ましく、居心地がいい。


しかしこの店は、どこまでもこちらの予想を
裏切ってくれる店なのである。
蕎麦が、予想を遥か超えてものすごく美味しいのだ。




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ずっしり、密な重量感。

ピーンと弾くような強靭なコシと
ガシガシの歯ごたえを持つ黒っぽい蕎麦。

箸先に手繰り上げると、ムワァー。
えー!どうしよう、こんなに美味しくては到底卵がつけられない。

口に含むとこれまた香ばしく
噛みしめるごとに穀物の甘みがジワァー。

あらー困った。
あらーこれでは卵がつけられない。
美味しすぎる・・・


しかしこれでは卵をつけないうちに蕎麦がなくなってしまうので
とりあえず汁をひとなめ。
こっ、これまた・・
この店でもう慣れてきてしまった「予想外」である。
こっくりとやたらに濃く、甘く、
汁というよりはタレと呼びたいような味。
そこに卵を投入しかき混ぜて、さあ蕎麦をつけて一口。

エッ


エエッ??


ヒャ〜〜!

ヒャ〜〜〜〜!


すみません、落ち着きたいのですが、
あまりにも、予想外においしくて・・・


もともと浅草は尾張屋育ちの私、
卵入りの汁にはもともと弱いが、
これは汁も相当個性的だし話はかなり違う。
しかしながら、なにしろ予想外の気に入りようである。


そしてこの店に入って以来の最後のびっくりは
蕎麦を食べ終わり、汁だけで一口なめた時。

「ちょ、チョコレートの味がする・・・」。


卵のコクが加わったせいなのか、
何度飲んでもミルクチョコ、
もしくはコーヒーチョコ。
こっくり甘く、たまり醤油のような濃さも感じるが
どうにもこうにもやっぱりチョコ。

私、甘い汁もチョコレートも苦手なのに・・・
何故こんなに美味しいのだ・・・・



ちょうど昼時ということもあり、
店内は家族連れやグループ客でいっぱい。
私にとっては注文の多い料理店並に不思議な店だったが
常連さんにはまったく自然らしく
元々この居心地の良さであるから
皆話に花を咲かせつつ楽しげに蕎麦をたぐっている。

厨房も客席も大忙しだったが
店員さん達は実にテキパキと素早く立ち働き
「いらっしゃいませぇー!」
「ありがとうございましたぁー!」
の元気な声も大変気持ちが良い。


一人客の私、蕎麦一枚なのにあまりの居心地の良さに
いつになく長居をしてしまった。

そしてお昼時のお客さんがひと通り帰った頃、
誰もいない客席で
私はつぶやいたのだ。



「このおみせ だいすき」。















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posted by aya at 08:05 | Comment(4) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月02日

続・誕生日写真♪


先日の誕生日パーティー写真を
みんながいっぱい送ってきてくれて
「ブログに載せてね!」とリクエストをいただいたので
載せちゃいまーす。



これが涙でそーに嬉しかった、山梨からの花束!

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この写真は「ハイ記念写真!」一応かしこまって撮ったもので


その前は
キィ〜〜〜ッ
キィ〜〜〜ッ
と謎の南国の鳥のような鳴き声をあげつつ
破顔一笑、どころか破顔万笑ってな感じでございました〜 (≧∇≦)/

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柿の木坂キャトルのかっわいいタルトも

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みんなありがとう〜〜



ブログにおめでとうメッセージを下さった皆様も、
本当にありがとうございましたemoj_req_00236.gif





posted by aya at 09:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | aya>diary | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月01日

大阪・四ツ橋「ぼっかけや」


こんな私でもたまには「固く決意」することがある。

「ぼっかけや」に行ったら、
「ぼっかけや」に行ったら、
次こそは「ぶっかけそば」を頼むんだ!


広々とした四つ橋筋のひとすじ裏。
高速沿いのやや寂しい裏通りに
何やらたのしげな小さな店がある。


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店名の「ぼっかけや」は
そのまま「ぶっかけそば」の意味。
手打ち蕎麦の上にかつおぶしとネギ、大根をぶっかけた「ぶっかけそば」と
お酒を主役に掲げるユニークな店だ。


蕎麦は二八と十割とあるのだが
残念ながら今日は十割はもう売り切れ。
しかも二八もあと一食というではないか。
お昼は二時半までで、
まだ一時半を少し回ったところだというのに、
すごいぞ大阪蕎麦熱波。


さて本日はお蕎麦が二八のみということはわかったが、
注文はどうしよう。
やはりここは「ぶっかけそば」に魂を注ぐ店。
たまには素直に「ぶっかけそば」を頼むべきなのではないか。


そう、そうに違いない。

そうだ、そうしよう。


ぶっかけを・・・
ぶっかけそばを頼むぞ・・・・

さあ言え、自分!!
頑張れ自分!!



「ご注文はお決まりですか?」

「はっ。・・・エート・・・

     ・・もりそばください・・・」



アーやっちゃった。


というわけでまたしても
「もりそば」を頼んでしまった私。
もはやこれは持病であり、どうしてもどうしても、
お蕎麦さんとはふたりきりで会いたい気持ちが優ってしまうのだ。


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「ぼっかけや」の「もりそば」はしっとり、やや太めの蕎麦。
箸先の香りはごく淡く、穀物らしい粉の香りである。
太めではあるがふっくらとした軽さがあり、
素朴な風情の輪郭線ながらすべすべと品のよい舌触りだ。

しかし蕎麦だけで味わうにはどうしてもパンチに欠ける部分は否めない。
だんだんと物足りなさを覚え始めた時
「そうだぶっかけやさんなのだから、汁も味わってみよう」
と思いついた。

早速ひとたぐり、汁につけてみると・・・







おいしいー




なんだか汁がやたらと美味しい。
単に私好みということなのだろうが、
何度つけても「うーんおいしい」と何度でも思ってしまう出汁の美味しさ。



シマッタ・・・

今日ばっかりは、「もりそば」はやめとけばよかった。
やっぱり素直に「ぶっかけそば」にしとけばよかった。

この美味しい汁と大根おろし(大好物)と鰹節とネギで、
このあっさりふっくらした蕎麦を食べたら・・・

そんなのおいしいに決まっているではないか!!
ここではやはり、「ぶっかけそば」を頼むべきではないか!!

というわけで、冒頭の「固い決意」に至ったのである。



さて、次回私が無事「ぶっかけそば」を注文出来るのか否か・・・


はーい、私、できない方に100まんえん〜






posted by aya at 22:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 関西の蕎麦>大阪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする